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「ごめんなさい」その三十四_第三十三話_恋でバストアップ大作戦!

 こんばんは、三日月です。
 遅れましてすみません。本当に。作者にも色々あるのです、というのは言い訳に過ぎませんが、すみません、色々あるのです。
 これからの更新は折を見てちょくちょく、不定期になります。これまでのように毎月二話更新はきっとできません。今回のように一話ずつぽつぽつと、のんびり続けていけたらなと思っています。
 前回までのお話の、気になりすぎる不可解な点、間違い、見落とし、ありえないところを修正しておきました。恥ずかしさのあまり顔から火が出そうなほどおかしな点が多々あったので直しておきます。ショックでした。間抜けにもほどがありますね。どこがどう、とは言えません。勘弁してくださいお願いします。
 拍手ありがとうございます。本当に励みになります。じんときます。
 焼きいもを食べました。あまりのおいしさに体全体がほくほくして、春の訪れを感じます。もうすぐ春ですね。ちょっと気取ってみませんか? ごほん、それでは第三十三話です。どうぞ。しかし恋をしてみませんかと聞かれて嫌だと答える人はいるのでしょうか……















 三十三 恋でバストアップ大作戦!








 私は夕食を済ませたのだが、みんなは食べていないそうだ。私が一緒でなくとも、食卓の場に私がいて欲しい。そう言ってみんな納得したらしい。わからない。どうして私がそんなにいいのだろう。


 ただ私も小腹が空いたので少し付き合うことにし、食堂へ向かう。奥から出迎えに来た
(めぐみ)は(今日の夕食当番だったらしい)私の姿を確認するとお帰りなさいとともに脱ぎだした。あっという間に上半身が白いブラジャーだけになる。


「ちょっと愛さん、なにしてるの」


「え、だって、
憲邇(けんじ)様は私の肌色が見たいって」


「愛さんやめなさい、憲邇くんがすぐ襲っちゃうじゃない」


「え、でも、あのときの言葉は私は裸じゃないと憲邇様の前にいちゃいけないだと思ったんですけど、違うんですか?」


「ふむ、それはそれで面白そうだけど、今はいいかな。裸はやめなさい、他の子が気後れしそう」


 そう言いながらみんなと同じようにキスをする。私はキス魔人だな、どれだけしても足りないと思えるほどキスが好きだ。


「そう、ですか。私いつでも、一日中裸でいなさいでも喜んでやります」


 渋々といった感じで上着を着直す愛。ふむ、ここまで始めから従順だと命令のし甲斐があるな。


「わかったよ、君は珍しいね。今日もきちんとできた?」


「はい、もちろんです」


「じゃあご褒美だ、下着だけ脱げばいい。それなら傍目には気にならないし」


「あなたっ」


「はい」


 とても嬉しそうに愛はまずパンツを脱いだ。躊躇した
絵里(えり)とはまったく違い、脱いだものを置いたままブラだけを外す。さっき脱いだブラウスの下からそれを出し、すぐに片付けに部屋に走る。


「ご主人様最低ですねっ、まったくもう、ここは娼館じゃないんですよ」


「ふぅん、わかった、
良子(りょうこ)も下着だけ脱ぎなさい、そのミニスカで」


「……ご主人様、すみません私」


「いいから」


「……はい……」


 愛とは違い、良子は羞恥心にまみれたままブラのホックを外した。そのまま、そそくさとみんなの視線を避けるように廊下の角を曲がり、「こら、ここでやりなさい」と言うと泣きそうな顔で私の目前まで歩き、パジャマのワンピースの下から大きなブラジャーを取り出す。それをすぐに上にかけていたエプロンにしまい、じっと私を見上げながら短いワンピースの中に手を入れ、白い下着を脱ぎだした。私も含め全員が注視している中、真っ赤になった良子もきちんとノーパンノーブラになり、片付けてきますと小さい声で言い走るように逃げていった。


「憲邇くんったら、なんでこんなに素敵なご主人様なのかしら。ねぇ、私も」


紗絵子(さえこ)はそのまま。脱ぎたいと言っても許さないよ」


「もうっ、憲邇くんのバカッ」


「……せんせ……えっちです……」


「憲邇さま……」


「あなたに逆らったらそういう刑にされるのね、気をつけなくちゃ」


「憲邇さんサイテーだよっ、もっとあたしたちにやさしくしてよっ」


 すぐにでも下着を脱いで私を喜ばせたがるまゆはそんなことを言う。だけどごめんね、その願いは叶えられないよ。


「ごめんね、少しやりすぎたな。まゆには言わないでおくよ」


「えっ……い、言っていいよ? あたし生意気言ったじゃん、命令、してもいいのに」


「ごめん、優しくする」


「……憲邇さん……」


 まゆの顔を固定し、代わりにキスをした。それで満足なのか、にへへと笑い走り出す。かわいい、子供のあのかわいらしさは、とても。


「あなた、今日のじゃんけんお風呂はまゆと
静香(しずか)ちゃんが勝ったけど、寝室はあなたに決めてもらいたいってみんな言ってるわ」


「ああ、決めておくよ、後で教える」


「そう。それはよかった。じゃあ、ご飯にする? お風呂にする? それとも私たち?」


「あ、その台詞、私も先生に言いたかったなぁ」


「にいづまだよみゆちゃん、あたしたちみーんな」


「う、うん」


「先にご飯にしよう。本当は今すぐでもまゆたちとセックスしたいけど。うん? 今まゆが勝ったって言ったよね?」


「ええ」


「そうか、まゆと二回は大変だな……」


「け、憲邇さん、いいよ、あたしみゆちゃんとパティさんと一緒でいい。もう入っちゃったし、お風呂は一緒じゃなくて」


「そう? もったいないなぁ、どうしようか」


「憲邇くん、とりあえずお姫様の様子でも見てきたら?」


「ああ、そうだね、荷物を置いてくるついでに見てこよう。その間に考えようかな」


 みんなは食堂へ向かい、私は
柚香里(ゆかり)の部屋へ。ノックをし、か細い返事を受けて部屋に入る。中では柚香里が確かに熱を出して寝込んでいた。……ん? 肩が素肌のまま見えている。まさか、今朝のままなのか?


「……憲邇? またえっち、するの? わかった、先シャワー浴びたいな」


 起き上がろうとする柚香里を制する。


「寝てなさい。昨日無理したんだ、これ以上やらせたくない」


「そう? いいよ、憲邇はお猿さんだから」


「寝てなさい。それともゆぅちゃんのほうがしたいの?」


「ち、違う、憲邇が、やりたいって言うから」


「寝てなさい」


「はぁい……」


「……大丈夫? 無理させたんなら、今後は控えようかな」


「ううん、平気。そりゃあね、憲邇が激しくするから、今もとってもひりひりして、じんじんして、痛いけど、これはね、陣痛と一緒なの。幸せな痛みだから」


「そっか。それはよかった。ちょうど明日はゆぅちゃんも休みだし、また一晩中付き合ってくれるかな?」


「いいよ。柚香里も早く妊娠したいな」


「冗談だって、寝てなさい」


「そう?」


「さてはゆぅちゃん、ちょっと見ないうちにすけべになったんだな?」


「な……ななな、なに言ってるのよぅ、そんなわ、そんなわけないでしょう! 柚香里はただ、憲邇をもっと感じたい、だけで、八年分、埋めたい、だけで……そんなんじゃないんだからぁ!」


「わかってるよ。夕食まだなんだって? 一緒に食べようか?」


「う、うん」


「それと、なにか着たほうがいいよ。そのまま起き上がるとセクシーすぎて、襲いそうだ」


「……いいって、言ってるでしょう、柚香里の狼さん」


「ごめんね、今狼さんは他の赤ずきんを食べてきたばかりなんだ、お腹いっぱい。明日外出するからそのときに君を食べたいな」


「うん、わかった。みぃんな食べちゃうんでしょう? もう、大飯食らいなんだからぁ」


「たくさんご飯は作ってもらわないとね。そうそう、明日は水着を用意してくれるかな。なるべく際どいのを」


「……そんなの捨てちゃったから。柚香里はもうワンピースしかないの」


「そう? 高校のときのやつ、今でも着れるだろう?」


「捨てたって言ってるでしょうっ、早くご飯持ってきなさいっ、このばかっ」


「わかったよ。ご飯は食堂でね。とにかくなにか着なさい。そのままだと食事はお預け。じゃあね」


「もうっ、憲邇のばかっ、大好きっ!」


 僕も大好きだよ、ゆぅちゃん。今夜だって無理矢理一晩中やりたいくらいに、変態丸出しなんだ。


 夕食はみんなと一緒にということで、どうにか着替えを終えた柚香里を肩に担ぎ、食堂へ運ぶ。全体重を預けられる充足感というのは例えようもない。嬉しいものだ。


 柚香里を左隣へ座らせる。朝と同じで絵里が隣に着き、箸を渡してくれた。


「ありがとう。いただきます」


 みんなで合唱をする。ふらふらの柚香里は椅子に体重を預け、少しずつ食事を摂っていった。良子は目を伏せ、ちらちらとこちらを窺い続ける。途中で私がいいよと言うのを待っているかのように。そんな訳はないのに。対して愛は堂々としていた。ああ、彼女には最初から大きく露出させないとダメだな、うん。でも、「おいしいよ、愛」


「ありがとうございます」


 やっぱりその普段の笑顔も、いいんだよ。


「明日は海へ行こうかと思うんだけど、ついてくる人はいる?」


 ほぼ全員が手を上げる。
春花(はるか)は学校の仕事があるので無理だそうだ。残念。詩音(ふみね)にはきちんと隠せる格好をしてもらおう。行きたいと言うのだ、行かなくては。


「わかった、みんな露出がしたいんだね、一斉にしてみようか」


「あ、あなたっ、そういう意味じゃ」


「できない人は来ちゃダメだよ、いいね?」


「……」


 みんなが黙り込む。「ああそうだ、
奈々穂(ななほ)ちゃんを桜園へ送ってからにするから、もしかしたら彼女もくるかもね」


「ご主人様、最低です……」


「みんなの水着姿が見たいな」


「行きます!」


 全員が言ってくれた。春花はとても残念そうにしていたので、後で春花も連れてこう。


「ね、お母さん、水着新しいの買おうよ」


「そうね、まゆも小学生になったから新調しましょうか」


「あたしいいのあったかな……買ってこうっと」


 静香も含めみんなどんな水着にしようかと楽しそうだった。よかった。


「先生、私水着はスクール水着しかないんですけど、どんなのが好きですか?」


「ダメだよ、自分で選びなさい」


「はい……やっぱりワンピースかな、スカート付きの」


「ああ、みゆはこの前のにしなさい、いいね?」


「は、はい……」


「みゆ、ダメよあんまりこの人の言うとおりしてちゃあ。どうせみゆに、ん……ビキニとか着させるんでしょう? ダメよ、みゆはまだ七つなの」


「ち、違うよお母さん。憲邇さまはちゃんとぴったりのかわいいの買ってくれたから、それにするの。白いワンピースにぴんくのお花いっぱいでね、ひらひらのスカートがあるやつだから」


「そう? だめよ憲邇、自分の趣味を押しつけちゃあ」


「お母さんいい加減にして、今日ちょっとへんだよ」


「そう? んぅ、うう……」


「柚香里大丈夫? そんなに辛い?」


「ううん、平気……はぁ……ねぇ、憲邇。この感じね、きっとできちゃったわ。みゆのときも、詩音のときもこうだったから」


 柚香里以外の子の顔が羨ましいというものに変わる。


「やったあとにね、いつもと違う、すっごく熱くなるの。はぁ……覚えてない? あたしの様子おかしかったこと」


「覚えてるけど、柚香里の様子がおかしいことなんてしょっちゅうだったから」


 おかしいとは思ってもそれが妊娠の兆候だとはまったく思えなかった。男は鈍い。


「……ねぇ、じんじんして苦しいから、憲邇ので優しく治してほしいな」


「とっとと寝なさい。今日の柚香里は確かにおかしいよ」


「なによぅ、おかしくしたの憲邇でしょう、もう。えっちな意味じゃない、添い寝、してほしいの」


「わかったよ、君が寝るまで傍にいる。けど寝たら他の女のところに転がり込むから」


「うん、それでいいの。ひりひりして痛いから、大好きな人と一緒じゃないと寝れないの」


 ふんわりと微笑む大好きなゆぅちゃんに、そっと食事を食べさせた。やはりおかしいのだろう、少しも躊躇せず周りも気にせず口に入れ、おいしいとひまわりになる。


 思わず撫でてしまった。


「ふ、
深町(ふかまち)さまっ、わ、私も、昨日が初夜でしたの。い、い、痛いです。じ、じ、じ、じんじんしますからっ、い、一緒に、寝てくださいませんか」


「こら
花雪(かゆき)、いけませんわ」


「いいよ。春花も
花織(かおり)も一緒に寝ようか」


「まあ、よろしいのですか?」


「いいよそれくらい」


「ありがとうございます、深町さま。で、ですけれど、その、二日連続は、その」


「花雪次第だよ。昨日のような大胆なことをすればどうなるか、君ならもうわかるはずだ」


「……はい……」


 大胆なこと? と母親はきつい目をしたが、どちらかというとなにをしたのかを知りたいだけで怒っているようではなかった。……春花もやれることなら、やりたいのだろうか。ふむ、やらせてみるのも面白そうだ。


「憲邇くん、私と春花さんだって二日連続でしてもらって、結構痛いんだから」


「そうなんだ? じゃあ仕方ない、添い寝しようか」


「まあ、深町様ったら……」


「うふふ、ありがとう憲邇くん」


「先生は痛くないんですか? 私もやるたびに結構じんじんするんですけど」


「ああ、男はね。寧ろやればやるほど楽しくなるんだ、不思議だろう?」


 みなしきりに頷いていた。男女のどうしようもない壁だ、男が気遣うところだろう。もっと丁寧に優しく、ああできそうもない。


「ご主人様の体がたくさんあったら、みんな添い寝してもらうんですけどねー」


 不可能ではないのだが、パティの力を借りることになる。黙っておこう。


「添い寝の前にみゆとまゆには相手してもらおうかな。パティは一緒じゃないよ、初めてくらい二人でやりたいから」


「うんっ、わかった」


「はい、憲邇さま」


「詩音には添い寝が終わった後、私と一緒に寝てもらうよ。いいね?」


「はい、憲先生」


 まさかとは思うが、勘違いしてない、よね? 寝るって、ただ寝るだけじゃないよ?


 まあいいか。「それとパティもお風呂から上がったら今日早速相手してもらおうかな」


「はは、はい。……よかった、綺麗にしてて」


 なにを言ったかは聞き取れなかったがまあいい。


「お風呂には静香が勝ったんだよね? もう一人誰か一緒に入りたい人いる?」


「ご主人様、私、私っ」


「憲邇様、私も入りたいです」


 君たち二人は下着を着けてないからだろう。そんなの許されると思っているのか。


「いいよ、先に今お互いがどんな下着を着けているか、スカートをめくり合って確認できたらね」


「えっ」


 すぐに愛は立ち上がり、良子のところまで歩いていった。それを見ておたおたする良子。


「ご主人様、先ほどなにを仰ったのか忘れたんですか」


「いいや? 気になったんだ、二人の下着がどんなのか、見せてよ、ここで」


「ごっ、ごしゅ……! やだ、愛ちゃんあっち行って!」


「良子ちゃんいいじゃない、そんな短いの穿いてるくせに」


「い、嫌っ、やめてっ、ご主人様ぁ」


「できないの? ますます確認したくなるなぁ、めくり合うか、それとも私に見えるようそこでパジャマ自体脱ぐかどちらかにしなさい。どちらもできないなんてわがままな家内はお風呂はなしだ」


「ご主人様……」


「良子ちゃん、ほら、こんなに素敵なご主人様の言うこと守れないの?」


「だ、だって、私今、ぱんつ……っ! やだ、やめて、見ないでっ」


 しきりにめくろうとする愛。自分のを躊躇なくめくり上げようとするのさえも良子は押さえ、やめましょう、お風呂はいいじゃないと折れた。


「……もう、良子ちゃんのせいだからね」


「だって……せ、せめて、ぱんつまでならって、当たり前じゃない」


 私にはそのボーダーラインがまったく理解できそうになかった。女心は男には永遠の謎だしな。しかし愛以外の女の子たちはみなしきりに頷いており、どうも愛だけが異常に思える。赤くなっていないのは愛だけだ。これは調教したい。


「すみません憲邇様」


「いやいいよ。ただ二人はアウトだね。他に誰かいる?」


 恐る恐る、絵里が手を上げる。「ダメ?」


「ダメ。謹慎は明日じゃないと解けないから」


「けち」


 そうは言いつつ、わずかに笑顔になり「あーん」と食事を運んでくれる。夕食では初めて、恐らくこれで終わり。一度きりとしたい絵里を噛み締めるとおいしさは倍増して、こちらも運ぶしかなかった。


「……ん、もう、あなたったら」


 照れ隠しに髪をかき上げる、絵里に骨抜きにされる。テーブルの下で手を繋いで、固く握り締めた。この人も握り返してくれる。それで微笑まずにはいられない。まったく、誰が謹慎などにしたのだろうか。


 ではと、一緒に入れそうな女子高生に目線を移した。


「仕方ない、
千歳(ちとせ)、三人で入ろうか」


「はい先生」


 千歳は積極的ではないがなにを言われても断らない。時々、ほんのわずかな自己主張をするのだ。かわいらしい。今日は長い亜麻色の髪を近い色のリボンで一まとめに束ねていた。さらさらとストレートにばかりしていたが今日は違う。後でそこはつっつこう。


「でもいいんですか? それだともう今日だけで八人もしてますけど、大丈夫ですか?」


「大丈夫、お風呂に入るからといってそれが即子作りとは限らないだろう? 一緒に寝るのだってね」


「そうですか、だったらいいんです。ただ先生も大変じゃないかなって」


「そうです、ま、まゆちゃんと一緒のときは、みゆはいいですからまゆちゃんだけに、し、してくれて」


「わかった、そんなにみゆがして欲しいって言うなら仕方ないね。ちゃんとしてあげるから安心しなさい」


「ち、違いますぅ」


「みゆさん、いけませんわ。殿方はご自分の性欲を持て余し気味なのです。私たち妻が解消させてあげないといけませんのよ」


「よ、よくわかりません」


「とにかく、みゆに拒否権はないんだ、私がやると言ったらやる、黙って従いなさい」


「……はい……憲邇さま、大好き……」


 ぼそりと、かすかな声で囁いた言葉は今度はなぜか聞こえた。


「……い、今の言葉、すごいですね。あたし、びりびりさせられます」


「う、うん。すっごくいいこと言ってくれたよね、憲邇さん」


「そうですわ……私などには勿体ないお方ですの」


「まあお母さま、今のような乱暴な言葉、きらいではなくて?」


「……後で教えますわ、黙ってなさい」


 なにかをぼそぼそと内緒話をする親子。なんだろうか。それより私は食事も終わったので(みなはまだだが)、手持ち無沙汰だな。


「あなたったら、ひどい人ね……ふふ」


「やぁねぇ憲邇ったら」


「こらこら二人とも、嬉しいくせに文句言うフリしないの」


 紗絵子だって嬉しそうに見えるけど。


「ち、違いますっ、嬉しくなんて」


「そうです紗絵子さん、あたしだって憲邇に黙って従えとか言われたら嬉しくて泣いちゃいますから」


「あのねえ柚香里さん」


「柚香里、やっぱりすぐ寝たほうがいいんじゃないかな」


「そ、そうかな。確かになんか変かも……おんぶしてくれる?」


「ああ、ちょうど終わったし、ほら、行こう」


 これ以上柚香里をここに置いておくのはちょっといけないだろう。さすがに昨日やりすぎたか。高校の頃は何度かあったのだが、今とあの頃は違う、か。


 背負うお姉ちゃんの重さは、とても軽いものだった。昔と変わらない軽さ。簡単に担げて疲れやしない。この軽さで私を受け止めてもらっているのだから、やはりもっと丁寧に、だな。


 こんなに柔らかいものを二つも押しつけてもらえるんだ、それくらいやろう。


「わぁ、憲邇の背中、大きいねぇ……」


「柚香里が小さいんだよ」


 みんなの視線を柚香里越しに感じながら、食堂を後にした。


 揺られながら運ばれる居心地に、柚香里はうとうとと船を漕いでいった。ちっ、添い寝しようと思ってたのに。寝室に運びそっと寝かせる。「おやすみ、ゆぅちゃん」それでもキスをしないと、安心できやしない。


 ほら、笑顔になった。


 食堂へ戻るともうみんなも食事は終えているようで、楽しそうに歓談していた。


「んとねー、憲邇さんのおんぶはサイコーだよっ、いっぺんしてもらうといいよ」


「そうなのですか? 私は父からそのようなこと、してもらったことがありませんの」


「そいつろくでなしだね、花織ちゃんみたいなカワイイ娘におんぶもしないやつはお父さんじゃないよ」


「まあ、手厳しいです」


 まゆと花織ちゃんは仲良さそうに笑い合っていた。向こうでは紗絵子が静香、千歳、みゆ、パティ、花雪、それと詩音にまで鞭撻を振るっていた。


「看護師に必要なのはたった一つだけ、愛よ」


「愛?」


「そう、愛。患者さんに対する愛がなければ勤まらないわ。愛して、慈しむの。ただし、患者でもないのに患者ぶろうとするやつを見極める目も必要ね。そんな輩に愛溢れる接し方をする必要なんてないの。ちょっと怪我したくらいで救急車を呼ぶようなやつはふざけるなってぶん殴ってやるくらいの気概も必要ね」


「あ、聞いたことあります、タクシー代わりに救急車呼ぶんですよね」


「うん、そういうやつらがいるの。そいつらにはね、なにもしてあげる必要がないから。こっちはお仕事なの、慈善事業じゃないの。勘違いされるけどね。いい、よく覚えておいて。助けなくても生きていける人に構っていて、本当に助けがほしい人を助けない、助けられないのは、犯罪よ。一級の犯罪。構ってちゃんはもっと悪いわ。罰せられないから私は何度も殴ったけど。間違えないでほしいわ、電話をしたり病院に駆け込む人たちすべてが患者じゃないの。判断だって簡単よ、心得があれば誰でもできる。絶対に助けが必要な人なんて誰が見たってわかるもの。そんなバカ連中に時間を取られてたら拾えたはずの命を見捨ててるも同然なの。もし救急車に関わるところで看護師をしたいのなら、よーく判断をする力をまずつけたほうがいいかもね。その点は
五十川(いそがわ)の野郎がよくわかってるかな」


「五十川?」


「ああ、憲邇くんの同僚よ。同期なの。外科医でね、鼻持ちならないけど腕は確かで、医者としての倫理観はそういうところだけはまともだわ。けど、自分の分野だけ。特に心の分野にはとんと疎いから、憲邇くんとよく対立してる。信頼はできるわ、医者としてね。憲邇くんに聞くとなんでも信じちゃうから、他人のほうがいいかもね」


「は、はい、そうですね。みゆは憲邇さまの言うこと全部信じちゃいます。け、憲邇さまは嘘なんて言わないってわかってますけど」


「いいえみゆちゃん、憲邇くんは嘘つきよ。看護師が足りないからなってほしくて嘘をついちゃうわ」


「マスターはそんなことしませんっ」


「さぁどうかしらぁ? ふふふ、私は母親ですもの、憲邇くんのことはよくわかってます」


「ずるいです紗絵子さんっ、あたしにもちょっと教えてください」


「ダーメ。静香ちゃんはまだまだこれからなの。これから美しくなっていく様をじっくり憲邇くんに捧げるんだから、ハンデをつけないとね」


「あ、でも私たちだって紗絵子さんとはハンデがありますよ? 長年の積み重ねが」


「うるさいわね、若いあなたたちのほうがいいに決まってるでしょっ、憲邇くんはロリコンなんだから」


「そ、そうでしょうか。マスターはロリコンでもあるし、普通の大人も好きそうです」


「あー……確かに」


 みんなして頷かれた。当たっているからなにも言えない。


 台所では愛と良子が二人で食器を洗っていたが、同時に口を動かせる器用な女性たちはこちらに聞こえるほど通る声で言い争いながら作業をしていた。


「大体憲邇様にご奉仕してお給料までもらってる身分のくせに心構えがなってないわ。自分であの衣装に身を包んだくせしてあの程度もやれないなんてどうかしてる」


「あっ、あれはご主人様の命令よ、元々私は普通の質素なメイド服だったの。愛ちゃんがおかしいわ、メイドなら夜のご奉仕まできちんとこなしてるはずだって、偏見よ」


「でも期待してたんでしょ? それでご主人様の衣服で」


「あーちょっとストップストップ! お願い、それ以上言わないで」


「やらしいのはどっちよ、デカチチ!」


「なにおう、このでこ助!」


 同級生は仲がいいな。見ていて微笑ましい。と、良子は頻繁に(食器洗いの最中なのに)裾を直していた。気になるのだろうか、だったら毎日でも言っておかないと、いや毎日の慣れにすると意味はないなぁ。同じく彼女たちを見て苦笑しながら、春花と絵里も談話していた。


「かしましいわねえ。私も年をとるわけだ」


「まあ、今からそんなことではいけませんわ」


「ううんでもねえ、紗絵子さんはすごいわ、若作りって言うより精神的に若いのよ。羨ましい。かといって私はあなたのように落ち着いてもいないから」


「落ち着いているのでしょうか。私はよくおっとりしていると言われます」


「ああ、そりゃあね。うちの子と違って学生時代、スカートを翻らせたことなんてないんでしょ?」


「ええ、それは当たり前ですわ」


「……よく教師を目指したわね。あなたの通っていたところと、勤め先は違うでしょうに」


「はい、確かに。ギャップがすごくて大変でしたわ。ま、まさか教師にいたずらをしてくる生徒がいるとは思いませんでしたの」


「スカートめくられて泣いたでしょう」


「……い、いいえ、毅然と叱りましたの」


「ううんそうねえ、確かに落ち着いているよりはおっとりしてるかな」


「や、やっぱり……」


「そこが長所です、気にしないでください。それより私にも分けてくださいよ、おっとりさ加減と、その巨乳。三センチくらいくれても痛くも痒くもないでしょ?」


「いいえ渡しません。これは私の旦那様だけのものですの」


「いいじゃない、私のになっても結局あの人のものよ? 変わりやしないわ」


「騙されません。貴女の主人に対する気後れしない心を下さるのでしたら考えてもいいですわ」


「あんなの簡単よ、あの人はね、こっちがぐいぐい引っぱろうと思い切って牽引すると、ほいほいついてきてくれるの」


「いいえ、それは絵里さんだけですの。わ、私がやっても、結局あの方にリードさせてしまいますわ」


「要は慣れね。それと育ちか。今から訓練しましょう、私をあの人だと思って、ほら、デートに誘いなさい!」


「……ぁ……え、えっと……」


「春花さんすごいわね、そう思うだけで赤くなれるんだ」


「だ、だって、すぐそこに深町様がおりますのに……」


「だからよ、聞こえるように言えば二つ返事で了承してくれるわ。ほらほら、言いなさい」


「……やっぱり羨ましい……貴女らしくあるその振る舞いが、とても……そっくりですわ」


「そう? そうね、春花さんは春花さんですからね。春花さんらしく、手紙でお誘いはどうでしょう?」


「あっ、よいですわ、それは」


 ……なぜだろう、彼女たちを見ていると愛しい気持ちでいっぱいだった。こんなにも歪な関係を結んでおいてなお、笑顔であれる。強い、と思う。支えてもらって、お互いにとそれができているのか少し不安だ。けれどいつかできるようになる、なってみたい。そうして、支え合う関係のまま時を過ごして、老いる楽しみを味わってみたい。


 みんなと、いついつまでも。


 と、いうことで男なので盛り中の私はぽんぽんと静香と千歳の肩を叩いた。


「お風呂入ろうか」


「はい、せんせ」


「話はいいの?」


「いいわよ、もう大体終わったから」


 紗絵子もにっこり送り出してくる。「いいわねぇ静香ちゃん、憲邇くんは混浴は絶対に襲ってくるから、何度もお風呂に勝てて」


「はい、うれしいです」


「あら、素直ないい子ねぇ。これはいい看護師になるわ」


 紗絵子が本当に嬉しそうに笑っていた。……これは本気で言ってるな。静香ならきっといい看護師になると、本気で思ってる。今の受け答えではなく、恐らく別のところで。


「でも憲邇くんのせいよ、この子たちが看護師ばっかり目指したら。きつい職業なのよ、憲邇くんが労ってあげないと」


「ああ、わかってる。ほら行こう、早くしないと後が大変だ」


「はい」


 二人を急かして食堂を出て行った。紗絵子はまた楽しそうに今度は良子たちにちょっかいをかけに行っていた。あの元気な母親からどうして、柚香里のような娘が……ああいや、柚香里も元気だったな。私がおとなしくさせていたとさえ思える。


「先生、さっきも言いましたけど、私別に子作りしなくていいですよ」


「断る」


「……えっちですね、先生。ふふ、そんな先生が大好きです」


 歩きながら指をつまんできた。


「あたしだって大好きですっ」


 静香は遠慮なく腕を組みにくる。


「ありがとう。私も好きだよ、千歳も静香も。着替えを持ってこないとお風呂に入れないから、私はここで」


「はーい」


 自分の部屋の前で二人を見送る。年相応にかわいいな、二人とも。私よりお似合いの相手がいるかもしれないのに、おっと、こんな考えは失礼だな。忘れてさっさと風呂場へ直行しよう。


 混浴して子作りしないなんて、選択肢にすら入らない。
















 男の人とお付き合いして、えっちをするとバストは大きくなるみたい。まだ赤ちゃんはできてないのに、また少し張りを感じる。先生のおかげだな、嬉しい。私ももうちょっと膨らんで、良子さんや
広子(ひろこ)さん、春花さんたち巨乳とまではいかなくても、これから一緒にする静香さんくらいのCカップになりたいな。先生の大きな手だと余るくらいだから。


 耳だけじゃなくて、胸もえっちにしてもらいたい。


 着替えを用意してお風呂場へ歩いてくと、扉の前で静香さんがうろうろしてた。私を見かけ、「遅いです」と口をへの字。「ごめんね、待ってたの?」


「だって、一緒じゃないと、せんせと二人っきりで脱がなくちゃだし……そのあとに千歳さんが来ると、その、あたしは裸のまま待っちゃうし」


「ああ、ごめんね。じゃあ入ろう」


 二人一緒に扉を開けた。


 先生が上着を脱いでいるところにちょうどでくわした。


「……」


「……」


 二人で黙り込み、男の人の服を脱ぐ瞬間を目撃して、赤くなってしまう。ちょっと見惚れちゃうんだ、先生だから。恥ずかしい。


「ああ、遅かったから先に入ろうかと思ってたんだ」


「す、すいません」


「いいから、早く入ろう」


 さっさと全裸になる先生。二人で目を逸らしつつ、急かす先生に促されて服を脱いでいく。


 静香さんはとても中学生と思えないな。ぼん、きゅっ、ぼんだ。母以外で同性の裸は初めて見るけど、やっぱり細かく違うな。静香さん下着もピンクだけど、肌の色つきもピンク色に染まってる。脱いでいくのを先生に見られると変わっちゃうのかな、不思議。


「ち、千歳さんまでじっと見ないでください」


「あ、ごめん」


 私は違うよね……ピンク色じゃない。個人個人なのかな、絵里さんとみゆちゃんはどうなんだろ。柚香里さんはまず間違いなくピンク色だよね、絶対。雰囲気もそうだし徹夜で先生の相手ができるんだから、きっとえっちなピンク色。あ、だとすると静香さんもえっちなんだ。


「……君たちは私が近親相姦してもいいと思ってる? 引き帰すなら今だよ」


「はい。なにかいけないんですか?」


 姉弟や親子で仲良しさんなの、別にいけないなんて思いませんけど。


「あたしは禁断の関係だってわかってます。でもそれよりも柚香里さんたちがうらやましいってだけです。関係ありません。せんせとこうして混浴ができるんです。ほかはどうでもいいんです」


「……そうか。ありがとう」


 笑っちゃうと見たくなる。首から下が白衣じゃなくて肌色だからすぐ逸らすけど。


「今日でミニスカートは二日目だけど、どうだった?」


「あたしはなんてことなかったです」


「私は結構、勇気がいりました」


「そっか。二人はまだ若いんだからいろいろなファッションにチャレンジしてもいいと思うよ。たくさんの綺麗な格好に身を包んだ君たちが見たい」


「はいせんせ」


「はい。そっか、じゃあ次はなにに挑戦しよう」


「千歳は今日珍しく髪を束ねてるよね? どうしたの?」


「はい、やってみようかなって。ミニスカートもしたし、こういうこともしたくって」


 伸びてきた髪にいろいろと工夫を重ねるみゆちゃんをいいなって思ったんです。髪飾りが大好きでよく似合ってるかわいい女の子を真似してみたくって。


「いいね、違う魅力が見られて嬉しいよ」


「はい」


 先生の笑顔も見れて一石二鳥です。たくさんやってないことあるから後ろから押してもらってるな。よし、どんどん試してみよう。


「千歳さんは素敵ですよね、モデルそっくりでスタイルも抜群だから、きっとなにしても似合います」


「あ、静香さんも言うんだ? そんなことないよ、良子さんが一番スタイルもいいし、気立ても抜群」


「そうですね、あの人にはちょっと嫉妬します」


 言いながらも最後の一枚を脱いだ。バストはずっと手で隠しっぱなしで、もちろん私もそうしてる。先生が見せなさいって言わないのが助かってるかも。お互い丸裸になっても、大事なところはちゃんと手で隠してた。というより、下着を見せることもなるべくしたくないから。


 最後に残したリボンを、この人が解いてくれる。……不思議な感慨に襲われ、小さくなにかを呟いてしまった。


「うぅん、そうだな、手で隠してるのもまたいいような気がする。ああ私は変態だな」


「そうです、せんせはド変態です」


「うるさい、さあ入ろう」


 ばつが悪そうに先にお風呂入ってった。二人してなるべく見えないようにって、これからのこと考えたら意味ないのに隠しながら湯船に浸かってく。私が髪をまとめるのに少し手間取り、二人とも待たせちゃった。


 不思議と二人ともお湯の中に入っちゃうと隠すのをやめて、先生と私は手を繋ぎ、静香さんは腕を組むんだ。不思議。よく自分からおっぱいくっつけられるなぁ。この状況じゃなかったら腕組みは私も好きだけど、今やるのはちょっと勇気がいるよね。


 二人して裸で一人の男の人を挟んでる。状況が状況で、熱くなったせいじゃない頬の赤みが二人してできてる。みんなみんなこの人一人だけのためのもの。これだけあっても、大好きな大人の人は満足してくれるかわからないから。ご奉仕の精神、良子さんに習いたい。後みゆちゃん。あの子はとってもよくわかってる。私が一番この人にお似合いだって思ってるの、実はみゆちゃんだから。


「静香も千歳ももう夏休みかな」


「あたしはそうですけど、千歳さんは?」


「私はもう少し。だからちょっと残念です。あ、先生、夏休みのうちに家族に紹介しなさいって言われたんです。家庭訪問、してくれますか?」


「ああ、いいよ。恋人って言ったんだろう? だったらそれらしく振舞うよ」


「はい。結婚できないの、どう説明しましょうか」


「気が早いね……私が結婚はしたくない、それで千歳を縛りたくないとか、いくらでも言い訳はできるから」


「はい、お任せします」


「静香はいいの? 家族に紹介は」


「……はい。秘密にして、妊娠してから言います。卑怯だってわかってますけど、あたしはまだ子供の中学生だから、これくらいしか」


「うん、静香が選びなさい。君が選ぶべきだ。悪いのはわた」


「せんせ」


「先生」


 二人してきつい目をする。「……ごめん、軽率だった」


「いいえ、せんせは悪くないんです」


「そうです悪くないです」


「参ったな、ありがとう」


 底の手が、ぎゅっと握ってくれる。嬉しいのは私もおんなじ。ぎゅって、握り返した。


「どういたしまして。あ、あたし、お礼より、その、こ、子供が、ほしいです……」


「先生、私も」


 断られたからしょうがないよね。


「うん、わかった」


 両腕が動き出す。始まる夜のお勤めに、二人は小さく頷いて覚悟を、決めた。


「あ、あの、せんせは何人あたしの子供がほしいですか?」


 すいすいお湯の中を泳ぐ先生の右腕は、右隣の静香さんの胸を後ろから揉んでいく。あ、私もだ。


「そうだね、静香にあまり負担はかけたくないし、まだ若いからたくさん作ると大変だろう。一人目ができたらしばらくお休みかな」


「……あたし、家族ぐらい説得してみせます」


「お休みと言っても避妊具を付けることだけが避妊じゃないから、ずっと生でするよ。危険日を避けるようにして、それでもできるなら仕方ないって産んでもらうから。私は変態だからね」


「……な、なんだ、そうならそうと言ってください、よかった……っ、へへ」


「あー、やっぱり静香さんはむっつりすけべですね」


「ち、違うっ、せんせの赤ちゃんは、千歳さんだってたくさんほしいでしょっ」


「うん。でもうちの家族を説得は難しそうだから、ん、一人でも充分かな」


 家族計画は慎重にね。子育てはとっても大変で、辛いことも多いから。親戚の子供をちょっと見るだけでさえ私はあたふたし通しでまだまだだ。母を尊敬する。


「そうだね、一人目ができたらなるべく控えようか。それに千歳、静香はむっつりすけべじゃないよ。女性が子供を欲しがるのはえっちなことをしたいからじゃないんだろう?」


「あ、はい、そうですね。でもえっちなことをしたい部分もあると思いますよ」


「そ、そうです。その、せんせが、っ、してくれるのが、うれしくて、やりたいって、っ、思っちゃうんです、ごめんなさいえっちな女で」


「違うって。私がやりたいのを叶えてくれるいい奥さんなだけだよ」


「……」


 二人して微笑み合った。ほんとにね、いい旦那さんだね。
 もっと尽くしたいな。体全部捧げてもまだ足りてない。どうしてかな……ん……


「どうしても君たちが淫らになりたいって言うなら、そういう風に育ててやってもいいけど?」


「……っ……」


「ど、どうする? 静香さん」


「……いや、です、せんせっ……えっちなのは、せんせだけで、っ、充分……っ」


「うぅん、私もかなぁ……んっ、はぁ、先生とおんなじくらいえっちになると大変そう……ん、毎回一晩中とか付き合えるようになっちゃいけない気がする」


「あの人はそんなにえっちじゃないよ」


 本当ですか? 良子さんに聞きましたよ、彼女と一緒に出した液体が、みゆちゃんたちのお部屋の前にたくさんあったって。わざわざそこまで付き合えるなんてえっちだとしか思えません。私が兄の部屋のまでそんなことできるとは……命令してくれたら、簡単かも。うん、えっちじゃないな。


 いじりながらキスがきた。二人の舌を吸うようにちゅうちゅう、響かせる。えっちな音。先に静香さんだから、これ、彼女のも混ざってるんだ。うわ、なんかやらしい。女の人同士でキスなんて普通しないし。あ、静香さんもちらちら私見てる。おいしかった?


「……千歳さん、お口、なにもかも小さいです。いいな、っ」


「そう? そうかな、静香さんもお口綺麗だよ」


「そうですか? 綺麗に見えます?」


 先生と二人で頷く。二人の意見ならと俯いた静香さんはまた少し先生に体重を預けにいった。


「だって静香さん、中学生とは思えないくらい大人びて見えてカッコいいなぁって。先生と歩いててどうして恋人に見えないのか不思議なくらい」


「それはですね、っ、せんせが、大人で、カッコよすぎるんです、っ、お、お似合いに見えるのは良子さんとか、絵里さんだから、っ」


「ああ、そうですね」


「納得されても困るな……そうとは思えないんだが」


 先生も童顔ですけど、漂う雰囲気、とっても大人で落ち着いてますよ? しっかりした大人が纏うオーラを感じます。この人なら、静香さんは妹か娘でもおかしくないなって思われちゃうんですね。


「んっ、っ、せんっ、んっ」


「先生……ふぁ、先生……」


 左胸ばっかりいじられると変な気持ちになる……静香さんも同じで、右胸ばっかりいじってもらってるとおかしくなってくるんだ。そこばっかり集中して、思わずキスをねだっちゃうんだよね。それで先生が嬉しそうだから私たちもたくさんしちゃう。この人の笑顔が嬉しいな。楽しそうに二人を優しくしてくれてるの、嬉しいな。


「せんせ……胸ばっかり……」


「そりゃあ胸が好きだからね。楽しいからしばらくしてようかな」


「先生……はぁ……ん……」


 そっと厚い胸に手を伸ばす。触りたくなった。この人が楽しいなら私も楽しいはず。硬い筋肉を感じて、さすってくの、うわ、楽しい、硬い、ぐねぐね……


「千歳さん……あ、あたしも……っ、ぁ……」


 二人で先生をなでなでしていった。硬いね、大きいね……三人でおんなじことしてるね……えっちだね、胸ばっかり触るの……ん……ああ、私のも硬くなりそう……


「これは男の人が女の胸を触りたいっていうの、仕方ないですね、先生」


「そう? 君たちのとは違うと思うけど、そういうことにしておこうか」


「……ん……せんせっ……ぁ、好き……」


「私も好きだよ、静香」


 すいすい、右腕が下に泳いでった。そのままお尻のほうへ、見えなくなる。左腕も下に泳いできて、私のお股の間に入ってきてくれた。


「……っ、せんっ、ぁ、っ」


「先生……あっ……」


「どうしたの? 私は前にされたからね、気持ちいいな、もっと胸をいじってくれていいのに」


「……せんせっ、ぁ、っ、んっ……」


「む、無理です……こんな、あっ……先生……」


 あそこくちゅくちゅ、されてお返しできる人いませんよ。だ、だって先生、私の弱いところ完璧に把握してますもの……ん、はい、そこです、ちょっと横、いいです……引っかくみたいに、ぐいぐい、ん……これ、先生のが挿入してるわけでもないのに、気持ちいいかもしれないんですよね? 淫らにもう、されてるのかも……


 静香さん、びくっ、びくって、してる。目をぎゅうって閉じて、必死になにか我慢してる。


「そこ、まで、ダメ、です……ぁ、せんせ、ぁ……」


「そうだね、でも一回やるだけでずいぶん違うな。やり易くはなった」


「はい……せんせに、っ、開発、されてます……っ」


「? 一回?」


「静香、今どこに私の指が入ってるか、言ってご覧」


「……っ」


 じっと、うるうるした瞳で無理ですと囁く静香さん。ダメだよと、優しく命令してくれる先生に、かあっとなった静香さんはぼそぼそと呟いた。


「……お、おし、り……」


「お尻?」


「ぁっ、い、今、あそこ、にも……っ」


 恥ずかしそうに歪んだ静香さんの顔がキスをねだる。びくびくしてる彼女のお尻に、先生の指が。


「そんなことしてどうなるんですか?」


「そういうえっちの仕方もあるんだよ。男はね、普通じゃやらないことをやらせて楽しむんだ」


「へぇ……ん、あそこだけじゃ、ないんだ」


「ただこれはじっくり慣らさないとあっちのほうは辛そうだ。ゆっくり愉しむとしよう、静香の変化をね」


「っ、ぁ、っ、せんっ、ぁ、ん、せんせっ」


 我慢できなくなったのか先生を思いっきり抱き寄せた。静香さんぐねぐね体勢を変えて耐えようとしてる。下半身、くねらせてる。


「ふぅん、お尻いじるだけでもあそこ、濡れてきてるね」


「えっ、あっ、せんっ、んっ、もうっ!」


「ここお風呂ですよ、先生」


「いやいや、お尻で感じるんだよ、二回目ですぐ」


「……っ! ち、違う、違います、から……っ」


 先生、いじめ方優しいです、やっぱり……みんな一緒に優しくいじめてるんですね。そりゃあまゆちゃんも七つでえっちしたいって思うわけだ。


「おかしくないさ、千歳は耳で感じるんだから」


「ひゃあっ! 先生っ、ふぁっ!」


 かぷり、耳を急に噛まれる……っ。はぁ、もう、急です先生っ。うふふ、嬉しい……もぐもぐ、やだもう……っ。


「嘘、すごい、いいな……っ」


「静香さんもっ、す、すごいよっ、ふぁ、ん」


「人それぞれってことさ。やってみたい?」


 止まった先生に目を開けて、大きな瞳を見つめる。そうして俯きかけて、ふるふると首を振った。……だって、この人からやりなさいって、言われたい。ね、静香さん? ほら、一緒に先生、見ちゃおう?


「ちゃんと口に出さないとわからないなぁ。そうか、やりたくないのか、残念」


「……っ……っ、ん……」


「先生……はぁ、もう……」


「じゃあどっちが先にあれ、やりたい?」


「……」


 自分がって、二人とも言ってる。先に欲しい、たくさん欲しい。でも言うなんて、


「言わないなら上がってまゆたちとやろうかな」


「あたし」「私」簡単だった。先生に優しく急かされると、どんなことでも言えそう。


「静香が早かったね、ほら立って、後ろからやるから」


「はい……せんせ、大好き……」


「私も大好きだよ、静香」


 耳もとで囁く、魔法の言葉。嬉しくてじわって涙ぐむのが、先生が入ってくると大きく流れてくのに変わる。立ったまま後ろからえっち、襲い掛かる先生がとても大きく見える。静香さん背中も綺麗だな……


「せんせっ……
 っ、んっ」


「千歳も立ちなさい、同じ体勢になって」


「はい」


 立ち上がり前のめりに浴槽の縁につかまる。これ後ろからあんなにされるときは楽だな。キスだけ、耳も遠いのが残念かも。


 なんて思ってると左指がお尻のほうからあそこにまた、入ってきた……お風呂でならされたから、ずぶずぶ、簡単に奥まできちゃう……


 先生の指は私と違って熱い。いつもだ。魔法使いの持つ温もりは心地よくて、身を任せてしまうの。


 でも大事なところは、もっと熱い。


 それを受けて静香さん、とっても嬉しそうに泣いてる。私と一緒だ。みんなそうだよね。


 はしたない私だって、久しぶりだからたくさん欲しい。欲しくて、温めて欲しくて、指でももう魔法がかかりそう。


 子作りしなくていいなんて、大嘘ですからね、先生。


「せん、せ……っ、んっ、ん……っ、ん……」


 ぱんっ、ぱんって静香さんが綺麗に鳴ってる。お尻もまん丸綺麗な形してたからこんな音、出るんだ。お風呂のせいでたくさん跳ねてよく響いてくる。ぱんっ、ぱんっ、先生わざと音出してるな。今えっちしてるねって、大きく教えてるんだ。わぁ、静香さんのぼせてる……あ、あ、私も、一緒になって指が、上ってくる……先生の指、大きいよ……


「せんっ、んっ! ぁ、おっきい、ですっ、んっ!」


「嫌? 小さくして欲しいの?」


「……ん……」


 小さく、振るのは首だ。そうです、おっきくて苦しいってついつい言っちゃうけど、小さくなんてして欲しくないんです。私たちのお腹の中を全部先生で満たしてくれるのが嬉しいんです。でもでも、文句はつい言っちゃうんです、ごめんなさい先生。


「せんせ……んっ、あっ、ん……」


 ちらちら後ろ振り向いてる。なにか欲しいんだ。撫でてもらいたいよね、キスとか、後ろからなら覆い被さって欲しいし、私なら耳をはむはむされたいけど。


「ダメだよ静香、ちゃんとあそこに集中してもらわないと」


「せん、せっ……っ、ん、ん……はっ、あっ、あっ」


「こっちを向いてもなにもないよ。ああ、お尻なら叩こうか」


「きゃっ! あっ! あっ! せんせっ!」


 ぱちんぱちん、先生ったら突いて、叩いて、突いて、叩いてを繰り返した。静香さんのお尻はすごく小気味いい音が鳴って、よく先生にしてもらってるんだってわかっちゃう。あ、涙がどんどん滲んできて、もっともっと激しく揺らされるけど、それでもって後ろを振り向いてる。


 私も先生の指が同じリズムで強く押し込まれてくるから、つい同じ涙を先生に見せてしまった。


「嫌?」


「……」


 身体を持ち上げるのをやめて、わざわざ耳もとで。また静香さんは小さく、首を振り、お尻を叩かれるのを耐えるためにお風呂のふちを強くつかんだ。


「……で、でも、せんせ、右手、つないで、ください……」


「ああ、いいよ。抜けないようにしないとね、ちゃんと掴んでなさい」


「はい……っ! んっ、んっ、あっ、せんせっ! 好きっ! 好きっ! もっと、あたしに、あたっ、んっ、あたし、に……っ」


 足りないんだ。おんなじだね。多すぎて私たちに足りてないよね。そりゃあ先生は満遍なくしてくれてるけど、私たちは強欲のわがままだからもっとって、欲しいですって言っちゃうよね。わかるなぁ。みんなそうだよね。先生があんまりにも、優しく、いじめてくれるから……


 もうお湯に浸かってないはずなのに、先生の指だけでお股の間が、また少し濡れだしたもの。ぐちゅぐちゅ音が二人分、お風呂の中を反射して、弱い耳に届くんだ。


 だから、どきどきする。もどかしくって、私も泣きたいって、泣かされたくって。隣にいる人はこんなにも大粒の涙を、後ろからぱちんぱちんされて飛び散らしてるから。


 二人で先生とえっちって、えっちで変態で、どきどきする。


「せんっ、あっ、んっ、はっ、せん、せっ、あっ、好きっ!」


「私も好きだよ、静香。欲しがりの静香もね」


「あっ、やだ、そういうん、じゃっ」


 静香さんのピンク色の胸の先が、ぷるぷる激しく揺れてる。先生と右手を繋いで、あそこでつかまれてるから。上、下、右、左に。先生からもきっと見えてる。なんとなく自分の小ぶりなものを見つめ、なんでかわからないけど焦りが湧き上がってきて先生を見つめてしまった。


 早く先生にもう二センチは、大きくしてもらいたい。えっちなこと、もっともっとしなきゃって。


 綺麗な静香さんは、えっちのときにもっと綺麗だから。きっと他の女の人たちもえっちのときは、抜群に綺麗になる。


 焦った私は少しでも先生に触れたいって、静香さんにぴったり横からくっつけるようにすり寄ってしまった。


 触れた彼女のお尻と肩が、とっても熱い。動き回って、先生のが伝わってるから。……もっと焦ってしまい、なにかが悔しいって静香さんに苦い顔しちゃう。目をぎゅうっと閉じて泣き叫ぶ、綺麗な声の静香さんが、ずるい、羨ましい。私も、私だって。


「……先生……」


「せんせっ! もう、手が、つない、あっ!」


「離さないで、外れるよ? もうすぐできそうなのに」


「やだっ、いやっ、せんっ、あっ、か、赤ちゃん、くださいっ、せんせのっ、あっ、はあっ!」


「じゃあいつもの言って? ほら、千歳にもしっかり聞こえるように大きな声で」


「……んっ、はっ、はいっ、んっ……お、おま○こにっ、せんせの精子っ、くださいっ! あんっ!」


「……」


 もしかして今のって、いやらしいのかな? 静香さんの恥ずかしがりっぷりがすごい。私も同じことほぼ毎回言わせてもらってるけど、静香さんが赤くなって涙の量が増えてるから、これ、いやらしいことなのかな?


 まさかと、振り返る先にいる男の人は、意味深な笑顔でこちらに視線を送った。


「せんっ、バカ、こんな恥ずかしい、こと、んっ、言わせっ、バカ……」


「……っ
 えっ、そんな、私……っ


 認識すると快感が身体中を駆け巡ってきた。私、そんな恥ずかしいこと、平気で……! 知らないとはいえ、言わされてたんだ、先生に……当たり前のことだって、恥ずかしいことだなんて思わなくて、欲しいなら言わなくちゃ先生もわかんないんだなって、女が言うことがはしたないとは思ってたけど、言うのが普通だってずっと思ってたのに……


 わかってしまうと、入ってるのは指なのに逃がさないって、強く締めつけてる……知らない私にかけてくれた先生の魔法が、とても、一つになってないのに、気持ちよくさせてくれた。


 恥ずかしさのあまり涙が出てくるままに、先生を見上げ、大好きですと視線を送った。目と目で会話をして、私もだよって返してくれる先生の瞳に、ますます赤くさせられる。


 恥ずかしい……! あんなに、私バカ……! ああでも、でもでも、おかげで今、とっても気持ちよくて、変な感じで、先生がきてないのに、指だけなのに変な感じに始めて襲われてる。えっちでたまらないこと言ってた私に、黙っててくれた先生のおかげで、今日はもうあんなこと、言えそうにない……でも言いたい、恥ずかしいこと、先生に強制されたい、命令だってたっくさん、して欲しい……


「せんっ! あんっ! はあっ! 好きっ! せんせっ! せんせっ!」


「私も好きだっ、静香っ」


「……先生……」


 こんなに気持ちよくさせてもらえる。こんなに先生も気持ちよさそうになってる。私だってと、思うもの。


「あっ
 せんっ せっ、せん…… んっ はぁ……


 静香さんがイッたみたい。びくびくんって、跳ね上がって、はぁって艶やかなため息を吐いた。えっち。くっついてるお尻がうねうね動いて、ちょっとでも先生の精子をたくさん受け止めようってなってる。えっち。


 先生の満足げな顔、一番えっち。


 ……ぴちゃんぴちゃん、水じゃない重いものが落ちる音、もっとえっちだったっ。


「……せんせ……



「静香……」


「……」


 うな垂れた静香さんを先生が優しく持ち上げて、軽くちゅっちゅ。幸せそうに微笑んだ静香さんががっくり落ちて、先生はとりあえず湯船から出して薄茶色の床に横たえた。……やっぱり、あそこから精子、たくさん出てるね。前と同じ量だから、何回目のこれでこの量は多いよ。


 初めてまじまじと見つめる静香さんの全身は、とても均整の取れたスタイル抜群で、バストも大きくて、あちこちピンク色で(特に小さな胸の先)、その上で先生がお化粧したから、とってもえっちに見える。


 ……先生の体は、私からすれば筋骨隆々のたくましい体で、水も滴るいい男だった。私は肩が一番好きかな、広くって、ぐるぐる回して欲しい。あ、肩揉みとか、したいかも。


 なんて恥ずかしい思いがずうっと続いていた私は他のことを考えるのに必死だった。恥ずかしくて恥ずかしくてたまらず、静香さんのえっちした後の身体も恥ずかしくてたまらず、でも見てしまい、先生を見てしまい、「恥ずかしいです」と呟いてしまった。


「へぇ、なにが恥ずかしいの?」


「だって私、あんなに恥ずかしいこと先生に言わされましたっ。ひどいです、言ってくれれば」


「言う訳ないだろう? このときのためにとっておいたんだ、嬉しいよ、千歳が恥ずかしい思いをしてくれて」


「バカ……ああもう、私も上がりたいです、ここだと、えっちな静香さんばっかり見ちゃいます」


「そう? じゃああがって四つんばいになるんだね、恥ずかしいと思ってずいぶん濡れたんだ、すぐにでもやれそうだよ」


「よ、四つんばいでも見えます、座ってやりましょう? で、できませんか?」


 やったことないっけ。立ってと、後ろからと、普通に仰向けは多いけど、座ってはどうだったかな。先生とは全部特別じゃないけど特別で、忘れっこないのに。


「仕方ないね。千歳は相当恥ずかしい思いをしたみたいだから」


「……できたら、優しく……」


 いじめてください。魔法をかけて。


「いいよ。前と同じことを、いつものように言えたらね」


「っ! は、はい……



 大好き、先生。


 浴槽から上がって、広いお風呂に三人並び、私たちはキスをする。静香さんもキスのちゅっちゅ音でわずかに目を開け、こっちを物欲しそうに見てきた。けど、今は私の番。これみよがしにキスをして、先生の舌と舌を交わらせて、交差させたり、吸ったりして、大きな音を聞こえさせるの。


 ちょっと、悔しかったから。焦っちゃったし、静香さんすごく綺麗だから。先生に先にあんなことされてるとこを間近で見ちゃうと焦っちゃった。


 でも今は、そんなの忘れてる。この唇にかかった魔法で綺麗さっぱり。


 顔が離れても、糸が繋がってるから。私はふふふと笑って、先生の座った椅子の上に正面から座り込んだ。これでキスもし放題。……耳だって、ね。胸がもうちょっとあったら、この位置ですぐ触れ合えるのにな。静香さん羨ましい。


「ごめんね、回復に少しかかりそうだ。すぐにできそうなんて言って悪い、私も若くないな」


「いいえ、先生はえっちです。黙ってた先生はえっちなんです。えっちな人は若いんです」


「そうかな、躊躇なく言える千歳がえっちだよ」


「いいえっ、違いますっ」


「いいや、知らないフリをしてた千歳が」


「違い、ます、から……」


 そんなにいじめないで……また赤くなっちゃいます。抱きしめてもらいたがります、先生。


 ぎゅうっと、涙ぐむ私をよしよししてくれる、優しい先生。いじめるのに優しくする、それがいいなんて、変態だな、私も。


「……好き」


 なかなか言えない、えっちのときの好き。耳もとで本当に小さく、呟いた。静香さんには聞こえないように。


「私も好きだよ、千歳」


 同じ声で返してくれる。そのまま強く抱きしめてくれる。熱い先生に、温めてもらおう。体の中から、ね。


「私の太ももをこんなに濡らしてくれる、千歳がね」


「そ、それは先生のせいです。あっ、ち、違います、これはお湯です」


「ほら、やっぱりちゃんとわかってたんだろう?」


「違うんですっ!」


「じゃあそういうことにしてあげよう」


 囁く吐息が、下からとても熱いものを運んできた。


「先生……っ」


 どろどろした精子まみれの先生が
挿入(はい)ってくると、今までと全然違うぬるぬるに熱くされていく……すごい、熱くって、温かくって、やらしいと思う。でも、赤ちゃんいっぱいできそう……


「こっちのが気持ちいい? 精子がたくさんついてたほうが」


「……っ」


 言えない。あんなに気持ちいいって言ってたことが、恥ずかしくやらしいことだってわかると、これもきっとそうだって言えなくなった。俯いて、代わりに目を閉じてキスをねだり誤魔化す。でも先生は耳を、舐めるから……


「ふぁ、ん……」


「どっちがいいか知りたいな、教えてよ」


 耳の裏から響かせられる、くすぐったい言葉が口を開かせかけた。


 でも言わないっ、いやらしくて、とてももう言えそうにないからっ。


「こっちのほうが赤ちゃんできやすいんだけど」


「……こ、こっちですっ、赤ちゃん、作りたいからっ」


「うんわかった、こっちのが気持ちいいんだね」


「違う、違います、先生……!」


 やだもう、泣きっぱなし……こんなに泣かされるなんて思わなかった。ああ嬉しい……先生、もっともっと泣かせて、私に、私を泣かせてください……


「千歳さん……綺麗……っ! せ、せんせっ?」


 なぜか静香さんが声を荒げた。あれ、そういえば先生の右手を感じなくなった。さっきまで髪を撫でたりしてくれてたのに。


「……せんせ……んっ……お、お尻……今いじっちゃ、やだ……っ……」


 あ、またお尻、終わったのに入れてる。仰向けだったのにいつの間にか四つんばいにさせて、無理矢理お尻を持ち上げさせて先生ったらいやらしい。あ、静香さんああしてお尻いじられたいんだ、自分から四つんばいがいいんだ。きっとそうだ。


「じゃああそこに指を入れて欲しいの?」


「……」


 ぶんぶんっ、かなり強く振ってる。嬉し涙また増えてってる、すごいな、先生。私も泣きっぱなし。声をお風呂場に反響させっぱなしで、かなり恥ずかしい、けど。


「先生っ……はっ、先生っ……んっ、あっ」


 最初は痛くもあったのに今は全然痛くない。むしろときどき、気持ちいいのが多い。特に耳。それとえっちだけど、やっぱりあそこが(先生のせいだ)。胸だってあんなに揉んでもらえば気持ちよく感じそうになるし、先生にどこどこまでも開発されてる。……私もいつか、お尻でえっちができるようになるのかな。


「千歳……そうだ、千歳が静香のお尻に指を入れるのもいいよね」


「っ!」


 隣で静香さんが跳ね上がった。「む、無理ですせんせっ、あ、あたし、そこ、んっ! せんせだけ、に、っ!」


「そう? 静香だって千歳の耳を舐めてあげなよ。私以外でも感じるようになればいいんだ、公然と仕置きに入れるから」


「先生……あっ、ん、先生……」


 私もできたら、先生だけがいいのに……先生がそんなに楽しそうに、言って、突いて、くれなかったら、いやいやをしそう。……でも、できそう。受け入れられそう。誰よりもなによりも好きになった先生の言うことは、えっちでたまらなくても、できそう。嫌って、言えない。本当に嫌じゃ、ない。


 ただ、見上げるだけ。


 もらえるキスに、拭き取ってもらえる涙に、かじられる耳に。すべてを、委ねてる。


 好き。先生、好き。


「……ずるです……んっ、んっ……千歳さんばっかり、キス多いです……んんっ」


「そうです、先生……はっ、あっ、ん……静香さんにも、キスあげてください……んっ、はぁ、先生……」


「そうか、足りなかったか……ごめんね、後でいっぱいしよう」


「はい……せんせ……ああ、お尻、広げちゃダメ……」


「先生……耳、食べちゃ、ダメ……」


 気持ちいいですから、食べられるとだらしない声、静香さんに聞こえちゃいます、これ以上ひどいのは聞かせられません。


「ダメダメって、どうしろって言うんだ。なにして欲しいの?」


「……き、キスが、いいです、キス」


「あたしもキス、キス……」


「大事なところを動かすのはしなくていいの?」


 止めるんだ。動くの、私の
膣内(なか)をぐいぐい押しやるの、止めるんだ。ひどいです先生、私が気持ちいいこと、わかっててでしょう。そんなにまでして言わせたいんですか、バカ。


「……してく」


 唇が塞がる。キスを求めたから、喋れないように無理矢理、開けようとするのを押さえつけられる……もう、先生はおかしいです、ひどいです。私もこれが嬉しくてたまらなくておかしいです。


「ん……先生……してくだあっ、もう、言わせ……ん……ふぁ、先生……」


「せんせ、あたしも、お尻もういいですよね、キス、キス、キスが……」


 起き上がろうとする静香さんを、ぱしんってまた甲高い音で押さえつけた。


「ああっ! せん、せっ……」


「うん、もういいよ。最後に叩けたし、千歳とキスが終わったら静香ともして、それで終わりかな」


「してくださいっ、大事なところ、動かしていいですから」


「キスが欲しいんじゃないの?」


「……先生が欲しいです……先生に熱いの、増やして欲しいです……」


 泣きながら懇願した私に、優しい優しい先生はちゅって、ごめんねって撫でてくれる。


 それでもう、全部吹き飛ぶんだ。


「ああっ! 先生っ! んっ、ふぁっ!」


「千歳っ」


 熱い先生が膣の奥に、きた。また私は離したくないってあそこ、締めつけてる。だらしない声をはしたないほど上げて、隣にきた静香さんが先生の背中のほうに抱きついて恥ずかしそうに喘ぐ私をちらちらのぞき見てくる。ずるい、私あんまり見ないようにしたのに、そんなに見られるの恥ずかしいよ……キスねだるフリして、私ばっかり、見ないで……


「ふぁぁ! ああっ、もう、先生耳、食べちゃダメですってばっ!」


「千歳がいつもの言わないからだよ。言うまでいつものやらないから」


「千歳さん……」


「あっ、あっ、もう、先生、バカ……ふぁ、わ、わかりました、言います、んっ、膣内に赤ちゃん、くださいっ、ふぁっ、先生の赤ちゃん、先生の熱くてたまらない精子、くださいっ」


「ここ気持ちよくないんだ?」


「うっ、ああっ! は、はい、気持ちいいです、気持ちいいです、耳がとっても、あ、あそこも、とっても」


「どこ?」


「……はっ、はっ、うっ、ふぁっ」


 女性器を口に出すのが、恥ずかしくないわけなかった。先生の魔法に騙されて、今まで何回も言った言葉。今はとても、勇気のいる言葉。でも言わないといつものくれないって、先生がいじめることを言ってくれるから。


「……ま○こ……っ、んっ、ふぁ、ま○こが、気持ちいいです……先生にっ、ああっ、ん、先生と、一緒に、なってるから……」


「……」


「はい、よく言えました。千歳の、とっても気持ちいいよ」


 あげるねって。耳裏の声と舐めるのと、両手が腰をがっしりつかむのと、私が背中にしっかり手を伸ばすのと、先生が思いっきりあそこを突き上げてくれるのとが、ほとんど全部一緒に、やってきた。


「ふぁぁっ



 私が大声を上げるのも、一緒に。


 ……耳とあそこを同時に責められると身をよじって感じる女に、してもらってるみたい。


 射精してもらってもびくびく気持ちよくなれる、ようにも
 って、先生すごい、なっ、う、うわぁ…… は、わ……っ おんなじくらい、です、おかしいです、これ四回目の…… 耳までぎゅうって、はむはむですね はぁ……


 ぽとぽと、また白い液体が落ちていく。元々、あはは、最初からこぼれてたけど、また……


「気持ちよかった?」


「……」


 やっぱり、わかると言えなくなる。それでも教えたくて、小さく頷いた。それでいいよってまたぎゅうって、抱きしめてくれる。


「先生……」


「千歳」


「……千歳さん……」


 先生の手と静香さんの手が背中で重なる。柔らかいからすぐわかった。


「千歳さんだってむっつりすけべですね、なるたけせんせのをたくさん受け止めようって、ぎゅうぎゅう抱き寄せるんですから」


「そ、そんなこと……」


 あるかも。熱いの、欲しいのかも。


 ……背中に静香さんいるけど、あのときの背中の手触り、先生だった。嬉しいな、やっぱりいい女だよ静香さん。避けてくれたんだね、ありがとう。ほら、先生キスあげてください、もう、私ばっかり。


 おいしい



「でも綺麗でした、千歳さん」


「静香さんも綺麗だったよ」


 えっちでしたけど。お互いの目が言ってる。


「せんせ、どっちが綺麗でした?」


「先生?」


「どっちもお尻は綺麗だったかな」


「せんせ、許しませんよ? ん、キスで誤魔化したってダメです」


「そうです先生」


「胸は静香、耳は千歳。唇はどっちもだな、ああうなじが見えて千歳は綺麗かも、あ、静香もいいね。難しいな、どっちも綺麗なところがいっぱいあるから」


「……もう」


 二人してくすくす笑っちゃう。してもらった後だから、ふわふわした心地いい気持ちでいっぱい。ちょっとくらい先生を許してあげられるかも。


 先生は私よりもずっとずっと、綺麗です。


 綺麗な先生に綺麗にしてもらって、二人とも汗をきちんと洗い流してからまたお風呂に三人でぎゅうぎゅう詰め(お互いの身体からは目を逸らしたまま)。わざわざ広いお風呂に三人がくっついてすし詰めになろうとしてる。私は再度手を繋ぎ、静香さんも腕を組んだ。


「浴槽で三人でやるのは狭いかなと思ったけど、狭いは狭いで面白いね。くっつけるし」


「はい。ぎゅうぎゅうでうれしかったです、せんせ」


「静香さんの体も熱いんですね、先生だけかと思ってた」


「千歳さん冷え性ですか?」


「あ、うん、少しね。体がよく冷えるから、先生に毎日温めてもらいたいな」


 今は夏だからいいけど、冬は毎年大変で。先生がいる今年からはもう、楽勝だけど。


「できるだけ頑張る。けど私は主に唇がいいな。唇を温めたい」


「はい、それもいいです、せん、ん……」


「ずるです、あたし、も、っ、ん……」


 交互にキスするから、向こうにキスしてる間、どうしてもずるいって思う。だからせがんで、先生を困らせるの。


 こんなにおいしいキスをくれる、先生がいけないの。えっちの機会が減っていくに決まってるから、今のうちにキスを貯めておかなくっちゃ。朝と夜だけなんて、足りるわけないもの。ああでも私に挨拶させてくれたら、先生は絶対キスくれるはずだけど。みゆちゃん二連続で羨ましい。裸であちこち擦り付けたって、えっちしたっぽいし。


「先生、もっとスカートめくりなさいとか、恥ずかしい命令してくれていいですよ。また下着を脱いで外出とかも」


「ああ、千歳は朝の挨拶をまだしてないから欲求不満なんだ?」


「そういうわけじゃ……私、先生だけじゃなくて結構写真撮ってもらってるから、その、スカートめくりなさいって、そのまま写真撮ってもらえるの、先生だといいなって思うんです」


「わかったよ、今度みんなの前でやらせて、撮ってあげるから」


「はい、お願いします」


 ……あのときはどきどきしました。同じ色ばっかりなのに履く人で全然違うんですもの。


「誰に撮ってもらってるんですか? せんせ以外で写真撮られるの構わないって人あんまりいないと思いますけど」


「同級生でカメラが好きな人がいるの。練習にってモデルに。私より美人はいっぱいいるのにね」


「……千歳さん、メイクしませんよね? せんせとデートでも、あんまりほかの人と違って気合入れてないでしょ」


「そう、かな。お化粧は先生とデートするときだけだけど、やっぱりお付き合いを始めてからのスタートだったから、まだ不慣れで」


「あのですね、高校生は学校でもメイクをします。あたしの姉がそうでした。千歳さんはしないけど、でもあたしは素顔であなたより美人がクラスにいるとは思えません」


「そんなことないよ」


「いいえ、千歳さんが同級生を美人だと思うのはメイクがあるからです。なくなるとひどい人だっているはずです」


「失礼だよ。みんな楽しそうに笑顔でいるし、楽しそうに会話してるから輝いてる。私よりずっと美人さんばっかりなの」


「……今の台詞を言える、千歳さんがよっぽどいい女です。バカ笑いするはしたなくてマナーもない常識知らずよりよっぽど」


「こら、知らない人を悪く言うのはいけないよ。悪い言葉が自分にうつるんだから」


「……ずるです……どうしてせんせには、こんなにいい女の子ばっかり……あたしなんか」


「私は学校に一人ぼっちとわかってて登校はできないな。いやどこかの綺麗な女の子は前に歩きたいから一人でも登校を始めたみたいで、とても真似できないよ」


「一人ぼっちじゃ」


「同じような状態だろう? 君が一人で乗り越えようと頑張っているのはよくわかっているよ。ありがとう、偉いね。たまには愚痴を言ってくれていいよ、恋人なんだから」


「……いいえ、あたしはあなたの奥さんです。奥さんは、愚痴なんて言いません。夫の愚痴を聞きたいです」


「そうだね、妻が自分に苦しいのを我慢しているみたいなんだ、どうすれば打ち明けてくれると思う?」


 ふふ、先生のやり口だ。こうして他の女の子に言うともうわかっちゃうけど、自分にくるとあたふたしちゃうよね。気付かないよね。


「……たまに……震えちゃうときが、あるから……夫の部屋をノックして、夫が、誰と寝てようとも、扉を開けて、ちょっとで、ほんとにちょっとでいいから、抱きとめてくれれば、いいと思います。妻は基本的に抱かれたがりです。夫の温もりがほしくてほしくて、たまらない生き物ですから」


「うん、そうですよ先生。妻はそんな生き物なんです」


「そうか、目から鱗だよ。わかった、気をつけてみる。妻が喜んでくれるといいんだけど」


「きっと喜びます、せんせの妻も」


「ああ、静香のおかげだよ、ありがとう」


「……」


 また上を向いてキスをねだる静香さんに、そっと口づけを上げる先生。ふふふ、なんだかおかしくって微笑んじゃった。


 不意に、先生が私にまでしてくれるから。 ダメですよって、もっと静香さんにやってあげてくださいって、彼女のほうを向かせる。


 まだ求め続ける静香さんに、先生は結構長い間、唇をあげ続けていた。


 涙が一筋、落ちるまで。


 その後は三人で体を洗いっこ。二人でごしごし先生の背中を洗ってあげて、大きい背中に惚れ惚れしちゃった。……先生が見えてないからって、ここぞとばかりにタオルで体隠したけど。静香さんいいな、タオル巻いても谷間見えてる。私なんかちょびっとだよ。先生に私たちの髪まで洗うよって言われて、ちょっと気恥ずかしかったけどお言葉に甘えてもしまう。嬉しいね、静香さん。笑顔になるね。わぁ、先生の手、柔らかいって。ふふ。あ、でも体はいいです、むしろやめてください。ね?


 終わってもう上がろうかってなったとき、先生のあそこはまた大きくなってて、むらむらしてるのか早く次の女の子とえっちしたいみたいだった。


「……ねぇ、静香、もうちょっとお尻に挑戦してみようか。いけそうだったらしてしまいたいんだ」


 さっきあんなこと言ってたのに、ひどいなぁ先生。


「えっ……ま、まだ早いです、その、せんせのをやるのは、まだ全然早い、です」


「そう? 全部じゃなくてもいいんだ、試しに指を増やしたりとか」


「いいえっ。こ、心の準備が、まだ、終わったばっかりですし……」


「仕方ないね、一回してしまったことだし。わかった、じゃあ今じゃなくていいけど、次するときはなにも聞かずにやるかもしれないから、心に留めておくんだね。次はないよ? いいね」


「……はい……



 あー、今してもらうよりそうしてどきどきさせてもらうほうが嬉しいって顔、してる。今強引に押されても嬉しいけど、一旦引いて時間置かれたらもっと嬉しいって、やっぱり静香さんむっつりすけべだ。


 三人で脱衣所に上がり、もうえっちはないんだからと、先生に先に出て行って欲しがる。着替えるところなんて、やっぱりあんまり見て欲しくないもの。


「ええ? 散々あんなことしといて?」


「そ、それとこれとは違いますっ。せんせは男の人だからいいでしょうけど、女にはいろいろあるんですっ」


「そうです、いけませんよ」


「……うぅん、そうか。じゃあ仕方ない、後ろ向いてるから、この場にはいさせてよ」


 早々にパジャマを着てしまった先生はどかっと床に座り、背中を向けてあぐらをかいてきた。


「見なきゃいいだろう? 振り向いたらチケット二人にあげるから、ここにいさせてくれ」


「……そ、そこまで言うなら」


 二人は微笑んじゃう。先生は絶対振り向く。そうして、泣く泣く私たちにチケットをくれるんだ。ふふ。


 ……なるべくえっちした後も一緒にいたいっていう、思いも嬉しいから。私だって、えっちした後こそ一緒にいたいもの。


 布の擦れる音を出しながら、途中で何度大きな背中に寄りかかろうかと、踏み留めるのに必死だったか、知れない。


「……千歳さん、ずるだよ、あのモデルに、体型までそっくり……」


「え、なに?」


「いいえ。下着姿、綺麗です。パジャマ着ないでそのままのほうがせんせは喜びますよ」


「そう? 先生?」


「千歳君、騙されてはいけない。頓着のない君に静香は意地悪を言っているのさ」


「まあ、静香さん?」


「ず、ずるですせんせもっ。どうして千歳さんにひいきっ」


「だって私が喜ぶのは、静香も一緒に下着姿で過ごしてくれることだからね」


「……」


 二人、スリップまでを着て黙り込む。お互いをようやく見つめ合うことができ、でも、でもと……これは先生だけに、この姿を見せていいのは先生だけにしたいと、お互いが言っていた。


「え、えっちする前なら、できます。でももうえっちしましたから、できません」


 静香さんがきちんと言ってくれた。


「ちっ。そうか、言うタイミングを間違えたか……仕方ない、今日は諦めよう」


 先生は心底残念そうにわざとらしくため息。ふふふ、かわいいね、先生。あ、静香さんもおんなじ気持ちだ。


 パジャマを着終えて、二人、横からまたくっついた。先生すごい、本当に振り向かなかった。


「終わり? じゃあ寝室までご案内だね」


「はい」


「はい」


 立ち上がり、背の大きな人に寄り添えることを、本当に幸福に思う。


 あなたが好きです、先生。


「静香、明日は外出ついでに検査薬を買ってこようか」


「はい。あ、でも」


「二人だけでね」


「……はい。ゆ、指輪は」


「着けてていいよ。そう思われればいいんだ、事実なんだから」


「……」


 ぎゅうっと強く抱きしめる。えっちの最中もずっと光ってたの。


「千歳は欲しい? としても、その日とは別日にしたいけど」


「いいえ、いりません。お腹が大きくなればわかりますし、それまで待ちます。だってできちゃってるってわかると、先生あんまりしてくれなくなるでしょ?」


「千歳だって妊娠してるとわかったら、私より子供になるよ」


「いいえ、先生が世界で一番です。子供は二番目です」


「そうです、せんせが一番です」


「まあ、できるまで実感は沸かないと思うけど、実際母性本能があるから、私はそれで構わないんだ。そのときになってまでえっちなことを強要したりはしないよ」


「……」


 二人で、してくださいとお願いする。口には決して出せないけど、目では。目力の足りない私たちじゃ意味ないかもしれないけど、それでも。


 あなたから私たちが女でなくなるのは、怖いんです。二人だけの関係なら違うかもしれません。でもこれだけ、いるんです。私たちが女でなくなっても、他にたくさんいます。そっちにかまけられると、私たちは……


 なんて、杞憂だと思うけど。赤ちゃんを産んじゃえば今の絵里さんたちと一緒だ、またえっちなことをしてもらえるに決まってる。そうなれるよう、絵里さんたちのように母でもあり女でもある人間になろう。


 三人でぽかぽか体温を感じながら、飴細工をまた一つ、練り上げていった。
















 手帳をこっそり見てみる。……やっぱり憲邇さま三日に一回くらいしてくれてるから、前から三日たつ今日、するって言うのかな。前二日連続でしたのにもう、するのかな……これだけ増えたのに回数減らないのおかしいよ。


 みゆだけじゃない。最近は静香さんや千歳さんもなかったけど、ごたごたしてたからで、それまではみんなみんなずっとおんなじくらいしてる。憲邇さま見ればわかるもん。みんなだっておんなじくらい、えっちした次の日してもらってうれしいって顔になってるからすぐわかる。


 でも憲邇さま、あんまりやると大変です。憲邇さまに無理はいやです。したほうが疲れがとれるって、男の人はそうなのかな? みゆたちはみんな、するとすごく疲れちゃって大変なのに。


 お母さんすごいよね、一晩中……いいな、うらやましい。みゆだって憲邇さまと、寝ないで……あああ、えっちっ、すけべっ、いんらんっ。


 いいなぁお母さん。お母さんの前だけ、憲邇さま『ぼく』だし、『ゆぅちゃん』なんて呼ばれてて。みゆもこれからずっとみぃちゃんがいいなぁ……


 えいっ。先にハートマーク書いちゃえ。憲邇さましてくれるって言ったもん。し、してくれなくてもこのまま、残しちゃえ。お、お母さんだって手帳つけてるの知ってるもん。お母さんだって、昨日すっごくおっきなハートマーク、つけてたもん。熱出てたけどそれだけしなきゃって、そんなのみゆだってする。


 娘よりお母さんより、お姉ちゃんのほうが好きなのかな。みゆもそれなら、おない年のお姉ちゃんがよかったなぁ……はじめっからお母さんがお姉ちゃんだったら、言ってくれればよかったのに。なんでみんなダメって言うんだろ。わかんない。好きになった人がだれでも関係ないのに。


 恋をしたらしあわせになれるの。


 男の人を好きになったら、しあわせになれるの。


 みゆはそう信じてるから。


「ねぇ絵里さん、絵里さんは憲邇くんの鞄を毎日運んでいるのかしら」


「いいえ。あの日はたまたまですけど」


「ふぅんそう。明日を待とうかしらね。本当にたまたまか確かめないと」


「そうですね、ご主人様は今までご自分でお支度なされておりましたし」


「きっと憲邇さん、あたしたちににいづま気分を味わわせたいんだよ」


「まあ、素敵です。私もお運びしたいですわ……」


「わわ、私も……マスターの上着とか、脱がせてあげたいです」


「それよりあの人、自分で勝手にネクタイ締めるじゃない。どうにかしてほしいわ、最低よ。せっかく私練習したのに」


「ああ、私もです。ご主人様といつかって家族で練習したんですけど、困ったものですよね」


「? 勝手にネクタイしめちゃいけないの?」


「まゆさん、夫にネクタイを締めて差し上げるのは妻の当然の義務ですのよ」


「春花さん相変わらず古いわねぇ。まあでも、あながち間違ってもないし、やりたいわよねぇ。憲邇くんはなんでも自分でやりたがるから、少しでも分け合いたいわ」


「あの、憲邇様のこと少しでもいいから、教えてもらえますか? 私は人となりをあまり知らないので」


「……」


 みんな言いたくてたまらないことがたくさんある。うずうずしてるけど、ちょっぴり言いたくもない気持ちが混ざって、どうしようかってためらっちゃう。憲邇さまじまんならみんな負ける気ないけど、言っちゃうのも恥ずかしい気がするんだ。


 でもみゆは言うよ。言いたいの。


「け、憲邇さまは、たくさんの患者さんを笑顔にしてきた、とってもすごいお医者さんです」


「うんうん」


「えっと、自分を大事にしないんです。一回お仕事のしすぎで倒れちゃったことがあったんです。こ、これは良子さんがよく知ってますけど」


「ええ、倒れたんですあのバカは」


「それから、話をちゃんと聞いてくれます。みゆたちがなにを言ったか、すっごくよく覚えてて、記憶力もあります」


「あー、そうかも」


「で、でも、あやまるくせがあります。憲邇さまはなんにも悪くないのに、あやまるんです。そ、そこはダメなところです」


「ほうほう、みゆちゃんは憲邇くんをよくわかってるわね」


「そだね、憲邇さんあやまっちゃうくせあるよね」


「へぇ、そうなんですか」


「あと、うれしいことしか言いません。みゆたちが喜ぶことばっかり言って、へんにさせてくるんです。お、おだてるの上手だし」


「確かに深町様は褒めちぎりますの。でもどうしてか、慣れないのですわ。私が髪型を変えますと、あんまり似合わないねとも仰りますの。褒めてばかりではないからでしょうか。それにしたって言いすぎですのに、どうしてでしょう……」


「だってあの人、上辺で言わないもの。本心から、私たちを綺麗だと思うから常々綺麗だねって言うのよ。ご飯だって、まゆの妙な味つけも心からおいしいって思ってるのよあいつは。なにかにつけ一生懸命すぎるの」


「け、憲先生は、がんばったことをほめて、くれてるんです。きっとそうです。ゎ、わたしがほんとに綺麗になったかどうかとか、女らしくなったかどうかなんてきっとどうでもいいんです。がんばって歩いてるみなさんを、美しいねって、思うからつい声に出すんです。きっとそうです」


「憲邇くんは天然だからねー。困ったものだわ。まあ、こと絵里さんに限って言うなら本当に綺麗に見えるわね。まゆちゃん曰く変わったって聞くけど」


「おうおう、なんかね、おかしいんだよ。すたいるはね、良子さんとかに負けてるけどね、違うんだよ。なんかよくわかんねーけど」


 ……多分ね、一番憲邇さまが好きだからだよ。お母さんとおんなじ。恋してるから、しあわせなんだよ。


 男の人を、愛せるからだよ。


 みゆたちにはないものだから。


 愛してもらってる、だけだから。


「う、うるさいわよ。で、でもね、それはそれでショックよね、私たちのことなんてみんなが綺麗じゃないって言おうが、頑張ってればあの人は綺麗って言ってくれるのよ。逆に言えば、どれだけ他人が綺麗って言おうとも、百人が百人綺麗だって思おうとも関係ない、あの人は綺麗だって思わないこともあるってことだわ。これはね、一番厄介よ。目印がないの。どうしたらあの人が綺麗って言ってくれるのか、絶対にわかりっこないってことだから」


 あ、紗絵子さんが言ったことなかったことにしてる。


「……確かにそうですね……」


「そう? それでいいじゃん。だれがなんて言おうと知ったこっちゃないよ。憲邇さんだけカワイイって、キレイってほめてくれればいいから」


「まゆ、それがとっても大変なのよ? 町で見かけた美人さんに目を奪われてくれればわかりやすいわ、でもあの人そんなことないでしょ? 難しいわ……」


 で、でもそれは、みんなが認める美人さんになれなくても、チャンスがあるってことです。みゆにだって、子供だって。


「……」


 くらくら、愛さんがふらふらになってる。良子さんが横から「大丈夫?」って支えてる。愛さん、体弱いのかな。よくああなるけど。


「どうしたの愛ちゃん、また失神しそうになった?」


「う、ううん、知れば知るほどどんどん好きになっちゃって……だってそれは憲邇様が私たちのこと、ちゃんと見てるってことですから。私たちを知ろうとしてくれてるんです。憲邇様が私たちを好き、だから。こんなに嬉しいことありません。もっともっと知りたいな……」


「……」


 みんなくすぐったそうに笑っちゃう。そうだ。そうだよ、憲邇さまはみんなのこと、好きでいてくれるの。それが一番なの。


「まあまあ、みなさんしあわせそうなほほえみですこと。ふふ」


「花織にもわかるときがきますわ」


「はい、お母さま」


 えへへ。またぱらぱら、手帳めくっちゃう。こんなに長い間憲邇さまに見てもらってるの。うれしいなぁ。


「ん? みゆちゃんなにそれ」


「あっ、明日の予定、書いてるの」


「ふぅん? ね、ね、今まで憲邇さんとどんなデートしたか、書いてるだろ? 
久美(くみ)ちゃんに聞いたぞ、見せてっ」


「あ、ダメ、ダメだよっ」


 まゆちゃんのまの手から必死に隠そうとするけど、ぐいぐいとってこようとして、それからこしょこしょって、くすぐってくるから……あっ!


「こらまゆ、返しなさい」


「おおー、すげーハートマークいっぱい。こんなにデートとかずりーなー……」


「まゆちゃん、いけませんわ」


「あり? ねぇみゆちゃん、この日憲邇さんお仕事だったはずだけど、ってそんな日ばっかりだけど、デートなんてできたの?」


 手帳を返してもらう。ううう、持ち歩くものなのに、持ってるの怖いなぁ。


「で、デートっていうか、会えた日もつけてたから」


「あ、そっか。そうだよねぇ、うれしいもんね」


「……」


 絵里さんや良子さん、紗絵子さんに春花さんまで、全部わかっちゃった顔でちょっと赤くなってた。や、やっぱり、わかる人はわかるよね。ううう……


「ね、ねぇみゆちゃん? 一週間に何回くらいデートしてきたの?」


「……りょ、良子さんが先言ってください」


 わかってるくせに。


「こらこら家政婦さん、やめときなさい。デートは二人の秘め事よ。よかったわねみゆちゃん、大好きな人とたくさんデートできて」


「は、はい」


 や、やっぱり絵里さんすごいな。憲邇さまみたい。やさしいお母さんいてまゆちゃんがうらやましい。


「たくさんデートすると女の子は変わるからねぇ。それも憲邇くん相手ならさぞ千変万化でしょうね。ふふふ、道理でみゆちゃんがかわいらしいわけだわ」


「ええ、そうですわ。みゆさんはとってもかわいいですの」


「み、みなさんも憲邇さまと一緒ですっ、ほ、ほめすぎですっ」


「そうですっ、ほめすぎるのは、憲先生だけに」


「あら、私もみゆちゃんがおない年とは思えませんわ。にくたらしいですの」


「花織も深町さまとデートなさるとよろしいですわ。デートくらいならやりたいでしょう?」


「ええ、今度せがんでみます」


「そうですね、私もみゆちゃん、最初幼稚園児なのに女の子らしくってびっくりしました」


「失礼ですっ。め、愛さんだって、憲邇さまとえっちしてすっごくきらきらしましたっ」


「みゆちゃんみゆちゃん、あなただってきらきらよ? 眩しいわ、ちょっと抱きしめさせて」


 紗絵子さんが急にぎゅうってしてきた。……? どうしたんだろ、ちょっと長い。


「ふふ。ありがとう。みゆちゃんのきらきらを分けてもらっちゃった」


「い、いえ……紗絵子さんは、ふわふわです。ずるいです」


「おっぱいのこと? 触りたい?」


「は、はい。その、目標に……あああ、え、えっちでしたっ、ごめんなさいっ」


「いいのいいの。女同士はえっちじゃないわ。それもみゆちゃんは目標にするんだから、一度知っとかなきゃ」


「……わぁ……」


 すごいな、どうしてこんなふわふわしてて、やわらかいんだろ。みゆなんてぺたんこで、指で押すと骨にぶつかってかたいのに。


「今度お母さんのも触ってみるといいわ。あの人はとっても柔らかいわよ」


「はい……あ、ありがとうございました」


 よし。こうなれるよう、毎日がんばろう。


「私のこときらきらって言うけど、そうかなぁ。毎日牛乳飲んでも全然ふわふわじゃないのよ、おっぱい」


「え、そ、そんなことないです。ふわふわです」


 ぶらじゃーつけてる人はみんなふわふわです。そ、それに自分で触るのおかしいですっ。


「それよか愛さん、今なんてった? 牛乳飲むと大きくなるの?」


「話だとよく聞くんだけど、私はまだ全然効果が。良子ちゃんはどうだったの?」


「私は好き嫌いしなかっただけよ。牛乳は特別意識して飲んではなかったけど。春花さんは?」


「え、えーっと……こ、子供ができると大きくなりますの」


「嘘つきなさい、私まゆを産んでもこれよ? 普通は子の成長とともに元に戻るわ。言いなさい、秘訣を」


「そんなの、それ以外ではわかりませんの。……普通は、恋をすれば大きくなります。私は深町様が初恋ですから、ここまでは勝手に大きくなりましたの」


「そうです、私だって、知ってる人もいるでしょうけど、ご主人様に恋しての二年で、二センチ大きくなりましたから」


「二年で二センチって、少なくない?」


「ううんまゆちゃん、良子ちゃんは今年で二十歳だから、十八歳から大きくなったってことなの。普通は女の子はその年で胸が大きくならないから、きっと本当に恋をすると胸が膨らむことがあるんだわ」


「そうですわ、私も一年でようやく膨らみ始めましたの。深町さまと出会い、恋に落ちてからですの」


「そっかー。うし、あたしもこれからだね。みゆちゃん、どっちが良子さんみたいになっても恨みっこなしだよ?」


「う、うん。おっきくなるかな……」


 なってほしいな。お母さんみたいなふわふわに。


 抱きしめてもらったときのあの感触、すごかった気がする。


「なりたいよね。憲邇さんおっぱい大好きだから、なるべくおっきくしたいなぁ」


「憲邇くんはおっぱい魔人だけどキス魔人よ。あれだけ唇で集中砲火を絶え間なくなんて、どうかしてるわ」


「そそ、そうです、マスターおかしいです」


「う、うれしいけど、おかしくなっちゃいますよね。憲先生……」


「そうですわ、飽くなき殿方の煩悩は止まることを知りませんの」


「頑張らなくっちゃね、皆さん」


「うんっ。憲邇さんまだかなぁ、早くくっつきてーなー」


 まゆちゃん椅子の上で足ばたばたしてる。待ち遠しいよね。みゆも少し、ぶらぶら。


 ……良子さん、今気づいたけどすっごくパジャマのすそ押さえてる。足もぴったりななめに閉じてぴくりとも動かしてない。そういえばほっぺ、普通のお話してるときも赤かったかも。みゆが見てるの気づくと、良子さんまっかになっていやいやって軽く首ふった。慌てて目を逸らして、ごめんなさいって心の中であやまる。


 憲邇さまのえっちな命令、真っ最中だった。……すごいな、愛さん。堂々としてる。これだけできたら、憲邇さま楽しいだろうなぁ……


「ごめん、遅くなった」


 考えてるときに会えると、すごくうれしいよね。うれしくって、思わず立ち上がっちゃうの。


 憲邇さま、ハートマーク書いちゃいましたから、よ、よろしくお願いします……








「ご主人様っ、私、いつまで……」


「寝るまででいいよ。愛はいくらやりたいって言っても、今日だけだよ。明日勝手にやったらいけないから」


「はい」


「憲邇さん、お部屋いこ? ね、ね、すぐいこ? ね、ねっ」


 まゆちゃんと一緒にみゆもすぐそばまで行っちゃう。い、言えないけど、見上げるの。


「わかったわかった。その前に良子たちがちゃんとできたかどうか、まゆとみゆで確認してきてくれ。スカートの上からお尻触ってくればわかるから」


「ごっ、ごしゅ……! せめてご主人様がっ」


「まゆは愛、みゆは良子ね。ほら、すぐしてきなさい」


「はーいっ」


 まゆちゃん、早いよっ。あああ、良子さんごめんなさい、憲邇さまのご命令ですから、ちょっとのしんぼうです、ごめんなさい。


「……みゆちゃん……」


「……え、えと、すぐ終わりますから」


「憲邇さん、愛さんちゃんとのーぱんだったよ。あれやらしいんだね、触ると。お尻の感じすぐわかるの」


「っ! みゆ、ちゃん……」


 びくびく恥ずかしい気持ちでいっぱいの良子さん。ごめんなさいって、でも良子さん美人だなって、めいどさんのお洋服かわいいなって思いながら、しっかりスカート握りしめてる良子さんのお尻をちょんと触った。


 ぱんつの感じ、全然しない。えっちでいやらしいのが、すぐ伝わる。こんな短いのに。……良子さん、うつむいてくちびるかんでる。


「け、憲邇さま、良子さんも、きちんとできてます」


「そう? なんだ、ならいいんだ。寝るまでそうしてなさい、戻ったらまた確認するから。二人ともおいで、まゆたちの部屋へ行こうか」


「うんっ。お母さん、じゃましちゃダメだよ?」


「するわけないでしょ」


「……」


 泣きそうな顔で、でも憲邇さま大好きって顔に書き出した良子さん。キスしてあげればいいのに、憲邇さまひどいなぁ。


 二人で手をつないでもらって、まゆちゃんたちのお部屋へ。すぐに入って鍵かけた。まゆちゃんすぐぐりぐり、頭こすりつけてびしびし叩く。


「憲邇さんのろりこんっ。ずりーぞ、みゆちゃんばっかデートしまくってさっ」


「ああ、ごめんね」


「そのくせあたしとデートはいっつもお母さん一緒だしさっ、より戻してから二人っきりでデート、まだだよっ?」


「う……」


「人数増えすぎっ、少しは断んなさいっ」


「……はい……」


 しゅんとしてる憲邇さま、か、かわいいかも。


「ダメだよまゆちゃん、憲邇さま忙しいんだから」


「わかってっけどさぁ……ね、明後日お仕事見学でもいい? 見たいな、憲邇さんのお仕事姿」


「もちろんだよ。ただし、診察室には入っちゃダメだよ、わかってるね?」


「うんっ。遠くでいいの、隣のお部屋で声聞くだけでもいい。一秒でも長く憲邇さんのそばがいいの」


 今度はほほこすりつけて、甘えてる。いいな、みゆも、みゆもしたい、けど……


 ためらってるうちに、憲邇さま二人ともぐいって抱き寄せて、くれた。


 大好き。あったかいの、大好き……


「憲邇さん……そ、そんなにぐいぐいしちゃ、痛いよ」


「ごめん、ちょっと我慢して」


「うん……憲邇さん……」


「……さま……」


 痛いくらいも、み、みゆ、好きです。うれしいですぐいぐい、すっごく。うれしい……


「ね、憲邇さんとつきあってるって、友達に言っちゃダメかな?」


「父親とお付き合いか。うぅん、難しいね。セックスは言っちゃいけないけど、でもそれ言っちゃうと笑われるかもしれないよ?」


「いいの。言いたいな。みゆちゃん言ってるもん」


「い、言ってないよ」


「憲邇さんとってだけでしょ? いいじゃん、お父さんが彼氏ですって、おかしくないよ」


「わかった、言ってもいいよ。ただし笑われても叩いちゃダメだよ?」


「うんっ。へへ、じまんしたかったのっ。憲邇さん授業参観来てくれたしさ、みんな顔知ってんだよ? へへ、こーんなカッコいいって!」


「……」


「それどこかちらちら見てる子いーっぱいいたんだから、もうっ。憲邇さんがお父さんでいいなって、女子は思ってんだよ?」


「いやいや、母親と堂々と腕を組んでたから、物珍しかったんだよ」


「そっかなぁ……」


 みゆ、も、憲邇さまがお父さんだって、お父さんと結婚するって、言いたい、です。知らない人には言いましたけど、なでしこさんには言いましたけど、でも、もっと言いたい、です。


「ごめんね、みゆはそうそう言っちゃいけないよ。私もみゆも知らない人の前だけにしてくれないと」


「……はい……憲邇さま、すごいです、好き」


「すごくないよ、すごいのはみゆ。好きだからね」


 やっぱり憲邇さまはみゆの考えてること、全部わかるんです。ちょっとくやしいけど、でもわかってくれる憲邇さまがうれしいです。


「みゆちゃんやっぱ、ほんとのお父さんでも言えないっていやだよね」


「うん」


「どうして言っちゃいけないの?」


「みゆには今、育ててくれたお父さんがいるんだ。それなのに私が父親だと言うと二人いることになっておか──いや、そうか」


「憲邇さん?」


「別にいいじゃないか、私が本当の父親だって言っても。みゆの今のご両親は育ての親だって、周りは知っている人が多いし、すぐに説明もできるし」


「い、いいんですか?」


「寧ろね、本当の父親と知って仲良くなろうと思うのは普通だよ。みゆの今のご両親も許してくれてるんだ、いいご両親だからね」


「わぁ……はいっ」


「でも」むぎゅっとほっぺを挟まれる。「育ててくれているご両親をあんまり蔑ろにするのはよくないな。きちんと毎日連絡ぐらい入れなさい。それと私がいなさいと言うとき以外は、たまにはね、お家で過ごしてあげなさい。あの人たちだって寂しいよ」


「は、はい。わかってるんですけど、みゆも一秒だって長く憲邇さまのそばにいたいんです……」


「そうか……三人同じ気持ちだからね、難しいところだ」


「……」


 三人。まゆちゃんと一緒に笑っちゃって、今度は自分で痛いくらい、憲邇さまに抱きついた。


 みゆは……えっちなくても、憲邇さまとこうしてくっついていられたらいいな。ころころ考えてること変わっちゃう。ひざの上に乗っかるだけでもいい。いいことがあったら頭をなでてくれても。あ、でもあと、デートしたいな、手をつないで、遊園地……憲邇さまの指、大好きだから。


 ほほにある手に、そっと自分のをそえる。


 憲邇さま、ほんとに、みゆにまでしなくていいですよ? 絶対疲れてます。みゆにまですると大変です。このあとパティさんも詩音おね、詩音さんもいるんです。無理しちゃいやです。


「うん? みぃちゃんが先やりたい?」


「ち、違います」


 どうして憲邇さま、自分のことになるとにぶいんだろ。人のこと気にしてばっかり。


「そうか、じゃあ二人一緒にくるくる回転なさい。私がいいなと思うほうと先にしよう」


「うんっ」


「……」


 二人とも憲邇さまからはなれる。まゆちゃんがいくよって言って、いっせーのせで、くるり……


 みゆはくるくるしないで、ただ憲邇さまを見上げた。


「みゆちゃん? どしたの?」


「憲邇さまはもう、えっと、多分五回はえっちしてますから、もうお疲れです。みゆは、いいです。憲邇さまを疲れさせたくありません」


「ふむふむ、みぃちゃんはすごいね、そこまでよく気が回るものだ。じゃあ、疲れないようにみぃちゃんができることをして欲しいな。私はみぃちゃんにちょっとおまじないをしてもらうと、疲れることなんてなくなるから」


 あっ。忘れてた、みゆにそんなことできるって。憲邇さまのせいでみゆはもう、普通の女の子だってばっかり。慌てて憲邇さまのおっきな手をとって、そっとおまじない。


 にっこり笑うお父さんにできることがあるって、いいな。


「ほら、一回転なさい。見たいな、みゆのワンピースがふわふわするの」


「は、はい」


 もう一度はなれて、深呼吸一回、くるって回る。ふわっとなる短いすそに、戻るとすぐ押さえちゃう。ううう、こんなに太もも見えちゃうんだ、怖いなぁ。この格好でお外でデートしようって言われたらどうしよう。ぜ、絶対行くけど。


「うぅん、難しいなぁ。二人からもうちょっとなにかないと決められないなぁ、どうしようか」


「憲邇さんなにする? あたしけっこーなんでもするよ?」


「そうだね、じゃあ……」


 ほんとに楽しそうに、憲邇さまはいろんなこと考えつくの。


「お父さんって、呼んでみて」


 泣いちゃいそう。うれしくて。
















































































 第三十三話あとがき的戯言




 
三日月(みかづき)まるる、以下作者「好きな人とは一秒でも長く一緒にいたい時期はどうしてもあります。けれどそれもいつか終わるのです」


 
大口(おおぐち)静香、以下静香「だとしても、あたしたちはまだ始まったばかりです」


 
谷津(やづ)千歳、以下千歳「そうですそうです」


 作者「こんばんは、三日月です。このたびは「ごめんなさい」第三十三話を読了くださりましてありがとうございます。今回は、えーっと、本当にお久しぶりですね、このお二人です」


 静香「こんばんは、静香です」


 千歳「こんばんは、千歳です」


 作者「四六時中一緒にいるとあるときふと、なんとなくもういいかな、ちょっとは一緒じゃなくそうかなと思うときがくるのですが、お二人ともずいぶんと彼とともにあり、いい加減お腹いっぱいにはならないのでしょうか?」


 静香「? なるんですか? なるわけないと思いますけど」


 千歳「そうですよ、それは二人だけのお話です。私たちはたくさんいますから、その数少ないいいところですね」


 作者「そういえばそうでしたね。ここは普通などでは決してない狂気のお祭り騒ぎでした」


 静香「千歳さん、モデルに興味ありませんか? 読者モデルとか、きっと人気でますよ」


 千歳「静香さんモデル好きですね。私はいいです、そういうの。静香さんこそならないんですか? 劇団にすごく憧れてるじゃないですか」


 静香「あ、あたしはいいです、無理です。なれっこない、し、か、過去がそういうとこは、厳しいから」


 千歳「そうなんですか……すごい世界ですね」


 静香「ちなみに千歳さんは、水玉の下着とか洋服とか、どれだけ用意しました? あとメイド服」


 千歳「そりゃあもう、絵里さんに水玉を着させてあげた翌日にたくさん買いました。先生に言われるまで隠そうか驚かせようか迷ってます。メイド服はもうちょっとで完成です。良子さんって教え上手ですよね。静香さんは?」


 静香「あ、あたしちょっと恥ずかしくて、一着ずつしか。メイド服はもうできたんですけど、あの良子さんのミニスカがかわいすぎて、作り直そうかなって」


 千歳「そうですね、さすが本職は違います」


 静香「……春花さんもミニスカート、水玉でしたから、きっとみんな用意してますよね。水着もそればっかになるかも。いいなまゆちゃんたち、ああいうの簡単に着れて」


 千歳「でも先生から着なさいってあんな風に渡されたいですよね。だって絵里さん下着のサイズぴったりだったんですから」


 静香「ちょっと怖いですけど……あ、違う、絵里さんはよく混浴してたから、下着ぐらいすぐ確認できたし、なによりスタイルを実際に見てもらってたんだから、ずるいです」


 千歳「あ、そうですね、ずるいなぁ……柚香里さんもずるいけど」


 静香「そうですっ、柚香里さんもずるい、ずるすぎですっ」


 作者「ではうまくオチがついたところで今回はこの辺で。さようなら」


 千歳「さようなら。このお話で先生とえっちできて、私は結構許せるかなぁ」


 静香「さよならっ。どうですかね、あたしたち今回までご無沙汰もいいところでしたっ。良子さんやみゆちゃんとかたくさん恥ずかしい命令してもらってるけど、あたしたちは少ないですよねっ。明日のお買い物はめいっぱいらぶらぶしないと、恥ずかしい命令めいっぱいしてくれないと、許しませんっ」




 
20091223 三日月まるる







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2010/03/08 18:12 | 小説COMMENT(0)TRACKBACK(0)  TOP

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