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「ごめんなさい」その六十七_第六十四話_一つ一つ上っていく

 こんばんは、三日月です。
 さて、カラオケも終わります。次回からはまた平々凡々な日々になると思います。リクエストにお応えするのは本当に遅れに遅れるとは思いますが、一応、パティを裸で庭に飾るの草案はできております。あとは推敲なので、今しばしお待ちを。それ以外もどうやって本筋に絡めるか思案中だったり、大筋はできていたりするので長い目で見守ってやってくださいませ。
 話は変わりますけれど、カラリオの黒木メイサさんのメイドっぽい服装、いいですね。いいですね。
 拍手コメントメール、ありがとうございます。お返事遅れてすみません。ありがたく読ませていただいております。
 それでは第六十四話です、どうぞ。

 

















 六十四 一つ一つ上っていく








 女子トイレの室内でそっとスカートをめくり、携帯で写真を撮る。添付して、先生に送信、っと。


 自分のノーパンが、はっきりと映っていた。何度見ても恥ずかしい。一時間ごとにこれだから本当大変。でも、やらなくっちゃ。お仕置きだものね。


 よし、メール送信完了、っと。ふふふ。毎回先生大好きって書いちゃうけど、毎回先生のほうも大好きだよってお返事、くれるの、嬉しいなぁ。ふふふ。面倒って思わないの、すごいなぁ。お返事なくても、別にいいのに。


 戻ろうっと。カラオケは楽しい。初めて合コンで行ったときも今も、楽しくてたまらない。みんないろんな歌を知ってて、すごいって思う。ドラえもんの歌だって、私はほとんど知らなかった。


 
(いずみ)さんの歌う室内に戻る。先生がふっと笑いかけてくれていて、また嬉しい。ふふ。


 泉さん、
春花(はるか)さん、花雪(かゆき)さん、花織(かおり)ちゃん、静香(しずか)さんと私、谷津(やづ)千歳(ちとせ)が、深町(ふかまち)憲邇(けんじ)先生と一緒にカラオケ延長、一時間。コスプレするんだって。あ、今も泉さん脱ぎ脱ぎ、着替えながら歌ってる。なんの格好かなぁ。この前東野(ひがしの)さんにコスプレって学校の制服とか、セーラー服とか、体操服やメイド服着るんだって教えてもらったけど。体操服とか制服、なんでだろう。わかんないや。


 イエローのブラとショーツになった泉さんが着ているのは、婦警さんの制服だった。わぁ、カッコいい。締まった青色のおまわりさんの制服に身を包んだ泉さんが、きゅっと帽子を被ってにっこり笑顔。歌を続けて、朗々と美しい歌声を披露していった。


 得点は、伸び伸び八十六点。すごいなぁ。歌も上手だし、気立てもいいしさ、泉さんって素敵な女の人だよね。


「どーだ! せんせー、逮捕する!」


「まあ、婦警さんですの。カッコいいですわぁ。あこがれます」


 花織ちゃんがきらきら目を輝かせて言ってる。そうだよねぇ、似合ってるよねぇ。カッコいいなぁ。こんな人になら、逮捕されちゃってもいいかも。


「私、女性ですけれど犯罪の場に立って働く、婦警さんは素晴らしい職業だと思いますわ。ね、お母さまもお姉さまも、そう思いますわよね?」


「ええ、もちろんですわ」


「ふふ、そうですわね」


 親子三人、にっこりだ。わぁ、コスプレっていいものなんですね。


「やぁやぁ、存外泉にはぴったりだね。とてもよく似合っているよ。うん、ちょっと逮捕されてもいいかなと思えるなぁ」


「へへん、でしょー? いやいや、これで婦警さんごっこで遊ぶの面白そうだなー。ふふ。せんせー、神妙にしろ! 罪状はあたしたち全員を幸せにしてくれた罪で、判決は終身刑だ!」


 なんだかそれ、ちょびっと違う気がする。


「ねぇ深町のお兄さま、私も婦警さんがよいですわ」


「あ、そう? しまったな、花織ちゃんには別のを用意してきたんだ。また今度でいいかい?」


「しょうがありませんわね。しかしまあ、いっぱい入っておりますこと」


 がさごそと紙袋の中をのぞいてる。あ、先生引っ込めた。


「ダメだよ見ちゃあ。えっちな衣装も、さっき言ったけど入っているからね」


「まあやらしい。ふふ。でもこすぷれ自体はやりたいですわ。次私よろしくて?」


 どうぞ、と。花織ちゃんのかわいい歌が始まる。ドラえもん大好きだ。あ、これ別のほうかな、なんていったっけ、き、き、ほら同じような、き、きて……


 花織ちゃんの衣装は、すぐにのぞくピンクのボンボンに、赤いユニフォームに流れる星マーク、赤いプリーツのミニスカート。そう、チアリーダーだ。さっきちらっと外に出てたまゆちゃんを見たけど、これとは違ったはず。ふぅん、チアリーダー、好きなんですね。フレーフレー、応援好きなんだ。


 ピンクのワンピースを脱ぎ、スリップ姿で朗らかに歌いながらユニフォームを着ていく。と、おへそがのぞく短さに苦笑し、でもすぐにスリップを脱いで着直し、ミニスカートを穿く。そうして着替えを終えてからゆっくりと歌を歌い続けていった。


 はじめてのちゅう。きみとちゅう。うふふ。


 音楽が終わるとぺこりとお辞儀、ボンボン振り振り、これはこれで楽しそう。点数は七十点だった。


「ああ、花織ちゃんがビリでもなにもないよ。そうだな、肩たたき頼もうかな」


「はい、お任せあれ。うふふ、でもかわいい衣装ですの。ちょっと動くだけでぱんつ見えちゃいますけれど」


「まあ、その、アンダースコートではありませんの?」


「いえ、いいですの。深町のお兄さまにならサービスですわ。がんばれがんばれおっとうさまっ」


 フレーフレーだ。ボンボン振り振り、脚を振り振り膝を高くあげてパンチラだ。もう、はしたない。うふふ。先生でれでれだ。


「こら花織、よしなさいな」


「うふふ、すみません、つい。どうですか深町のお父さま? 元気が出ましたか?」


「ああ、それはもうすごく出たね。プラス十点あげよう。八十点だ。それと晩ご飯は花織ちゃんの食べたいものを食べにいこう、そうしよう」


 よっぽど嬉しかったんだ。ふふ。


「まあ、ありがとうございますわ。では、おうどんがよいですわ。てんぷらうどん」


「うん、わかった。いいお店知ってるんだ、連れてってあげよう、ふふふ」


 なでなでだ。いいなぁ。いいなぁ。先生のなでなで、とっても嬉しいよね。そこからなにか嬉しくなるエキスが注がれてるみたいだもの。


「じゃあ次あたし、行きますねっ。せんせっ、手加減した衣装とか、いいですからねっ」


「そんなことしないさ、着て欲しい衣装を着せるよ」


 うふふと笑いながら静香さんが歌っていく。がさごそ、取り出した衣装は……なんだろ、またどこかの制服みたい。パープルのパーカーに
Tシャツを脱いで、黒の水玉ミニスカートを脱いで、オレンジのブラとショーツ姿になった静香さんが着ていく、その衣装は。あ、あれだ、修学旅行のときに乗ったバスに乗ってた、綺麗なバスガイドさんの制服だ。さっきまでの短いシフォンスカートより長いすらりとした紺のスカート、きちっとした襟元、ちょこんと乗った四角い帽子。手に持ったマイクは車内のみんなに聞かせるマイクだ。そのマイクで、歌を響かせるの。


 得点は七十二点。困ったように笑い、でもまた静香さんがビリになっても構わないような、そんな笑顔だった。


「ふふふ。どうですか、せんせっ? 似合います?」


「ああ、似合ってるぞ。やっぱり静香にはバスガイドさんがお似合いだね」


「そうです、か? ふふ、ありがとうございます。えーでは、右手に見えますのが……」


 あ、バスガイドさんの真似っこだ。うふふ。知らない観光名所を教えてくれてってる。よく知ってるなぁ。


「まあまあ、すごいですわね、泉さんも静香さんも。よくなりきることができますの。あ、ではこちらの方は一体どのようなお方ですの?」


 指差す先は先生だ。静香さんもより楽しそうに説明してくれる。


「それは深町憲邇せんせです。心のお医者さんです。とってもやさしくて、強くって、頼もしい人です。人の気持ちを考えるのがとっても得意で、きっと心を見抜く力があるんです」


 私もそんな気、する。みんなうんうんだ。


「そうかなぁ、そんなことないよ」


「いいえ、あるんです。ふふふ」


「うぅん、よくわからないけど。とりあえず静香も十点プラスだね。よかったよ」


「ありがとうございます。じゃあ次、千歳さんどうぞ」


「うん」


 じゃあ、えっと、なに歌おうかなぁ。ええっと……あ、あれにしよう。『夜空のムコウ』


 あれから、僕たちは、なにかを信じてこれたかなぁ──


 そんな時期が、私にも少しだけ、あった。やっぱり先生のお陰で、解消されたけど。


 夜空のムコウにはもう、明日が。待っているの。


 えっと、衣装はっと。あ、今気付いたけど着替えなくちゃだからノーパン、わかっちゃうなぁ。まあいっか。先生のやりなさいだもんね。と、思っていたけれど。出てきたのは、猫さんの耳だった。それと、その、猫さんの、手。コスプレって、こういう……へぇ、ふぅん。意外だなぁ。


 頭にちょんと、乗っけて、手にすぽっと、はめたらおしまい。よかった、スカート脱がなくって。ちょっとマイク持ちづらいくらい。


 歌がおしまい、ぺこっとお辞儀する。なんだかちょっと恥ずかしい、こんなの着けただけっていうのも。猫さんだ。ふふ。こういうの、みゆちゃんにこそ似合うと思いますけど。


 得点も六十八点。うぅん、残念。


「やぁ、いいなぁ。千歳、似合ってるぞ」


「ありがとうございます」


「まあまあ、千歳さんが猫さんになりましたの。こすぷれとはそういうのもあるのですね」


「花織ちゃんもやってみるかい?」


「いいえ、ちょっぴり恥ずかしいですわ。ふふ、千歳さん、猫さんになってにゃあんと鳴いてみてくださいな」


「ええ、恥ずかしいよ」


「千歳、やってくれ」


「……はい、先生」


 ごくり、ちょっとだけ、喉を鳴らして。猫の手をみょんと、前で招き猫。


「にゃ、にゃあん」


 ……恥ずかしい……こ、こんなの、やだ、もう……


 ぱしゃり。そんなのも一枚、撮るの。もう。撮りすぎです。さっきから泉さんも静香さんも、花織ちゃんも撮ってたくせに。


「うん、とってもいいよ、千歳。十点あげよう。七十八点だね」


「はぁ、ありがとうございます」


「せんせ、それ、飼ってくれるときにでも」


「うん、やってみるのも悪くないかなって」


「飼う? 飼うってなーに? やらしい意味?」


 あ、やっぱり大人はわかるんだ。すごいな。私みゆちゃんみたいなのとってもできやしないよ。


「そうだよ、まあ順繰りにでもみんなを飼ってあげるから、待ってなさい」


「はーいせんせー! うふふ、嬉しいわ」


 嬉しいんだ。すごいなぁ。大人って。


 えっと、もういいよね。とっちゃおう。


「あ、こら千歳、脱ぐんじゃあない。カラオケが終わるまで、そのままでいろ」


「……はい」


「そうそう、それと、めくれと目で伝えたらめくれよ? 上でも下でもいいぞ」


「はーいせんせー! うふふ」


「うふふ」


 静香さんも泉さんものりのりだなぁ。春花さんまたおろおろ、あたふたしてるのに。


「あらまあ、でしたらお母さま、最後は二人で一気に歌って、早く終わらせてしまいましょうか。めくらずに済むかもしれませんわ」


「そ、そうですわね。それがよいですわ。ビリにもなり辛いでしょう」


「さて、どうかなぁ」


 楽しそうな先生。うふふ。うぅんでも、耳がみょんみょん揺れて落ち着かないなぁ。恥ずかしい。


 二人のマイクが歌いだしたのは、最初の『月光』と同じ歌手の、『眩暈』っていう曲。春花さんはこの人が好きなんだって、途中で教えてもらった。好きな歌手かぁ。やっぱり一人くらい、いたほうが普通なのかなぁ。


 あなたの腕が、声が、背中が。ここにあって──


 なんだかしんみりな、曲。この人はこういうのが多いんだって。たまには、いいかも。


 さてと。二人の衣装はなんとおんなじみたいで、あ、あ、ピンクのボンボン、赤いプリーツスカート、赤いユニフォームに流れる星マーク。チアリーダーだ。親子三人お揃いだ。


 春花さんはぷるぷる震えて、ろくろく歌えていない。対して花雪さんはにこにこ面白そうに着替えて、あっという間にチアリーダーだ。間奏の間に娘さんが黒のカーディガンを引っ張ってる。早くしないとマイナス二十点です。もっと恥ずかしいこと、なりますよ。あ、目をつむって、えいってここまで聞こえそうな声で小さく叫んで、カーディガンと白いティアードレースのワンピースを脱いで、さっき着たばっかりのスリップ姿からプリーツ、ユニフォームと手早く着替えて、なんとかおしまい。間奏終わり歌を、きっちりと歌う。なんだか半ばやけになっているような、きっちりと透き通った綺麗な歌声……ああ、すごい。音楽の先生が歌うと、とてもいい歌に聞こえる。しっとり耳障りのいい、音程。優しく体の芯まで、染み渡っていく。


 歌い終え、ぺこりと親子がお辞儀。ふふ、でもそうしてると春花さん二児の母になんて見えませんね。チアリーダーさんだからまだ十代っていっても、通じそうなほど若々しいです。すごいなぁ。照れ照れで髪をかき上げる仕草、あー、先生でれでれだ。


 得点も七十五点。あ、私が最下位だ。とほほ。


「どうですか深町さま? 似合います?」


「ああ、とってもよく似合ってるぞ、二人とも」


「ふふ、ありがとうございますわ。お母さまも」


「え、ええ、ありがとうございますわ。で、ですけれど、と、年を」


「いやぁ、現役のチアリーダーって人に言ったら、通じるだろう。なぁ泉?」


「えー、そりゃーもー。いーわー若々しくって」


「ご、ご冗談を」


「うふふ、いいじゃないですかお母さま。私じまんですの。お母さまが授業参観に来てくれたときはほこらしかったですわ」


「まあ、それはありがたいですけれど。ふ、深町様、もうよろしいでしょう? こ、このような格好、恥ずかしいですわ」


「あらまあお母さま、いけません。このままですと私たちがビリですわ。ほら、応援しましょう? フレフレ、深町さまですの」


「……と、とてもそのような、はしたない真似……だ、だってアンダースコート、用意されておりませんでしたもの」


「ごめん、忘れてた。そりゃそうだね、忘れてた」


 先生、ちょっぴりずぼらさんだもんね。


「でも、点数はまからないぞ。このままだと春花と花雪がビリだ。いいのかい? なにか私を楽しませてくれないと。それまでコスプレもしてもらわないとなぁ」


「そ、そんな……ひ、ひどいお人。さっき私、あれほどの醜態を晒しましたのに」


「まあまあ、お母さま。私も一緒にやりますの。花織もやりますでしょう?」


「ええ、それくらい。ふふ、お母さま、だんなさまをご満足させないと、めかけとしていたらぬばかりでなくて?」


「……わ、わかり、うう……年甲斐もなく、このような、うう……」


 でも、しぶしぶ、春花さんも立ち上がった。親子三人、お揃いのユニフォームで。フレフレを、踊るの。


「フレー」「ふ、フレー」「ふーかまーちさーまっ」


 右の花織ちゃんが一番元気よく、フレフレを踊ってボンボン振り振り、楽しそうにパンチラ。左の花雪さんも意外と楽しそうに膝を上げてガーターリングを見せて、パンチラの嵐。真ん中の春花さんは動きもちょびっちく、ボンボンもほとんど動かせず、たすたすと足踏みするみたいにしか動いてなかった。けど、じっと先生が首を振ったのを合図に、やっぱり半ばやけに目をつむり、両隣と同じように動き、ボンボン振り振り、膝を高く振り上げ、フレフレの応援、そしてパンチラなの。ふっくらおっぱい、ユニフォームの上からでもゆっさゆっさ揺れてる。ちょっぴりやらしい。左がピンク、右はシンプル真っ白、真ん中はふりふりレースの真っ白だった。


 先生、目尻がゆるゆる、でっれでれだ。


「よし、いいよ三人とも。十点あげる。八十五点だね」


「うふふ、ありがとうございますわ」


「……はぁ、ふぅ……」


 春花さん、お疲れ様。そんなに太もも、見せるのも恥ずかしいんですか? ずっと隠してますけど。ガーターリングと長い靴下があるけど、ちょっぴりだけのぞいてる。背の高い泉さんと大差ないですよ、きっと。


「ってことは、せんせー? あたしが一位じゃないですか?」


「うん、はいチケット」


「やった! じゃあ、もう書いちゃおうっと。えっへっへー」


 なに頼むのかなぁ。ビリは誰だろう。


「で、ビリは千歳だよ」


「……え」


 私? と自分を指差す。え、え、そんな。そうだっけ?


「自分の得点くらい覚えてなさい。さあこれに着替えるのだ」


「……はい……」


 しょうがないっか。音痴だもんね。えっと、なんだろ、これ……


 バニーさんの、ドレスだった。スーツ? ドレスだよね。網タイツ、はないんだ。ふぅん。まあいっか。えっと、これとりあえず下着姿になって……


 はっとする。うう、しょうがないよね。向こう向きながら、スリップで隠れてることを祈りつつ。がさごそ。下着姿になる。……よし、誰も気付いてないぞ。先生だけ、いやらしい目でよくできましたって顔、してるけど。先生のせいです、ノーパン。そうして、バニーさんの衣装を着ていった。サイズはぴったり。いつもながら、言ってないのに先生、どうしてるんだろう。不思議。


「はいせんせー、いつでもどーぞっ。うふふ」


「ああ了解した。ん、ちょっとあとでこれは話し合おうか。おお、いいねぇ、千歳も意外と似合うじゃあないか」


「あ、ありがとうございます」


 やっぱり恥ずかしい。猫さんの耳と手を外して、うさぎさんの耳なのは。もっとみょんみょん揺れるなぁ。


「……お、終わりました? はぁ、千歳さんときたら、すごいことしてましたの」


「? なにがですか、お姉さま?」


「言えませんの。ねぇお母さま?」


「ええ、はしたないですわ。そ、そういう、その、ご命令なのでしょうけれど」


 ……ばっちり、わかってた……あ、静香さんも? みんな気付いてたんだぁ、うう。ひどいなぁ。泉さんだけきょとんとしてる。うう、ひどいんだぁ。お尻やっぱり、丸見えだったかなぁ。うう。


「よし、コーヒーを注いできなさい。泉、ついていってお挙げ」


「はいはーい。あ、千歳ちゃん、肩肩、ブラとスリップ丸見えよ、ほれ」


 え、あ。ほ、ほんとだぁ。え、でも、見えないブラ、なかったし……うう、脱ぐしかないっか。す、すると私……いいもんっ! もうバカ!


 するっとスリップを脱ぎ、ブラも外す。裸にバニーさんのドレスを着ただけの、私が。先生のコーヒーカップを持って、外に出た。


 すぐ向かいの、扉が開いてて、そこから三十代くらいの
OLさん風の女性が、出てきた。


 ばったり、目が合う。しばらく、見つめ合う。


「どしたの千歳ちゃん? ん? あ、こりゃどーも」


「あ、はい。どうも」


 恥ずかしい……私は思わず、膝を抱えてしゃがみこんでしまった。うさぎさんの耳が、みょんみょん揺れる。


「あ、こら千歳ちゃん、コーヒー注いでくるの。立ちなさい」


 いやいやをする。


「あ、ごめんなさいね。すぐ行きますから」


 正面の女性がそそくさと立ち去って、でもじろじろと視線は注いだままだった。……恥ずかしい……よう……ひどい、先生……


「ほら、行ったよ。さあ歩きましょー? 早くしないとまた見つかっちゃうよ?」


「……うう」


 ゆっくり立ち上がり、周囲に誰もいないことを確認して、歩き出す。コーヒーを注ぎに行くところまで、あんなに短いのにずいぶん遠く感じた。


 茶色い液体を注ぐ時間も、きっとかなり長い。たった一杯分なのに。なんでこんなに長い……ああ、もう。誰もいないのに、なんでか見られてる気がして、気が気でなかった。どうにかカップが埋まるとすぐ、歩き出して、泉さんを置いていく。


 先生のいる二十一番の部屋へ、滑り込む直前。遠くから声が、響く女性の声が聞こえた。


「だからバニーさんがいたのよ! 本当だって! バニーさんよバニーさん! めっちゃ美人! でも胸ちっちゃかった!」


 すぐに閉める。泣きそう……に、カップをどんと先生の前に置いた。そのままうずくまる。


「ありゃりゃー。せんせー、噂になりますよ、このカラオケボックス、バニーさんが出るって」


「知らないよ、見つかるほうが悪いんだ」


「まあひどい。深町のお兄さま、千歳さんによしよしはありませんの?」


「ごめんね千歳、ちょっとやりすぎた。でも罰ゲームだ。これからもこうだ。覚悟、しておきなさい。ね?」


「……はい……」


 背中をさすられ、よしよしとなでなでをもらえるだけで、元気も勇気もわく。ふ、ふふん、だ。も、もう平気。大丈夫。


 解ける雪解けの口付けで、充分なの。


「よし、最後に記念撮影だ。全員集合!」


「はーい」


 泉さんほんとに元気だ。いいなぁ。ううと、まだ少し唸りながら、六人が集合する。


 コスプレ、なの。チアリーダーが三人、婦警さん、バスガイドさん、そしてバニーさん。六人がにっこり笑って、シャッターが切れた。


「ふふふ、せんせっ、せんせの写真、ほしいなっ。ね、一緒に誰か撮ってください」


「私はいいよ、いいったら」


 いいえ聞きません。こんな恥ずかしい格好させたんですから撮るべきです。と、私がカメラを奪い静香さんとツーショットを撮った。もちろん泉さんも、春花さんも花雪さんも花織ちゃんも、そして私の分も、泉さんに撮ってもらった。


「よっしゃ、最後にせんせー、これ歌ってくださいよ、これ。みんなも呼んで聞かせなくっちゃ」


 言うが早いか出て行く泉さん。確かに時間もそろそろ終わり、でもみんなって?


「これ? 別にいいけど、なんでだろう」


 タイトルは『抱きしめたい』だった。狭いカラオケの室内に次々と先生の恋人たちが集い、最後に先生の歌声を聞く。ひしめき合いみんな立ったままだけど、細い人や子供も多いからなんとかなっちゃった。


 泉さんがなんでこれを入れたか、わかる気がする。歌詞が、もう、すごくいい。私たちみんなに向けてる気がして、すごくいい。


 抱きしめたい。こんなにストレートに、歌ってもらえる。先生もそう、気持ちが、あるのがわかる。ふわふわ、くすぐったく、でも嬉しい。とっても、うふふ。


 終わると拍手いっぱいだ。ふふふ。よかったです。先生。ほら、みんな笑いませんでしたよ? それよりすっごく、嬉しかったですもんね。


「よし、じゃあ今日はこの辺でお開きにしようか。みんな帰る準備をしてくれ」


「はーい。ああたのしかったぁ」


 
奈々穂(ななほ)ちゃんは元気いっぱいだった。さて、私も着替えようっと。いそいそ、ごそごそ。


 バニードレスを脱いで、一瞬だけ裸になる。ところを、背中向けてたのに、録画されてたみたい。別にいいけどね。先生以外見ないし。一緒に見ることはあってもね。


 ブラを着け、スリップを着。白いワンピースに袖を通す。ショーツを履かないことにまたも、目を伏せる人たち。ごめんね、先生のお仕置きなの。あ、もうすぐ一時間。帰る前にまたトイレ行かなくちゃ。


 みんなでぞろぞろカラオケボックスを出て行く。まゆちゃんと花織ちゃんに、奈々穂ちゃんはレジにいた男の店員さんに、「とっても楽しかったよ!」「それとおいしかった!」「ありがとうございますわ!」って。店員さんもにっこりだ。ふふ。まゆちゃんなんてまだチアリーダーでかわいいもんね。先生もチーズケーキとってもおいしかったって言ってる。私はその先生にそっと言付けして、トイレへ向かった。


 個室へ入り、はぁとため息。でもと奮起して、えいっとワンピースをめくり、携帯を取り出す。


 また、自分で、自分のあそこを、撮影し。先生宛に、添付。はぁ、恥ずかしい。何度見ても、自分の局部なんて。私だってわかるように、顔も映るようにしなさいだもんね、ひどいや。


 ……先生のバカ、ひどいです。でも、大好き。っと。送っちゃえ、いいもん、もう。


 すぐに返ってくる。お返事は……うふふ。もう、しょうがないんだから。


 助手席、乗せてくれるって。そこでキスいっぱいくれるってさ。うふふ。ありがとうございます先生。それで全部許しちゃいます。ふふふ。


 あれ、もう一通。……はい、先生。もちろんです。そこでめくりなさいと言われたら、いつでもめくって、見せて、証拠を突きつけてやりますから。


 私は個室を出て、逸る気持ちを抑えてでも若干、駆け足で駆けていった。先生優しい。うふふ。


 ああ、楽しかった。
















 さすがにコスプレの婦警さんのままで夕食に臨むほど、図太い神経をしているつもりはない。仕方なしに、ええ仕方なしに婦警さんから元の青い花柄ワンピース、結構なミニ丈に着替えましたもの。本当ならせんせーの野郎がずっとそれでいなさいとでも言えばいいのに。そうしたら着てもやるのに。ねー?


 ……まあ、衣装は全部せんせーに持たせると重そうだったから、あたくしの分はあたくしが持たせていただきましたけれど。あたくしのほかにもちらほら、そういう子がいたそうな。はて、なんででしょう?


 十七人の愛人兼恋人たちと、花織ちゃん。それからご主人様で夕食を共にする。花織ちゃんがチアリーダーでフレフレがかわいかったためにうどんのおいしいところだそうで、着いたところは天井のかなり高い、和室しかないところだった。どこも畳で、柱も木造だ。窓も障子と、とことんまで和の様相を呈している。テーブルまで丸く太い木でできており、すべすべと触り心地がいい。そんなところで、さっきの六人ずつに分かれてお食事。みんなのご主人様は花織ちゃんのリクエストだからと、花織ちゃんと同じところ。つまりあたしと同じところでお食事なのだ。


 先ほどのコスプレをしたままの人は、存外少なくまゆちゃん、
(めぐみ)さん、(ともえ)ちゃん、紗絵子(さえこ)さんと、パティちゃんだけだった(パティちゃんなんてミニスカなだけだものね)。そのせいかなんだかチアの練習後に集まったような、妙な雰囲気。ふふ。紗絵子さんが店員さんに間違われないのは、ここが和食店だからでしょうね。


 せんせーから先ほど獲得したチケットは。そう、ごほん。順番の野外露出とは別に、野外露出させてください、と。書いた。慣れさせないようになどする必要ないのです。やりたいと思うがまま、露出させてくれればよいのです。と。書いたつもりが。なんとせんせーは、


「慣れさせないというのが絶対だよ、そこだけは譲るつもりはない。ということで、別のにしなさい。これだけは認めない、私の思う様、やる」


 と言われてしまいおよよよよ。十七人を順番に、それ以外はめったなことじゃ野外露出しないというのが、主人の言葉でした。なら、守らなくっちゃね。ということで。


 野外露出の順番は、帰ってお家でじっくり仲良しらぶらぶえっち、でなく、青姦で乱暴にめちゃくちゃにしてください、と頼んでおいた。自分から乱暴にしてくださいなんておこがましいこと言えば、きっとせんせーは怒ってもっとひどいことしてくれる。もしくは優しくしてくれる。そう、目論見は当たり、


「嫌だ、野外露出の日はじっくりやる。外でやるのもこちらのペースでやらせてもらう。もう面倒だからお前は明日露出させてやるよ、それで充分だろう?」


 と、嬉しいことを言われたのだ。ふふん。ありがとうせんせー。大好き。だって今日あんなにナカダシされて、翌日もだなんて体が持たないわ。あたしね、週に三回で充分なのよ。充分なのよ。今週一週間も三度で、明日から始まる新しい一週間の最初にもう一回なんてしちゃあ、我慢できないせんせーはもっとしちゃうわ。うふ。そうなのよねぇ。せんせー、週に全員に三度か、多い人は四度だものねぇ。うふふ。大変だわ。


 段々……ピルを飲むのが、億劫になってきてるんだから。危ない、わ。うふふ。


 そう、乗り越えられそう。今ももう、店内の高校生たちを、あの日の赤ん坊を。まっすぐに見ることができる。


 できる。できるんだ。もう。あたし。どうしよう。どうしよう、かな。うふふ。家族計画は慎重にね、うふふ。


 おばあちゃん、ひ孫ができたら喜ぶかしら。うふふ。


 ……おばあちゃんは、もう、絶対に、たとえ泣いて頼まれたって、施設になんて入れてやらない。そう、そう、決めた。少しの時間、迷ったけど、でも。最後の最後まで、たとえ他人と思われようとも、あたしが世話をする。それが、今までお世話になった、あたしがする、最後の──最後の、恩返しだと、思うから。


 そう、思えるまでに、結構かかっちゃった。おばあちゃんを尊重したい、でも、でもって、ずっと悩んでた。でも、もう覚悟は決まった。最後の最後まであたしが面倒を見る。決めたの。決めると、肩の荷がどっと下りて、なにを悩んでたんだろと楽になったわ。ふふふ。ええ、最後まで、看取っているわ。絶対に。大好きな、ああ大好きな、おばあちゃんなんですもの。


 その前に、絶対に花嫁姿、見せてあげる。瞼に焼きつけさせてみせるんだから。


 花織ちゃんは届いたてんぷらうどんを、でっかいエビのてんぷらに驚きながらはふはふと頬張っていた。かわいい。かわいいわ。ふふ。そう、ねぇ。どう、しようかな。どう、ふふ、じっくり考えよう。時間はたくさん、あるんだから。


「まあ、これはおいしいですわ! まあ、まあ! おどろきですの」


「いやぁ、そう言ってもらえると嬉しいよ」


「でもこれはおいしいです。せんせ、ほんといろんなお店知ってますね」


「付き合いもあるしね、まあこれくらいは。食べ歩きが趣味っていう
相良(さがら)って同僚のせいでもあるんだ。何度も付き合わされてね、あいつうわばみでもあるから帰りが大変で」


「うわばみ?」


「お酒飲みのことさ。お酒を飲むから運転できないだろう? だから私に運転手役でって、何度も付き合わせるんだ、あいつ。参ったよ」


「へー、相良先生そんなとこもあるんだ」


「今は彼女と一緒にいろいろ食べ歩きしてるみたいなんだ。まあ、めったに行けないらしいけど。あいつも昔と違って、激務に身を投じたからねぇ」


「うちのとこ、急患が出たらすぐ相良先生か
五十川(いそがわ)先生に診てもらうの、どうにかなりません? あの二人にばっかり負担がかかってるの明白じゃないですか」


「いや、そんなことないよ。泉にはたまたまそう映ってるだけさ。単に彼らの担当する患者さんが多いわけで、泉が言うようなことはない。あいつら二人とも献身的に働いてるけど、そこに頼るような、ほど、人手は足りないわけじゃあないよ」


「まあ、そうですけど。なにかにつけあの二人に頼ってるとこ、ばっかり見るんですよね」


「二人とも名医だからね。腕は確かだからなぁ」


「まあ、深町のお兄さまは、ん、名医でありませんの?」


「いやぁ、精神科医、心のお医者さんはね、外科医、怪我を治すお医者さんとは違ってね、腕のよしあしがはっきりわかるわけじゃあないんだ」


「せんせーは名医ですよ」


「そうかな、治せない」


「治せない患者さんはいません」


「……言い切られるほど、できた医者ではないよ」


「せんせーだけですよ、精神科医で薬をほとんど使ってないの」


「それは必要がない患者さんばかりだからだよ。ほかの人は必要なんだろう」


「せんせー儲からないでしょ、だから」


「儲かるために医者をやってるわけじゃあない、怒るぞ」


「……ね、せんせーああいう、いいお医者さんなんだよ。普通はね、お金がほしいからお薬たくさん出すんだよ」


「そんなわけない、ほかの医師は必要だから」


「せんせー」強い、口調で告げる。気圧されるお医者さん。「性善説もいいですけど、現実を知ることも必要ですよ。製薬会社とよろしくやってない人なんて本当にいませんよ。向こうがあんまりにもセールスに通うからしつこいのもありますけどね、大抵はいいかって、思うんです。別に害になる薬を処方してるわけじゃないし、って。せんせーは、そこのところを見つめることも必要です」


「……そんな……そんな医師が、いるはず、ないだろう」


「薬を出されることで安心する患者さんもいるんだ、だからその意味でも必要ないけれど処方してあげよう、そっちのほうが納得する、これは善意なんだ。そう、思ってる医者がどれだけいるか、知らないのはあなただけです」


「……」


 衝撃を受けている、純なせんせー。悲しいことに、人を疑うことができない、優しいせんせー。誰も嘘をつかないと、信じきっている悲しい、せんせー。


 だからあたしたちが、少しでも、そのできない役割を担わなくっちゃ。せんせーにできないことなら、あたしたちがやればいい。そうして、互いを補えれば。


「あ、あの、私、よくわかりませんわ。ど、どういうことですの?」


「花雪ちゃんも、静香ちゃんも千歳ちゃんもね、一応知っておきなさい。病院に行ったときはね、お薬を出そうとしないお医者さんのほうが優秀なのよ。大抵は必要もないのに、コネっていうか関係するお薬の会社と、契約っていうか、その会社のお薬を使いますよ、だからお礼をちょうだいねって約束してるの。そのせいでお薬をたくさん患者さんに出さなくちゃいけない、この人は本当は必要ないけれど、約束しちゃったし出しちゃえ、一応効果が悪いわけじゃあないし、っていう、お医者さんがほとんどなの」


「……まあ……」


 親子三人、千歳ちゃんも口に手を当てて驚いていた。静香ちゃんなんて眉を曲げて怒りを露わにしてる。


「もちろん、今のは乱暴よ。必要なお薬をちゃんと出しているだけの人だっているわ。でも、でもね。病院行ったらお医者さんとよーく話したほうがいいわよ。そのお薬、必要ですかって。たまにそういうこと聞くと怒る人いるけどね、冗談じゃないわ。必要でもないのにお金を余計に払いたい人、いると思う? 戦うべきよ、本当に必要かどうか、なんなら二人三人、別にお医者さんにかかればいいわ。向こうでこんな薬いりますって言われたんですけど、本当ですかってね」


「……」


 まだ納得の行かない顔をしているのは、せんせーだけだった。


「せんせーのところだって、これ使ってくださいの製薬会社のセールスマン、来るでしょ?」


「来るが、しかし必要なもの以外は断るのが当たり前」


「その当たり前をして、入るはずのお金から目を逸らせる人、いないんですよ。誰も困らないんですもの。誰も苦労するわけじゃない、誰も病気になるわけでもない。ならいいか、って、考えてしまう人が当たり前」


「そんな当たり前があるか!」


 ほら、出た。せんせーだけですよ。そんな立派を、貫ける人。


 だからこんなに、好きになるんです。


「騙しているんだぞ、患者さんを! 私たち医者がなんのために存在するか、履き違えている! まさかうちの病院にも」


「いますよ。やめさせてくれます?」


「当たり前だ!」


「ふふふ。ではお願いしますね。あ、相良先生と五十川先生にも教えてやってくださいよ、知らないんですよ、あの二人も」


「なにっ、わかった。伝えておく。くそっ、なんてことだ」


 右こぶしを左手に打ちつける。わぁ、ふふふ。やっぱりせんせー、いいな。カッコいい。


 気づけば六人、全員ぽーっとせんせーを見つめて、愛を囁いていた。そう、惚れちゃうの。ますます、これ以上ないほど、好きになっちゃうの。ふふ、あとで残りの十二人にも教えなくっちゃ。せんせーがこんなに、いい男だってね。


「ああ、すまない食事中に。しかしくそっ、なんてことだ。なぜ気付かなかったんだ、くそっ」


「ま、まあまあせんせ、しょうがないですよ。今気づいたんです。今から、直せばいいじゃないですか」


「……ありがとう。いや、この話はここでやめておこう。飯がまずくなる」


 うぅん、おいしくなったと思いますけどねー。あたしたちに限れば。


「ななー? 憲邇くんいいお医者さんでしょ、ねっ? わかったわよね?」


「うぅん、よくわかんない。でもなんだかね、ふわふわぁってかんじちゃったぁ。えへへ。かっこいいし」


「ねー? 憲邇さんすごいや。あたしじまんだよ」


「う、うん。みゆも、じ、じまん」


 あらあら。うふふ。聞こえてたのね。しょうがないわねぇ。うふふ。


「あーら、そっちは楽しんでる? おいしい? 
広子(ひろこ)ちゃん?」


「え、ええ、おいしいです。はぁ、それにしても憲邇さん、素敵……」


 おいこら、全員だと不審だぞ。一人の男性をぽぽっと頬染めて見つめてると、バレちゃうぞ。ハーレムだって。


「そ、そうだあなた。ここらでみんなと討論しましょうよ。ちょっと食べすぎよ、一旦箸を置きなさい」


 気づけばせんせーはてんぷらうどん大盛り、月見うどん大盛り、それから親子丼大盛りをむしゃむしゃ、さっきの憤りをぶつけるように食べていた。


「あ、ごめん、なんだい?」


良子(りょうこ)さん、深町先生の小遣い、どうなってるの?」


「あげてませんよ。ごしゅ、深町先生は以前ご自分で稼いだお金だけを使っておりますので」


「あらそうなの? じゃあ、まゆに片っ端からプレゼントしてるのも」


「はい、ご自分のお財布のようです。その、以前に新薬開発に従事していたので、そのときの特許使用料が相当入ったらしく」


「あら憲邇、そんな暇いつあったの?」


「人間やろうと思えばなんでもできるものだからね」


 まあ、事実その当時のせんせーはすごく働きまくって、確かそのときも倒れた、はず。あたしがあの病院就労する前だから又聞きだけど。


「まあ、じゃあ、そのお金使ってる分にはいいとしましょうか、ねぇ
柚香里(ゆかり)さん」


「そうねぇ
絵里(えり)さん、仕方ないわねぇ」


「あらなぁに、二人して憲邇くんのお財布の紐握ろうとしたの?」


「だって紗絵子さん、この人浪費癖すごいんですよ。私にもまゆにも、どれだけプレゼントするか」


「確かに憲邇くんプレゼントしすぎだものねぇ。嬉しいけど、もうちょっと抑えなさいよ、ねぇみんな?」


 こくこく、今でも充分だってみんな言ってる。確かに、あたしも婚約指輪の前身もらっちゃったし。


「う、はい、わかりました。ただ、その、桜園にはいい、よね?」


「当たり前でしょ。子供たちの分ならむしろ、お母さん出すわ。ねっ、絵里さん?」


 紗絵子さんの問いかけににっこり新妻。


「ええ、もちろんよ。足りなくなったらいつでも言ってね。これでもへそくり貯めてるんだから」


「むむ、そうでしたか。実は私も相当数」


 ごにょごにょと良子さんと絵里さん柚香里さんが混ざって奥様談義。まったくもう、その辺関与できないのはちょっと寂しいわね。羨ましい、正妻が。


 でも。でもね。ふふ。関係ないわ。あの人のものであることには、ちっともね。ちょっぴり悔しいだけだし、それくらいはすぐに埋まるもの。


「よし、結論。まゆ」


「うん、憲邇さんはもうちょっとひかえめになさい! でもおさいふは自分でどうぞ。こいでいい?」


「ええ、満点よ。あなた、節度は守ってくださいね」


「ああ、わかったよ。肝に銘じておきます」


「よろしい。それじゃあまゆ、デザートに宇治金時食べちゃいましょうか。お母さんが払うわ」


「え、そう? じゃあ食べるよ、大人の味らしいしね」


「あら、よく知ってるじゃない。押して」


「はーい」


 ピンポーン、とインターホンが鳴る。すぐにぱたぱた、仲居さんのような制服の店員さんがやってきた。


「宇治金時を、じゃあ……」ぐるりと見渡し。「この三席に人数分、十九個で。はい、お願いします」


「待った!」紗絵子さん。「チョコ、ストロベリー、バニラのアイスもあるわよ。全部宇治金時はもったいないわ、いろいろ食べさせあいっこしましょうよ。ほら、チーズケーキにプリンまである」


 ということで。十九人いろいろとごちゃごちゃ、複雑に注文をしてしまい、店員さんに二度説明をさせてしまい、デザートとなった。


 届く甘味に、みんなゆるゆる笑顔になった。あーあ、太るぞ。絵里さんや柚香里さん、その他大勢も太る予定だからいいとして、あーあ。まゆちゃんなんてご主人様の膝の上に引越ししてきて、花織ちゃんとあーん合戦。母親が苦笑いしながらもよしとするからいけないわね。あれは育て方がへたくそよ、ふふ。


 全部きっちり食べ終えて、ごちそうさま。お会計でレシートをきっちりもらい、全員がご主人様に代金を支払う。ええ、受け取ってもらいませんと。ふふ。まゆちゃんや花織ちゃんはまた「おいしかった!」と笑顔で叫ぶので、レジの店員さんも笑顔になってくれた。よかったよかった。


 ああ、いい風。お店を出ると真夏だけれど強い風が吹き、いい気持ちを届けてくれる。そのまま長いスカートとさらさら女どものストレートを流していった。いいわねぇ。あたし伸ばしたら夜にだけご主人様に解いてもらうようにするんだ。うん、絶対するんだ。みんなはストレートだしせんせーも好きだけど、そっちにするんだ。そこは意地を張ろうっと。まあ、このままのショートも似合うっていわれたけど、たまには伸ばしてもみたいし。


 それから、みんなは帰宅の途に着く。あたしも自宅へさようなら。ふふ。じゃあみんな、帰って仲良しこよし、いちゃいちゃしなさいな。あたしもうやったしね。ふふ。


 明日も野外露出。今から下着の選定に気を張らなくっちゃ。頑張ろうっと。ご主人様に、満足してもらわなくっちゃ。


 そうそう、それとあれ、本当に明日やるのかねぇ。いくらみんな日曜日だからって、ふふ。あたしも仕事帰りに用意しておこうかねぇ。ふふふ。確かに、明日ならできそうだわ。


 どっちも楽しみ。高揚した気分のまま、あたしは車を走らせていった。


 とっても楽しい、カラオケ大会だった。
















 やっぱりというか、めくれない、めくってあげられない、めくって喜ばせてあげられないというのはなんとも、もどかしいものだった。まあ、こいつがこんな格好させたんだから仕方ないけれど。うぅん、白のタンクトップに超ミニのホットパンツ、ねぇ。あたしに似合うっていうのかしら。あたし的には、もうスカートしか似合わない女になってくれていたほうがいいというのに。


「あんたもさ、やっぱりコスプレ好きなんじゃない。チアリーダーとか、バニーさんとか」


「好き、かなぁ。いやね、実は衣装を考えるのに苦労してねぇ。私はそういう方面に明るくないから大変だったよ」


 大嘘つきめ。野外露出のロケーションをあれだけ知っておいて、なにを今さら。


「その証拠に、というか、チアリーダーをさせたのは六人くらいだったと思うんだ」


「なに、そんな好きなの?」


 彼のベッドに座り、ぎしぎしと体を揺らしながら訊ねる。彼は暑苦しそうに着衣を脱ぎ捨て、もうすぐ裸になるところだった。


「だから思いつかなかったんだって。親子でチアをしてくれるとかわいいなぁ、と思ったからたくさんにやらせたんだ。それだけだよ」


「ふぅん、変なの。男の人ってコスプレ大好きマンしかいないと思ってた」


 友達にオタクが彼氏の(付き合ってからオタクだとカミングアウトされたみたい)女の子がいるけど、コスプレが相当好きみたいで困ってるらしいのに。えっちに関係なくとも、単にコスプレが大好きで、男の大半はそうだとか。いやいや、その彼氏だけでしょ、とつっこんでおくと、そんなことはない、これまでの彼氏もコスプレは好きだった、と、臆面もなく言い放たれてしまった。まあ、そういう人もいるわよね、と思いつつ、そうなんだ、とも納得していたあたし。こいつが違うとなると認識を改めなくてはならない。


「うぅん、そうだな。そうかもしれないな。正直チアリーダーの格好は大勢させてよかったと思ってる」


「わぁ、変態」


「巴もさせようかな、どうしようか。いやセーラー服も意外とよかったなぁ。どうしようか。まあ、嫌だっていうならいいけどね」


「……」


 ぶらぶらさせた足を、止める。こいつはいっつも、自分がやりたいよりあたしたちが嫌かどうか、を優先する(野外露出は例外か)。嬉しいけれど、嬉しくってたまらないけれど、でも。なんでもかんでも、押し通してくれて構わないのに。


「……け、結局あたし、せ、せ、せら、セーラー服に袖を通したの数えるくらいしかないから、い、いいわよ。ちょっと着足りないくらい、だし……き、綺麗なまま、だし、現役と、い、い、いこ、いっこしか違わないじゃ、ない……」


 勇気を出すと、いっつも声が震える。噛み噛みでうまく言えない。けれど、こいつは。いつもちゃんと、どこまでも聞いてくれる。


「ありがとう。そうか、そうだったね。うん、お願いしようかな。今度。ふふ、一日中その格好でいてもらわないとね」


「う、うん。望む、ところよ」


 心底、ええ。


 裸になった彼がこきこき、と肩を鳴らし、にっこりと笑って隣に腰かけた。彼の寝室、彼の匂い。香ってくるもの。


「コスプレもいいけど、野外露出したのも忘れてない?」


「わ、忘れるわけないじゃない。あんなの。下着だけでもどれだけ恥ずかしいか」


「うわぁ、嬉しいなぁ。いやぁね、野外露出はね、のりのりでやられるより極限まで恥ずかしがられたほうが楽しいんだ!」


 目をきらきらさせて言われてしまう。そ、そんなの、女なら誰でもじゃない。


「次はもう一枚、脱がせるよ。いいね? 大丈夫、私を信じて、絶対見られないところにするから」


「……バッカじゃないの、ふんだ」


 今日だって大きな道路でやらせたくせに。この家の前だって、朝早いからこそご老人たちが通るっていうのに。大嘘つきの唇ね。


 大好き。そう、目を閉じて上を(少しだけ)向いた。


 くれる口づけ、ふわりと解ける。味はまさに、甘い甘い苺のパフェだわ。


 別腹よ。どこまででも、食べられるわ。


「やっぱり、スカートがいい」


「ん? どうしたんだ急に」


「だって、こういうときにあんたを喜ばせてあげられるもの。くるくるって、回るの、好きなんでしょ? あとめくらせるの」


「いや、まあ、いや、うん、大好きだけど」


 くすりとなる。「だからね、こういう格好があたしに似合うとしても、なるべくはコスプレ、スカートがあるのがいいわ。ね? お願いね、ご主人様?」


「うぅん、わかったよ。私としては、巴の綺麗な太ももをすっきりと見たかったのがあるんだ」


「あらそう? どう? 磨いてきた甲斐、あるかな?」


 すっと右膝を立てる。右に座る憲邇先生はそっと太ももに指を這わせ、さわさわと撫でてくれた。


「ある、すごくある。なんだか上等な霜降り肉みたいにうまそうだ」


「やだもう、変な褒め方」


「これからも磨いてくれ、綺麗でいろ、な?」


「はい、ご主人様」


 あなたのためにだけ、美しくあります。あなたにだけ響く女に、なります。だからずっと、傍に置いてくださいね。そう、胸板に指を添わせる。


「別にいいぞ? なんと呼ぼうが」


「たまにはご主人様がいいわ。あんたにお仕えしてる身ですもの」


「そうか。好きにするといい。じゃあ、巴」


 髪を梳く目が、妖しく光る。こちらもうんと、頷いた。


「そこに立って、そう。そのままで」


 命じられたとおり、彼の前に立つ。そのままでいなさいとの仰せ。


「今日学んだことがあるんだ。見るだけでも、愉しい、ってね。見るだけでも、立派なえっちになるって」


「そりゃあそうよ。あなたに見られるだけでも恥ずかしいわ」


「ありがとう。なら、そうしていなさい。私が合図したら、一枚ずつ脱ぐんだ」


「はーい」


 それまでお預け。愛撫もされない、キスも。あーあ、ちょっぴりつまんないなぁ。あたし、この人とのセックスは相性抜群で、すぐ気持ちよく感じるようになったっていうのに。


「……」


 じっと、本当に舐め回すように、見られている。なんだか視線が刺さるところが熱くなっていくよう。太もも、ふくらはぎ、それから顔に一気に上り、ついで腕、指、それからお腹、胸、また顔へ。見つめ合うと、変な気分。愛を語れるほど、あたしはまだ上手じゃなく、ただただ気恥ずかしい思いがあるだけ。そう、じっと視線で焦がされていく中、脱ぎなさいの合図が、きた。


 タンクトップを、上に上げ。脱ぎ捨てる。あとにはあたしの
Bカップの黒いブラが残るだけ。あたしはシンプルなブラが好き。刺繍とか、多いのはあまり好きじゃない。まあ、そういう、勝負用のは、あるけど。でもこいつとの初めてはそれじゃなかったから、今さらでもある。今度着てみようとは思うけど。こいつ、下着フェチでもあるらしいし。


 そう、そのとおりに。下着をじっ……と、見られた。その奥に隠れたあたしのバストが見えるように、じっ、と。膨らみがへこむかと思うほど、視線を注がれ、異様に恥ずかしくなって手で隠そうとするけど、そのたびにやめなさいと静かに、でも大声が轟くの。仕方なく見せ続ける。ああ……焼けちゃう、わ。胸が、胸が……ああ、ん……なんだか、もじもじ。くねくねと脚を動かし、落ち着かない。そうしているともう一枚、脱ぎなさいが。


 恐る恐る、ホットパンツを下ろし、脱ぎ捨てた。逆三角形の小さな黒のショーツが見える。今度は視線が、そちらにも向かい……またじっ……と、見られる。穴が開くかと思うほど、目の力が下着を溶かすかと思うほど、強く見つめられる。こんなに恥ずかしいと、思ったことはない。下着姿で彼氏の前に立つだけ、なのに。視線で犯される、というのがあるとすれば、今まさにこれ、これがそう、だった。ショーツの奥のあたしの大切なところが、きっと見えてるの。だからこんなに、恥ずかしい。体温がどんどん上がる。焦がれてゆく……


 気づけばあたしは一歩、彼に向かって歩いていた。もっと見てほしい、ではなく、じれったいから。じっとりと汗ばむ身体がじれったく、いっそ乱暴に犯してほしい。そう、思い、一歩、また歩いてしまう。


 見られるだけで、下腹部に熱が、生まれたのだから。


 あたしは彼の指令も忘れ、ブラもショーツも脱ぎ捨ててしまっていた。裸になり、彼の目の前に立つ。彼の視線の犯し方があまりにもうまく、あたしはそれで恥ずかしい思いと、裏腹の、そう、満たされた……えっちをしてもらえた、感覚も受けとっていた。


 でも、それだけじゃあ嫌。視線だけじゃあ、嫌。その先がほしい。そう思って、座る彼にまたがった。


 瞼と瞼が触れ合う。そのまま、バタフライキスを。した。


 感じる。気持ちいい。視姦で、準備は万端だった。


「どうだった? 見られるだけというのは」


「ちょっぴり、気持ちいい、かな。でもあんたの本物の愛撫よりは、段違いよ」


「なるほど、まだまだだな。たまにはこういうのも悪くないだろう?」


「ええ、たまにはね」


 本物の口づけをした……唇から、火の酒のような、痺れる触感。本当に焦がれていた。


 指があそこを這う。さわさわと撫で、するりとあまりにもたやすく侵入される。あたしははぁと艶やかな息を漏らし、彼への愛を囁いていった。


 うっとり、見つめ合い。彼の舌が胸を滑り、舐め溶かしていく。そうして指が幾分も擦れ、互いを濡らしていくのに、時間はかからなかった。下準備で、当然。


 はしたないあたしは、挿れての合図を送った。ほとんど見つめる形の、上目遣い。見上げたいのに自分の身長のでかさが、今だけは嫌になる。


「じゃあ、挿れるよ」


「うん……んっ、はっ……っ」


 するすると入ってくる彼のモノに、あたしは震え上がりそうになるほどの快感を、得て、いた。そのためにがしっと脚でつかみ、彼を逃がさない。彼の感触を、心地を、少しでも多く繋ぎ止めるために。


 この人とあたしは、相性抜群だ。ずぷずぷと侵入するモノがあたしを狂わせる、ほどの、快楽を運んでくる、から。あたしにぴったりのサイズ、硬さ、力強さ。なにもかもあたしにぴったり、なの。


 あたしたちはお互いにゆったりと動いていき、互いの感触を確かめ合っていった。唇の味、胸の味(彼の胸は硬くごろごろした触感で、少し汗でしょっぱかった)、あそこの、味。なんというか彼は髪フェチでもあるので、ときどきあたしの流れる長い黒髪に顔を埋め、感触を楽しんでくれているようだった。あたしもなんだか、それが誇らしく嬉しい。そのときの軽くよしよしと、彼の頭を撫でるのとかもう最高だわ。とっても気持ちいいもの。


「はぁ、はぁ、んっ……はぁ、憲邇先生……好き……好きよ……ありがとう、二人っきりでえっち……」


「私も好きだよ、かわいい巴。露出させたのは君だけだったからね、二人でだったら二人とするさ」


「もう、えっち。今日はあたしとだけで終わりにしときなさい、ねっ?」


 そうすれば起きたときにもあなたを感じられるわ。ね、そうしましょう。それがいいわ。


「無理だね、とりあえず自己紹介撮影をさせた女の子たちとはやるよ。悪いけど」


「もう、しょうがないわねぇ。ふふ、じゃあ、今も思いっきりえっちしなさい、精根尽き果てるまで犯してくれて、いいわ」


「ありがとう。頑張るよ」ちゅっ。


 座っているからかゆったりペース、じっくりとだった。それはそれでお互いを感じ取れて気持ちいい。特に憲邇先生の肩の筋肉はとてもいい触り心地で、顔を預けるにもぴったりだった。これはいいわ、すごくいい。何度もなぞり、感触を肌に覚えこませていった。


 座ったままだから指も絡めやすい。彼の指は魔法使いの指で、指と指を合わせるだけでそこからなにかが伝わってくるの。両手の指を絡めて、じっと見つめ、そうしてキスをし、肌を重ねるだけで。気持ちいいものが身体の奥へと伝わっていくの。ええ、奥の奥。お腹の中まで、ね。上から下から、もう大変だわ、ふふふ。


 彼は首を舐めもし、ほっぺも舐めにくる。あたしが涙ぐむとそれも舌で拭き取りに来てくれ、なんだか恥ずかしい。お互い夏の汗まみれだから、舐めるたびにきっと汗もだけど、彼は気にせず舐め放題。よっぽどあたしの肌が好きみたい。ふふ。嬉しいな。そうして耳もとで、「巴」とか、「好きだよ」とか、囁かれるとうっとりする。気持ちいいの。声、響くの。嬉しくって。たまらないわ。あそこからの感触がまた、ずっきり変わるもの。


「あ、あ……ぁん、憲邇先生……ん……はぁっ、はぁっ……」


 ぼうっとしてきた。ああ、いい気持ち……これ、あそこ、突起、擦れてる、なぁ……ああそのたびに、あたし、気持ちいい、なぁ……うふふ……もっと擦ってぇ? ねぇ、気持ちいいわ、そこ……とっても、よ……ねぇ、言わせないでよ、わかるでしょ? ねぇ、そこよ、そこ……ぁん、そう、そうよ……うん、擦れて、いい気持ち……びりって、くる……ああ、気持ちいい、気持ちいいわ……


「気持ちいい……
 あっ」


 はっとなる。声、出ちゃってた。うう、恥ずかしい。女のほうから言うなんて、バカ。


「気持ちいいんだ? ありがとう、嬉しいよ」


「バカ、あんたのせいよ、こんなの言うなんて。もうっ」


「私も巴、気持ちいいよ。嬉しいな」


「バカッ、変態っ。もう、さいていっ」


「あれ? この前言ってたじゃないか。なにが嫌なの?」


「あれは、その、とにかく、自分から言うのははしたないわっ。いやなの、そんな自分が」


「ふぅん……」ぐちゅう、ぐちゅ……はぁっ。「変だね。いくらでも言ってくれよ、私としては嬉しいな」


「バカッ。あんたが言えって言うならいくらでも言えるけど、自分からなんてはしたないってのっ」


「そうかなぁ? そんなことないと思うけど」


 あるわよ、大バカ。まるで淫らな娼婦じゃない。あたしは普通の女よ、普通なの。気持ちいいと思っても、口に出すなんてもってのほかよ。当たり前じゃない。


「じゃあ、私が言えと言ったときだけでいいよ、しょうがない。どう、今は?」


「……嬉しいわ、あんたとえっち、できて」


「いいから言ってくれよ」


「もう……気持ちいい、わ。とっても。本当にとっても気持ち、いい。あなたとのセックスは、本当にすぐ気持ちよくなったわ。どうして、かしら」


 ゆったり動きながら、上を向く(少しだけ)。どうして、かしら。女がすぐなんておかしいと思うのに。今も、安らかに揺れる動きが、あたしに快感しか感じさせない。とってもいい気持ち、だった。


「どうしてもこうしてもないよ。好きな人同士のえっちはね、すぐ気持ちよくなるんだ」


「またそんなメルヘン言って、もう」


 でも……そうだわ。きっとそう。そこに年齢もきっと関係ない。好き同士だから、すぐ気持ちよくなる。お互いに。それが当たり前なんだわ。うふふ。


「そうね。そうだと思うわ。あなた聡明ね」


「そ、そうかな。そんなことないよ」


 ちゅっ。今度は自分から唇を合わせにいった。うふふ。おいしい口。


「好きよ、憲邇先生」


「……ああ、私も好きだっ、巴っ」


「あっ、はぁっ、はぁ、憲邇先生っ、ご主人様ぁっ」


 ゆったりが少しだけ、早くなる。あたしを求めて、あそこがぐっきり動き、ずちゅずちゅと擦れて、痺れる快感を運んでくる。やっぱり、外の突起が彼の屈強なモノと擦れるたび、電気がびりっと弾けてあたしを襲ってくれていた。ああ、気持ちいいって。


 吸うように舌を交差させ、潰れるほどに乳房を揉みしだかれていった。お尻も軽々持ち上げられ、やりやすいように位置を少し変えては、また新しい膣壁を擦れる快楽をあたしに教えてくれる。そんなことをされながらあたしは喘ぎで返事をしつつ、彼の背中を味わっていった。


「あっ、あっ、ん……はぁ、はぁっ……ぁん、ん……はっ、ふぅ、はっ……ん……好き……ありがと、はぁ……ぁ、ん、やだ、やだ、もう……ありがと……」


 彼は褒めちぎる。あたしを「綺麗だよ」と「かわいいよ」しか言わない。と思ったら「切ない声、たまらないぞっ」と大げさにあたしを持ち上げ、お返しにと猛攻撃してくる。やぁらしいあそこがぐずんっ、とあたしを突き刺し、くらくらとふらふらにさせ、よりかかろうとする先にも突き刺し、もうどうしたらいいかわからないほどの快感があたしを支配する。嬉し涙が大量に出て、全体重を彼に預けようとし、そこをまた持ち上げるようにずぐんっ、とされるからさあ大変。あたしはこれ以上ないほどの満たされた気分で、同時に快楽を貪っていた。ああ、気持ちいい、よすぎる……また、また擦れてる、ああ座ってって、いいなぁ……初めてのときは余裕なかったから、これ、あんまり味わえなかったけど……こうなるなら、普通のより座ってが、いいかも……彼をたくさん、味わえるし。


「憲邇先生……」


「巴……」


 見つめ合い、キスを交わし。唾を垂らし。肌を擦りつけ、匂いを染みつかせにいき、すりすりと。互いに、感極まった気持ちを伝え合う。うん、と、こくりと頷きあい。そうして最後の……


「ぁっ、ぁん、はぁっ、はぁっ……憲邇先生……あっ、あ、あっ、ぁんっ、はぁ、はぁ……っ」


 彼は胸を揉み、お尻を揉む。それはもう、病的なほど。そしてあそこを、侵入させる。さあ、さあ、と、迫り来る憲邇先生。あたしはそのどれもで、昂ぶった興奮を味わっていった。


「巴……綺麗だよ、さあ言え。もうわかるはずだ、言えっ……」


「孕みたい……」


 ぼそっと、変態の一言。「あなたの赤ちゃん、孕みたいです。孕ませてくださいご主人様、どうか、お願いします」


「じゃあどうすればいいんだ、教えてくれ」


「はいご主人様、あん、あたしの、ナカに、生でナカダシしてくださいませ。どうかお願いします、ご主人様、大好きっ」


「巴っ、私も好きだっ、巴っ」


「ああっ、憲邇先生っ」


 最高に昂ぶった彼が、あたしをふらふらにさせてくれた。ずっちゅずちゅ、擦れ、貫かれ、女の悦び。胸を求められ、唇を求められ、髪を求められ。女の悦び。感じていた。これ以上ないほど。彼の責めで、どこまでも。


 言わせられ、ご主人様を満足させてあげられた、誉れが。


射精()すよ巴っ、巴っ」


「はいご主人、さ、ま……っ
 はぁっ、はぁっ あん うふ、ご主人様…… 嬉しい…… 大好き


 本日も生ナカダシの刑。うふふ。二人仲良く、生えっち。うふふ。孕んじゃうかも。変態よろしく。ああ、あたしもなんてこと言ったのかしら。変態だわ。で、でも、つい言っちゃう。だって、だって憲邇先生の奴隷だもの。うふふ。ああ、注がれてる……大量に入ってくる……できちゃう、できちゃうよ……こんなに、ぁん、へへへ……


 シーツを大量に汚して、ご満悦。にっこり笑うと、キスしてくれた。ありがとうあんた。嬉しいわ。


「十七人全員にナカダシ魔、変態」


「お前はその変態の女だぞ」


「うん、わかってる。嬉しいのよ、うふふ。ありがとう。大好き」


「私も大好きだよ」ちゅっ。


 それから軽く後片づけをして、横になる。あたしが眠るまでは隣にいてくれるんだって。いつもいつも、ありがとうね、優しいあなた。


「次はもう一枚、脱がせるの? まさかそうだ、コスプレで野外露出とかじゃないでしょうね」


「……」


 なにその、衝撃に驚いた顔。あ、あ、まさか。


「そうか、その手があったか。なるほど、ありがとう巴。いいアイディアだ」


「ば、バカ、よしなさい。そんな恥ずかしすぎること、できやしないわ」


 でもにっこり、笑顔なの。ずるいわ、そんな顔されたら、なんでも許したくなっちゃうじゃない。


「まあ、段階を踏んでね。うん、それは面白そうだ。うん、楽しみだなぁ、あっはっは」


「うう……さいてい」


 でもこの人が嬉しそうならいっか。それが一番だもの。が、頑張ろうっと。セーラー服で野外露出、とかでも、やらなくっちゃ。


 こんなに優しく、仲良しえっちしてくれるんだもの。ね。なんでもするわ、絶対。


 大好きな人に胸を、借りて。あたしは安らかな眠りについていった。


 おやすみなさい、ご主人様。巴は幸せものです。あ、お風呂……入らなくっちゃ……ふあ……いいや、寝ちゃおう……おやすみ、なさい……
















 千歳さんに花雪たちと一緒に寝てもらい、本日は静香さんと一緒に、静香さんたちの寝室でご主人様と夜を過ごします。本日のカラオケ店にて、あのような辱めを受けたもの同士。ええけれど、どこか誇らしげに、どこか楽しげにこなしていた静香さんとの、お相手ができるでしょうか。静香さんほど、こなれてはおらぬ私、
八尋(やひろ)、春花。もう三十九のおばさんが十五になる若人に敵うところなど、あるはずないとわかってはいても。隣でうきうきそわそわしている女性に、少しでも負けないようにと。奮起しておかなければ。


 あと少しで、旦那様がやってくるのです。首を長くして待つ、心地よい隙間。私は大好きでした。待つことが好きな、女なのでしょうね。ああそういえば、明日のあれ、本当にやるのでしょうか。準備は整っておりますけれど、少々恥ずかしいですわね……


「あの、春花さんはどこまでせんせに、やりましたか?」


「どこまで、と申しますと?」


「ほら、今日好きなプレイはって、自己紹介のときにあったじゃないですか。たとえばどんなプレイまでしたことあります? 咥えたことは?」


 赤面させるのです。私はあわあわと口を開きかけ、でもまた噤みました。


「言えません、の。恥ずかしいですわ。その、二人だけの秘密としとうございます」


「あ、そっか。そうですよねぇ。ふふ。でもあたし、やらしいから言いますね。あたしはまだ、プレイと言えるものはあんまりしてません。でも、フェラチオはもうしました」


 心底誇らしそうに、言うのです。なんともできた女性でしょうか。ああ羨ましい。そこまであけすけと言えることが。


「あ、そうだ。お尻開発してもらってます」


「……お尻?」


「はい、お尻の、その、穴」


 ますます赤面が募ります。まあ、まあ! なんということでしょう! そんなところまで性技に使うのですね。ああはしたない! なんてことでしょう。深町様はそこまで深くをお知りになられているのですね。ああ、どうしましょう。私はともかく、花雪はそんなことまでされて耐えられるでしょうか。


「だいじょぶですよ、お尻にえっちなことされても平気な人しかしないって言ってました。あたしは大丈夫だってわかってたからしただけです。春花さんが心からいやなら、せんせはきっと言い出してもきませんよ」


「まあ、それは助かります……け、けれどよく、静香さんは平気ですのね」


「はい、どうしてかなぁ。あたしでも不思議なんです。どうして平気なのかなって。ふふ、初めてがせんせだったから、えっちってそういうものかって思ったからかもしれません」


 まあ、純ですこと。私も深町様が初めてですが、それは奥の奥へ進んだえっちだと、わかりますわ。


「あの、そこでものは相談なんですけど、せんせがその、女の子同士でいじりあいなさいって言うじゃないですか。その、お尻だけはやめてほしいんです。お尻と、もちろんあそこも」


「ええ、はい、それはもう。わ、私も恥ずかしいですわ。そこだけは、殿方がようございます」


「ね、そうですよね。でもそれ以外、やっちゃいますよ? 覚悟しといてくださいね」


「……はい……本日はご迷惑をおかけすることと存じますが、どうぞよろしくお願いいたしますわ」


「そんなかしこまらなくても。あ、せんせ」


 がちゃりと扉が開きます。現れる巨人のような殿方に、二人ともかしこまって。上半身裸、パジャマのズボンだけに身を包んだ殿方に、二人ともが居住まいを正しました。


 二人とも入浴を終え、ネグリジェとパジャマですの。夏の通気性のよいスリップに身を包み、すごしやすい真珠のネグリジェの私。静香さんもすごしやすいワンピースのパジャマ。けれど静香さんはいつも、夜を共にするときはうっすらと薄化粧をしているよう。美しく……あります。


 すっきりと煌びやかな、それは女でした。


「こんばんは、せんせ。今日は二人でお相手しますね。どうぞよろしく」


「ああ、よろしく」


「ど、ど、どうぞよろ、しく」


「うん」にっこりと間に来ます。私と静香さんの間に。すぐに彼女は肩を預け、手まで繋いでいるよう。ずるいですわ。わ、私はただ、寄り添うだけ。それ以上は、やはり、いつまで経っても、勇気が。二人きりならあるいは、違うのですけれど。


「どうだった二人とも、今日のコスプレに、自己紹介は」


「と、とってもっ、恥ずかしかったですわっ。と、年を考えて下さいまし」


「そうですか? あたしはうれしかったなぁ。ふふ。せんせ、コスプレえっちも、いいですよ? どんとこいです」


「ああ、まあ、そういうのもあるねぇ。あんまり考えたことないや。私は自己紹介、よかったと思うんだ。君たちの意外なところが知れてね」


「そうですか? ふふ、あたしが言ったことなんてせんせはもうわかってると思いますけど」


「いやいや、きちんと口に出してもらえると違うさ。静香はバックが好きなんだよね? あと、撮られるのが」


「はい。そうです、せんせっ」


 まあ、心底嬉しそうですの。ずるいですの。よくもまあそこまで臆面もなく、言えますの。


「春花は手を繋ぐのが好きで、脚を絡めるのも好きなんだよね?」


「……」


 口に出せるはず、ありません。ただこっくりと、静かに頷いておきました。


「いいなぁ春花さん。とってもしとやかだ」


「そ、そうですか? 自らはとても、その」


「私がやれと言ったらやれよ、な?」


「はい、深町様」


 そっとこの言葉を受けて、ちょんと、ご主人様の小指を、つまみました。勇気が出るのです。深町様のお優しい、お言葉を受けると。


「じゃあ、始めようか」


「ふ、深町様、本日はどうぞ、お優しく……」


「そうですせんせ。今日はとびきりやさしくです」


「ああ、頑張るよ。とりあえず二人とも、立ちなさい。私の前に並んで」


「はい」二人同時に言い、言葉どおり立ち上がりました。深町様から見て、右手に私、左手に静香さん。並んで、少しの気恥ずかしさ。


「今日はね、見たいんだ。君たちをじっくりとね。それもまたえっちだと気付いたんだ。というわけで、眺めさせてくれ」


「はいせんせっ」「は、はい深町様」


 まあ、見るだけ……じっとそれだけ、するというのもまた、なんといいますか恥ずかしいですわ。どうして静香さんはそんなにも楽しそうなのでしょう。性が好きなのですか? いやらしい。


 殿方の視線が、私どもを通過してゆきます。ネグリジェの下のスリップが透けて見えるのかと思うほどじっと見られています。なんだか、その、恥ずかしい……見つめられるだけでそこを、触れられているような……感じがいたします、の。


 じっとりと刺さる視線に、隣の方ももじもじと恥ずかしがっているようでした。なんとなく大事なところを押さえ、すると殿方がいけないよと諭してくれる。そこを、やはり、透かして見られているのです。ああ、恥ずかしい。そんなに、女性の女性らしいところがお好きなのですか? ああ恥ずかしい。ただ立って見つめられるだけでこうも、照れが参る。軽い目眩に襲われました。


「一枚、脱いで。ああそうだ、せっかく二人なんだから、脱がせっこしなさい。キスしながらだともっといいね」


 王子様はいやらしいのですね。構いませんけれど。で、では、失礼しますわ、静香さん。大好きな王子様をご満足させなければ、妾として至らぬばかりですものね。


 と、静香さんは先に自分のワンピースをちょんとつまみ、するするとめくってお尻を見せていました。まあやらしい。ピンク色のかわいらしいショーツを見せてにっこりしたあと、私の方へ手を伸ばしました。まあ、サービスですの。え、偉いですわね。とてもそこまで、考えが至りませんわ。王子様がめくらせるのが大好きだなどと、わかっていても恥ずかしいというのに。


 私のほうを見る、静香さん。にっこりと目を閉じ、ちょんと唇を突き出します。そのままネグリジェも脱がせにかかる器用なお人……わ、私も奮起しまして、そっとワンピースを脱がせながら、目を閉じて彼女の唇を探しました。


 ちょん、と。ぶつかる淡雪、彼女の唇。女性のものでした。深町様と違い、どこまでも大らかな唇でした。やっぱり恥ずかしい。そこまでじっくりと眺められているのですから。


 ぱさり、互いの衣類が脱げます。目を開けると、微笑む静香さんがほんの少し頬を染めていました。互いにうっすらと透ける、スリップ姿。互いを見つめ恥ずかしそうに主人にお伺いですわ。ああ、まあ、とてもにっこりですの。嬉しいですわ。誉れですの。


「いいよ、二人とも。そうだ、お互いの感想を言ってご覧よ、唇のね」


「春花さんぷにぷにですっごく柔らかかったです」


「そ、そうですか? 静香さんもぷにぷにでしたわ。とても柔らかい」


「そうかそうか。ふふ、ありがとう」


 それからまた、視線を感じます。不思議でした。瞳は二つしかないはずなのに、視線は幾重にも感じるのです。目と目がぶつかっていたかと思えば、唇を舐められている。胸を揉まれているかと思えば、大事な女性を愛撫されている。太ももを滑っていると思えば、指先を絡めている。なんとも不思議でした。


 それほど、深町様の見つめる、えっちは。感じさせにくるの、です。


 次も脱げ、との仰せが。言うまでもなく脱がしっこなのです。二人、ちゅっと口付けを交わし、軽く頬擦りをしながらスリップを脱がし合いました。ぱさりと落ちる下着、残る下着。静香さんは美しいピンク色のレースのブラ、そしてショーツ。リボンが何点ものアクセントを刻み、とてもかわいらしく美しい下着でした。対して私。私も今晩はピンクの薔薇模様をした、レースのブラとショーツですの。フリルも上部にしつらえられた、とても私好みの、その、年を考えないかわいらしい下着ですの。やはり深町様の言葉あればこそ、ですわ。私の気に入るものを着けているのが、一番似合っていて綺麗だよ、と。言うて下さったことが、今でもいつまでも心に残っているのです。それが深町様の好みにも合うということでなんという至上の喜びでしょう。うふふ。どう、ですか? はい、どうぞどこまででも、見つめてやって下さいな……


 互い、照れつつも。どこか誇らしく、下着姿を眺めて頂きました。誇らしい、ですわね。私どもの女性を、見たい見たいと見開く、殿方に。うふふ。はぁ、そんなに見つめられると、せっかく大きいしか能のないバストが縮んでしまいますわ。ああ恥ずかしい。ああそんなに、ショーツを見ないで下さいまし、透けて見えるのでしょう? 私の女性が、そんなに見ちゃ、嫌ですの……はぁ。


 じっとり、と。もじもじ、と。はぁ。はぁ。うふふ。深町様、大好き。あ、今静香さんも同じことを囁きましたわ。仲間ですの。


 次を、脱げと。仰います。二人は向き合い、互いの背中へ指を伸ばし、そうして、ホックを外しました。互いのブラが落ちる瞬間、ちゅっ、とまた、口付け。うふふ。女性の唇も悪くありませんわね。ええ、深町様が一番ですけれど。


 静香さんのバストは光り輝く宝石のようでした。美しい、バスト。綺麗なお椀の形にツンと張った、張りのあるバスト。羨ましいですわ。私も花雪を産んだ頃なら、これに負けないと自負がありましたけれど。対して私は、もう垂れ放題の大きいだけ。色も、艶も、比べるべくもありません。羨ましい、ピンク色。私はもう、薄い茶色になっておりますのに。


「……」


「あ、あの、静香さん。あんまり見ないで下さいまし」


「あ、ごめんなさい。でもせんせ、すごいですね。全然垂れてない、こんなおっきいのに」


「まあ、お上手ですこと」


「え? いやいや、春花、お前の胸は立派だぞ、垂れてなんて」


「まあ、二人ともいいですの。ずいぶん情けなくなりましたわ、花雪を産んだ頃はもっときちんと、張りのあるバストでしたもの」


「こ、これ以上だったんですか? わぁお。すごーい」


「信じられないなぁ……」


「ふ、二人ともいいですの。二人も産んだのです、当然の結果ですわ」


「いや、だとしたら余計、立派だよ。素晴らしい身体をしている。春花は垂れてなんていないよ、綺麗な胸だ。そそるね」


「ま、まあ、いやらしい……もう」


 そそる、と。女性を感じる、と。言われると嬉しい、現金な私。深町様にお褒め頂くといつもその気になってしまうので、注意しませんと。


「一回パティに頼むのも面白そうだ、いや、自分でできるから自分でやるか」


「え? なんですかせんせ?」


「いやいや、静香の胸だって綺麗だって言ったのさ」


「もう、上手なんだから。あんまり見ないでください、ふふ」


「見させろよ、今だけ」


「はーい」


 隠そうともしない、静香さんのバスト。じっと深町様に見つめられているというのに、やはり誇らしいのが先に立つようです。それにしても美しい、黄金のようなバスト……ツンと張って自己主張、ぷるんと弾けて、柔らかな弾力。ああ見すぎですの、私としたことが。はしたない。で、でも、こんなものが隣にあって、私など、女と見て下さるでしょうか……


 最後の一枚を、脱げと。二人で頷き、先に静香さんに頼みます。私のショーツを下ろし、片足ずつ上げてそれを床に落とします。次に同じように静香さんのショーツを下ろし、彼女も足を上げ床に落とします。そうして裸の妾二人ができあがり、じっと見つめ合い、そっとキス。ふんわり。お互いをくすぐったそうに見つめて、ご主人様のほうへ直りました。


 局部も、隠せません。きちんと深町様に見て頂きました。なんだか少し暑い、汗をかいてきたよう。ああこんな匂い、王子様にはかがせたくありあませんわね。


 じっと、じっ……と、見つめられました。二人の胸、あそこ、顔、お腹、腕、太もも……くるっと回ってお尻も、と言われ、背中にお尻も、じっと見つめられたのです。これ以上ない、羞恥でした。ああ、恥ずかしい。でも、でも、深町様は私を女と、視線で教えてくれている。妾として誉れでした。いい気分だと、視線が言うていました。嬉しいのです。ご主人様を喜ばせるためだけの女として、最高の名誉でした。


 やがて満足したご主人様はこっくりと頷き、優しく囁きをくれたのです。


「先にどっちがやりたい? お前たちの好きな体位でしてやるよ」


「はいっ、せんせっ」


「……」


 もちろん、先を譲ります。自分からなど到底、言えませんもの。それに私は、あとがよいのです。先になどすると、激しい深町様に耐え切れませんもの。


「立って後ろから? それとも四つんばい?」


「四つんばいがいいです」


「よし、ベッドに来い、春花も」


 ぎし、とベッドをしならせ、その上に乗り上がる静香さん。ご主人様に丸見えの四つんばいをとり、お尻を向けて準備を整えていました。私もぎし、ぎしとベッドをきしませ……そっと腰をかけます。これから三人での、えっち。さぞ大変でしょう。けれど本日は、とっても優しくして下さると明言して下さいました。頑張るのです、春花。


「静香、もうちょっと下へ、そう。春花、静香の顔の前へお座り」


「は、はい深町様」


 言われたとおり枕のほうへ座り、目の前に静香さんを見ます。じっと目が合い、少し恥ずかしく逸らし、二人でご主人様のほうを向きました。


 ご主人様は静香さんの大事なところへ、舌を這わせていくところでした。すぐに軽く歪む、静香さんの表情。けれどそれは、男を求める女の、愛しい心の噛み締めでした。


「じゃあ春花、静香を触ってお挙げ。まあ、その位置からだと大事なところは難しいだろうし、私がやるよ。静香もできるなら触ってお挙げなさい」


「はいせんせ。どうぞ、春花さん」


「え、ええ……で、では、行きます」


 ごくりと喉を、鳴らし。えいと、目を閉じて頬に手添え、まずはキスをしました。


 淡い、淡い感触。女の唇は焼け付くものでなく、ただ甘いアイスクリームのように溶けていくだけ。それを味わいながら、そっと、手を彼女の肉体へ這わせてゆきました。


「ん……んっ、ん……はぁ」


「ん……」


 彼女の肌は絹のようで、触ると心地よく滑るのです。そう、その、胸も。柔らかくツンと張り、弾力抜群でした。若さでしょう。とっても、り、立派な、両の胸。男性をきっと満足させる、素晴らしいおっぱいでした。


「はぁ、せんせ、上から下から、責められてる……はぁ、ん……」


「どうだい、苦しい?」


「いい、え、気持ちいい、です……ん、春花さん、もっとキス、キス……ん……」


「ふふ、綺麗だよ、静香」


 請われるままに私はたくさん口付けを交わしました。本来殿方としかしないはずのキス、を、女性同士でこうも。深町様とは甘いムースの口解け、ではこちらは? なんとも言えない、不思議な新しいアイスクリームの味、でした。


「はぁ、ん、せんせ、しっとり責め、やさしい……感じちゃう……感じちゃいます、やさしすぎて、あん……っ」


 まあ、まあっ。はしたないですの。そ、そのような、思っても言うてはなりませんのに。


 女は愛撫で、よがっており、ました。最早ここで感じるほど、深町様に馴らされている。目が、潤んで、振り返っては愛を囁いておりました。


 すると王子様は、顔を伸ばして口付けを下さるのです。なんとお優しいのでしょう。するとにっこり、笑顔の静香さん。嬉しそうに続ける愛撫を、受けてゆくのです。ま、まあ。もう。わ、私も愛撫、しませんと。そちらの胸、ぐしゃぐしゃにしてやりますのっ。


「……あ、んっ、んっ……はぁ、んっ……うぁ、ん……はぁ、はぁ……」


 目が閉じられません。本来なら見ていられぬはずなのに、どうしてか目が閉じられないのです。先ほど二人で、じっと見られたためでしょうか。抵抗があまりなくなってしまいました。み、見てもよいですか? ああ静香さんは今それどころではないよう。や、やはり閉じていましょう。見るものでは、ああ美しい……


 喘ぐ、女は、美しい。責める、男も、美しい。見てしまうのです。閉じてなど、いられぬのです。ああ、首を振ります。私、いやらしくなっている。ぎゅっと目を閉じました。もう、見ぬように。


「見てやれ、春花」


「えっ、は、はいっ」


「綺麗な静香をね」


「もう、せんせったら……ふふ、どうぞ。お仲間ですもん。いいですよ?」


「……」恐る恐る目を開けると、にっこりのお二人が。すぐに喘ぐ、静香さん。あそこを攻撃する、深町様の水の音。い、いやらしい。見せるえっちなど。うう。で、でも、ですけれど、ご命令ですわ……ああ美しい……ここから見えるお尻は、まさに絶景ですの……


 ちゅっ。そんな折に、ふんわり口解け。ふふ、もう、静香さんったら。わかっておりますの。二人でいじり合いませんと、深町様が怒ることくらい。ちゅ、ちゅ、キスをし、互いに触れ合ってゆきました。静香さんの頭を撫で上げ、静香さんも、私の乳房に触れ、も、揉んで、く、っ、くれまし、たの……


 やがて準備が、整います。十二分に受け入れの準備が整った静香さんは、切れ切れの息で自ら嘆願したのです。


「お願いしますご主人様。どうかご主人様のたくましいモノで、あたしのいやらしいあそこに栓をしてください」


 十五の中学生は性の大先輩でした。す、すごいですわ。そこまで……言えるのですね、自ら。こ、これも深町様の調教の結果なのですね。ああすごい。はしたない、いやらしい。


「いいだろう、静香。よくできました。またお前で性欲処理してやるよ」


「はいっ。ありがとうございますご主人様っ。ぁっ……挿入ってきた、ご主人様が、ぁ、ぁ……」


 私は目を伏せ、静香さんだけを見ました。……襲われる快楽に歪む、女性の顔。とても嬉しそうに、ああなんと美しい、美麗な表情でしょうか。私はそんな彼女に思わず、そっと口付けを交わしました。なんと味が変わったのです。不思議なアイスクリームは、今は爽やかなオレンジの味、でした。静香さんの味、ですのね。そういえば奈々穂さんは苺の味でしたわ。人それぞれですのね……ん、ん……ふふ、おいしい……し、舌もですの? そ、そこまでは、少々、お待ちになって、ぁ……


 身体が揺れ、唇がずれました。深町様が突いたのです。力強く、みっちりと。お陰でキスが頬擦りに変わり、女二人は互いの唇を求めさまよう羽目に。彼女の身体が揺れるのでなかなかキスが難しく、ままなりませんでした。けれどそれも楽しく、互いの口を求めるのです。ふふ、ちゅ、と、ほっぺにもキスですの。どうですか、静香さん? ふふ。ぁ、やめ、手を伸ばさないで、私の胸など放っておいて下さい、な……片手ではバランス取り辛いでしょうに。ぁ、ん、もう、ふふ。私も触ってやりますわ、えいっ。ああ、素晴らしい弾力。触るとぷるぷる、弾けますの。深町様もどうぞ、ご賞味あれ。


「ぁ、ぁ……うぁ、ん……ん、んっ……はぁ」


「どうだ春花、いい胸だろう? 静香の胸は極上だろう?」


「は、はい深町様。とっても柔らかいですわ」


「もう、やめ、あん、ん、ふふ……」


「尻も極上だぞ、今日は渡さないからな。春花が攫いに来たら怒るからな」


「はい、深町様。私どもは唇と胸だけ、感じておりますの」


「胸は私にもよこせっ」「あんっ、せんせっ、急に揉んじゃやっ、感じちゃうっ」


「感じればいいじゃないか。春花に見てもらえ」


「やだ、はず、はずかし、ぁっ、ぁ、ぁっ」


 腰を持ちのしかかる彼が、静香さんを襲っております。そのリズムに応じた喘ぎの声。色っぽくありました。声を抑え、羞恥に歪む自分を、抑える。女として、私の考える普通が、そこにありました。静香さんははしたないと思わせつつも、淑やかな女でしたの。


 瞼の向こうも、優しさに満ち満ちているようでした。静香さんの喘ぎを聞くのは初めてですが、それがなんとも、満ち足りた幸福の調べであるように聞こえるのです。キスも楽しげで、かわいらしい。深町様とキスしたあとの間接キスなど、優しさがこちらまで伝わってくるよう。温かいものでした。これで手を繋げれば言うこともなし、と思いましたが、これは静香さんの夜。今はただ、私にできることをしましょう。まあ、すべすべの肌。うふふ。


「はぁ、はぁ、んっ……はぁ……ぁ、ぁ……せんせ、好き、好き……」


「私も好きだよ、美しい静香」


 声が嬉しいのが肌の感触でわかりました。私と同じですのね、ふふ。深町様の優しい響きに身を包むと、嬉しいお化粧となる。唇が艶やかに愛を囁いて、私と秘密の共有をしてくれました。


 気持ちいい、と。唇が教えてくれるのです。深町様に、王子様に貫かれて、気持ちいい、と。教えてくれていました。


 ……ぎし、ぎし……とともに、ぬちゅ、ぬちゅ……も、聞こえます。どうやら彼女も濡れているのが、聞こえてくるのです。やはり気持ちいいのですね。濡らすのですね。ふふ。殿方をもっと下さいと、するために。ええ、頑張って下さい、ちゅっ。応援します。


「はぁ、はぁ、ぁ、ぁっ……んっ、んー……うあっ……はぁ、はぁ、はぁ……」


「静香、気持ちいいよ……お前の身体は、性欲処理に抜群だな」


「はぁ、ありがとうございますご主人様。もったいないお言葉、はぁ、はぁっ」


「ん? どうした尻をくねらせて。ああ、叩いて欲しいのか?」


 まあ、まあ。ひどいお人。あ、唇が外れ、下へ向かい、こくりと、頷いていました。


 パシンッ! 激しいひっぱたく音が、室内を飛び交いました。もう一度。静香さんの身体ががくがくと揺れ、でもと、喜びを露わにしておりました。


「ごめん、痛かった? 悪い、優しくすると言ったのにな」


 すべすべ、今は優しく撫でているよう。でも、静香さんはふるふると首を振ります。ちゅっ。逃がしませんの。


「い、いいえ、うれしいです。お尻、あん、撫でられても叩かれても、か、感じるんです」


「へぇ、そう。今はどうされたい?」


「……な、なでなでが……」


「わかった」


 性欲処理係の望みを叶えてくれる、なんとも素敵なご主人様。ふふ、嬉しいですね静香さん。もっとご満足されるよう、はい、いっぱい口付けを交わしましょう。ぁ、ん、おっぱいはめっ。です。私だけ触りますわ、ふふ。いい格好ですの。


「今日も綺麗にしてあるんだろうな、静香」


「はい、ご主人様。どうぞお好きなように」


「うむ、よろしい」


「ぁっ……ぁ、ぁ、ぁっ……ん……」


 ……わかりますの。お尻の、あ、穴ですのね。まあ、まあ。かすかに震えております。でもと、それを押さえるために負けじとキスをします。舌、どうぞ。今ならよいですわ。ん……はぁ、性の味……オレンジもこんな、夜の味がするのですね……


「うぅん、きちんと勉強したほうがいいかな……もう、指は大体入るし、そろそろ平気かな……どうだい静香、苦しい?」


 ふるふる。でも涙が、少し。我慢するのもよいですけれど、苦しいなら言ったほうが殿方は喜びますわ。


「そうか、ならもう少しだな。今日じっくりほぐして、次回辺り試しに挿入してみようか、いいね?」


「は、は、はい、ご主人様」


 とうとう来たのですね。と、というより、まだでしたのね、お尻を、その、使うのは。先の口ぶりではもう既にかと思っておりましたわ。


 そうして、王子様の指が、縦横無尽に彼女のお尻を動き回ってゆきました。私はその間、ただただキスをし続け、胸を触り続け、よしよしとなだめるように撫で続けるだけ。でもそれだけでも、彼女の震えは少し落ち着いたようでした。少し、嬉しい。


 やがてご主人様がもういいだろう、と思ったところで。本日の妾のお勤めです。


「はい、わかりました。えっと、ふふふ、うれしいなぁ。あたしは、あなたのものです。どうぞ好きにして、くーださいっ、へへっ」


 なんと嬉しそうに奴隷宣言をするのでしょう。うふふ。私どもはみなこうですわね。うふふ。しょうがありませんわね、深町様の御技ですの。言えと、言わせられる。なんとも、誉れですわ。


「じゃあ
膣内射精(なかだし)だ。いいね? 避妊もせず節操なしに犯してやろう、嬉しいんだろう?」


「はいっ、うれしいですっ。ありがとうございますご主人様っ、あんっ



 心底嬉しそうに喘ぐ静香さん。私も目を閉じたまま微笑み、そっと口付けをし続けました。ぬちゅぬちゅがはびこり、王子様の責めが最大に近くなってゆきます。唇が滑り、あちこちを泳ぎ回りました。でも、二人は笑顔で、お互いの愛撫を続けるのです。


 ご主人様が、それ以上の愛撫を、大事なところにしてくれているのだから。硬く尖った棒が、あんなにも擦れている。それが揺れる肌越しに伝わってきました。そして快感を女性へ運んでいると、こんなにもわかるのです。ああ、素晴らしい。性はよいものですのね。二人に、いえ三人にとって。


「ぁっ、ぁっ、ぁ、ん、はぁっ、はぁ、ご主人様っ、好き、好きっ。今日ほんと、やさしっ。あっ」


「私も好きだよ、綺麗な静香。お前の身体、気持ちいいぞ。よくここまで綺麗にしたね、褒めてあげる」


「ありがとう、ござい、まっ、へへ、ぁっ、う、ぁっ、んっ、んっ、はぁ、はぁ」


 息が段々途絶え途絶えになってきました。そろそろ、静香さんも限界なのでしょう。私は一層なでなでを柔らかくし、備えるよう口で教えました。舌がはいと返事をし、身構えているとぬちゅぬちゅが激しく、なり……


「射精すよ静香っ、中学生にっ、いいなっ」


「はいせんせっ、どうぞっ、あんっ
 …… ぁ、ぁ せんせ いっぱい うふふ…… はぁ、うれし…… あん


 最大限に突き刺し、揺れる静香さんに精が、注がれました。……きっとどくどくと注がれていることでしょう。よかったですわね。ふふふ。ご主人様のご寵愛を受け賜り、ほんに性欲処理係として、誉れですわ。うふ。妾女房でもありますけれど。所詮私たちなど、正妻に比べたら性欲処理係でしかありませんものね。うふふ。


 びくびくと震える静香さん。それがどうにか収まった頃、ずぽっと、まあ、うう、聞こえてしまいましたわ。抜ける音……はぁとため息、艶やかに。静香さんは崩れ落ち、力尽きたかのように寝そべりました。私と同じですの。


 その彼女に、ちゅっ。と。二人ともがキスをあげました。よくできましたと、頑張りましたわね、のキスですの。うふふ。


「はぁ、はぁ……せんせ、今日やさしすぎて大変でした。はぁ……」


「え、そう? え、え? ほ、本当?」


「はい。はぁ、はぁ……や、やさしすぎて、いっぱい感じちゃって、大変でした。もう。やさしすぎて、じっくりえっちしてもらえて、今日、イッちゃいました……あ、あたし、いっつもじゃあないんですけど、今日はさすがに、すごく気持ちよかった、はぁ……」


 うっとりと嬉しそうな宣言。まあ、そうでしたの。その、性で、絶頂に達するのは悪いことではありませんものね。羨ましいですわ。


「なんだ、それならいいや。感じて大変だろうけど、これからもお前で処理させてくれよ、静香?」


「はい、ご主人様。はぁ、ふぅ、はぁ……」


 ゆっくり、うっすらと目を開けると、真っ赤に染まった静香さんが、美しく事後のはだけた姿を晒しておりました。まあ、まあ。うふふ。よかったですわね。私はそっとシーツを彼女にかけてあげました。お疲れ様ですの。


 そんな彼女を撫でながら、深町様は言います。


「じゃあ春花、綺麗にしてくれ。もう、お前もわかるだろう?」


「……はい、ご主人様」


 鎮座する殿方の局部。事後だというのにあれほどそそり立つ、異形のもの。わ、私は若干おののきつつ、そちらまで身体を近付けました。


 直視しなければ、位置もわかりません。薄目でそっと見、あまりの仰々しさに小さく悲鳴を上げ、でも、でもと……顔を、寄せてゆきました……


 ごくりと、白濁液の滴る、尖った棒を見つめ。いやらしいそれへと、口を、近付けていきました……


 嫌でなど、どうしてありましょう。ご主人様の言いつけを守りたい、妾の本分がそこにあるだけですのに。勇気を持って、ひと、くち……!


 熱いマグマに、触れました。思わず飛び上がり、手で口を押さえます……どろ、とした液体が、付着している……勇気を、勇気を絞って、それを、口の中へ含み、ました。


 苦い、性のとんでもない味が、する。くらくらしてきました。おいしいとまゆさんも言うので少し、期待していましたけれど。なんのことはない、ただ苦々しいだけの液体、ですの。はぁ、でも、なんだか、まろやかに感じます、わ。飲め、そう。ごっくん。……! 飲み込みました。ああ喉に、ああなんて絡む、濃厚な液体……! けほ、けほと少しだけむせ、すみませんご主人様と残りを綺麗にすべきと、再度口寄せ、舌を這わせ……舐め上げ、綺麗にするたびに、恍惚とした服従感に包まれました。ああ、嬉しい、と。そうして王子様の大事なものを綺麗にしてあげている、充足感にも。ぺろ、ぺろ、と舌で拭き取るたびにえも言われぬ幸福が裸足で駆け巡っていくようでした。嬉しい。どうですかご主人様? き、少しは、気持ちいいですか?


 なでなで。にっこり。うふふですの。うふふですの。


「はい、ん、き、けほっ、けほっ……綺麗に、ん、なりました、わ」


「うん、よくできたね。ありがとう」


 ちゅっ……なんとまあ、あそこを舐めさせた直後だというのに、口付けを……下さるのです。王子様は優しいと相場が決まっていますが、この方は最早別格ですの……


 気持ちいい、ですの。嬉しすぎて。心地よい、ですの。


「ん、ん、ふぁ……ん、さま……さま……」


 貪ってしまい、ました。情けのない女です。


「はぁ……あ、あの、いつもこのような真似を?」


「ん? 変かな? キスしたいときにしてるだけなんだが。みんな変な顔するんだ。なんでだろう?」


 当たり前ですの。その、直後ですの。どうして平気なのでしょう。自分の、その、いちもつと、間接キスですのに。


「さて、じゃあやろうか、春花。春花は普通のやつが好きなんだよね?」


「え、あ、はい」この話はもう終わりですの? その、毎度これでしたら、私、く、咥えるのもやぶさかではないといいますか、こほん。


 まゆさんが誇らしいと、おいしいと言うのも。ほんの少し、わかる気がしますの。


「今日は頑張って優しくするつもりだよ。ほら、横になって」


「はい、王子様」


 静香さんの右隣に仰向けになります。脚を閉じ、胸とあそこに腕を置き、隠しながら。先ほどあんなにじろじろと見られたのに、どうしてかまた恥ずかしく思うのです。女の不思議ですわ。


 くすりと王子様が笑います。「なんだい王子様って。変だな、春花は」


「あ、あ」しまったですの。つい、口が滑ってしまいましたの。うう、どうしましょう。で、でも。「わ、私にとって、あ、貴方は白馬の王子様ですの」


「……そ、そんな恥ずかしいこと、真顔で言わないでくれよ」


「いいえ、白馬の王子様ですのっ。ですわよねっ、静香さんっ」


「ふふ、うんっ。せんせは、はぁ、白馬の王子様なのっ」


「……は、恥ずかしいから、あんまり言わないでくれるかな。ははは」


「そうですか? でしたら、こっそり言いますわね。どうぞ王子様。性欲処理係を、使うてやって下さいまし」


「ああ、任せろ。静香、回復したらでいいから、また春花と仲良しになってくれないかな。できたらでいい」


「はい、せんせ。ふぅ、もうちょっとしたら、なんとかなりそうです」


「まあ静香さん、お休みになっていて下さいな。先ほどの深町様との営み、お優しくも激しく存じ上げますわ。大変でしたでしょうに」


「でもせんせの言うことです。守りたいな」


 まあ、それもそうですわね。ふふ。私どもは微笑み、二人でこつん、と、おでこをくっつけました。お仲間ですの。


「そういえば春花は、ここを舐められるのって嫌だったっけ?」


「いいえ、そのようなことはありません。夜の技と言うのなら、どんなことでもお受けいたします、ご主人様」


「お前までそんな呼び名でなくともよいぞ、好きに呼ぶといい」


「ありがとうございますご主人様」わぁ、苦笑されてしまいましたわ。うふふ。でも呼びとうございますの。お願いしますわ。


「まあ、やったかもしれないし、今さらか。今日は優しくすると決めたし、なるべく嫌なことは避けたいんだが」


「嫌なことなどありませんわ、ご主人様。貴方様との性は、どのようなことでも、受け入れる覚悟はできておりますの」


「……ありがとう。じゃあ、舐めるよ」


「はい……っ、ん……っ」


 王子様の舌が私の女性に侵入して参りました。とても優しく、しかし舌は熱いままに。はぁ。女を舐め上げられると、どこかぽつぽつと雨に打たれたように濡れてくる、のです。舌はとても心地よい雫を運んでくれました。それが……そう、私の元からだと、無視するのは些か難しい、ほどに。


 もうしっかりと目は閉じます。ただただ閉じた暗闇の向こうに、王子様を感じるのです。今手が胸にやって来、上の腕をどかそうとしておりますわ。ふふ。殿方を焦らすのも婦人の努めですの。少しじれったく抵抗し、強めにどかそうとするときに一緒にどいてあげるのです。そうしてのぞいた、私の乳房を。ゆったりとこねあげていかれました。ああ、いやらしい。胸も大好きなご仁、どうしてか執拗に、胸の先をこね回すのです。ふふ。どうぞお好きに、っ、はぁ、深町様……


「ん、ん……ぁ……ん……」


「へぇ、やっぱり春花さんも我慢するんだ、声。ふふ。我慢しますよね、声、出したくありませんもんね」


 ええ、それはもう。こくこくと頷いてしまいましたわ。恥ずかしい。恥ずかしいのです。自分のいやらしい声を聞くなど。男性はどうしてなにも言わずとも責めができるのでしょう。不思議ですわ。聞かせるはただ、甘い言葉だけというのは。卑怯ですの。そんなこと言われたら、喘がざるを得ませんの。


「たまには聞かせてくれていいぞ、春花の透き通った声。なぁ?」


「……」ふるふる。


「そうか。残念だ。ところでもう、挿れていいかい? 春花の準備は整ったようだ」


「……はい。いつでもどうぞ、ご主人様」


 優しい愛撫に、あっという間に濡れるのです。それくらいは私も開発が進んでいるのですわ。本当に気が付くと濡れているのです。愛撫が心地よい、と、思っているとすぐなのです。さすがは深町様といったところでしょうか。


「いくよ……」


「ぁ、ぁ……ぁぁ……ちさま……うじさま……ん……」


 するすると入る、尖ったもの。私の女性を苛めて……くる。ぐちゅぐちゅと……侵攻し……やがて私をすべて埋め尽くしてくれました。誉れですの。うふ。


 そうして、ぬっちゅぬっちゅ、動いてゆきました。ゆっくりとまずは、お優しく。私にぴったりのペースで。ふふ。本日はとみにお優しゅうございますのね。私が楽なように動いてくれ、助かっております。妾の癖に、ふふ。はぁ、いい気持ち。ゆっくらゆっくら、舟を漕ぐように突かれると。じんじんとした心地よさが身体中を支配するのです。ええ、あそこから……身体中へ、抜けるじんじん……ああ、き、き、き……いい……


「ん……ん……ん、っ……はぁ、さま……っ」


「わぁ……すっご、春花さんの胸、めっちゃくちゃたぷんたぷん揺れてる」


「い、や、そ、そのような! だ、黙って下さいまし」


「春花の胸、とっても揺れて私を愉しませてくれるぞ、素晴らしい」


「やっ、嫌ですの。恥ずかしいっ。言わないで下さいなっ」


「褒めてるんだ、ほらっ、突くと、揺れる。見てて興奮するよ、春花の身体」


「そ、それはありがとうござい、っ、ますわ。け、けれど、っ、そのような恥ずかしいこと、どうかお許しを」


「言ったろう、お前の身体の感想は言わせてくれよ、お願いだ。な?」


「……うう……」


「綺麗だよ、春花」


「……ありがとう、っ、ござい、ますわ……」


 ありがたく受け取りましょう。王子様が言うて下さるのです。ありがたく、恥ずかしく。うう、私も目を開けられるのなら、王子様の素晴らしい肉体美を表現してあげられるというのに。


 いえ、見ずとも。逞しく輝ける肉体がそこにあると、確信できますわ。ええ、言いましょう!


「ふ、深町様、っ、も、お、お綺麗、ですわ」


「ん、そう? ありがとう」


 ゆったり、ゆりかごの動きで貫かれる……ので、言えるのです。今しかありませんわ。


「と、とっても、ん、はぁ、はぁ、激しくって、お美しく、はぁ、はぁ……そ、それから、凛々しくて、立派に実った、肉体ですの」


「あ、ああ、そう。ありがとう。ふふ。お前にも言えるぞ、春花」


「そ、そんなとんでもない。はぁ、はぁ……ん、け、けれど、貴方様のために実った身体であることだけは、本当ですわ」


 まあ、にっこりが瞼の裏から、ぐんぐんと届きましたの。


「ありがとう。嬉しいよ」あ、ああ……はちきれんばかりに、ぼう……! はぁっ。た、大変ですわ。二回目だというのに、男性はまたお盛んに激しく、はぁ、はぁ……


 私で盛る、誉れ。嬉しくも厳しく、はい。大変ですの。またぬっちゅぬっちゅ、動いて、ああ擦れて、ゆき、ます……じんじんが、届くのです。届くのです。じん、じん……


 心地よい、疼痛でした。


「お前の実った身体、好きにできて嬉しいよ。うん、実っただけある、気持ちいいぞ、春花」


「はぁ、ありが、はぁ、はぁ……ふぅ、さま……き……き……き……」


「うん、ありがとう。私も好きだよ」ちゅっ。うふふ。ありがとうございます深町様。ああなでなで……き、気持ちいい、ですわ。えっちの気持ちいいとは、少し違いますけれど、心地のよい、なでなで。はぁ……


「……春花さん、すっごく綺麗……色っぽいし、はぁ、敵わないなぁ」


「そ、んな、っ、とんでも、ぁ、ありませんの。静香さんにこそ、おばさんは、っ、敵いませんわ、っ」


「そんなことないですよ、ふふ。でもありがとうございますね」ちゅっ。ああ、女の唇。「でもせんせ、よく春花さんなに言ってるかわかりますね。あんまり聞き取れないのに」


「え、そう? はっきり聞こえるよ、春花の囁きはね」


 ええ、王子様は聞き届けて下さいますもの。私のささやかなさざめきを、きちんと。素晴らしくお優しい、気遣いの表れですの。


 がっしり、あちらの右手とこちらの左手を繋ぎました。「こうするともっとよく聞こえる。身体の振動が伝わってね」がっしり。うふ。貴方様を感じる……


 昂ぶりが指の先から、増してゆきました。


 さらと、ベッド一面に広がる私の髪を、梳かしても頂きました。髪も大好きなお人。嬉しいですわ。


「あと、そうだ脚を絡めるのも好きなんだろう? いいぞ、やりなさい」


「はい、ご主人様」


 ご命令どおり、少々はしたなく、女のほうから両脚を絡めにゆきます。逞しいお背中を感じますわ。うふ。き、き、き……いい……


 動いて、ゆきました。ゆったり、ずんずん、少しずつ早く、なり……王子様の硬いものが、私の女性と擦れてゆく……甘い刺激が広がってゆきました。ええ、あそこから。全身へ。


 これは? この感覚、気持ち……ああ、どうしましょう。認めませんわ。決して。ああ……き……いい……きも……ちいい……はぁ、はぁ、うふふ……繋いだ指の先、絡めた脚の間から、感じるもの……えっちの一体感……これは、これは? 気持ち……いい?


 気持ちいい、の?


「あっ」やだ、声が……! 恥ずかしい! 抑えなくちゃ、閉じなくちゃ。「ぁっ、ぁ、ん、ん……はぁ、はぁ」


「春花、かわいいぞ」「うん、かわいいぞ」


「お、お二人ともおよしに、ぁっ、ん、ん……はぁ、はぁ……はぁ、はぁ……」


「じゃあせんせ、今から参加しますね。えいっ」


「っ。ん……」両胸を、静香さんの両手が覆いかけました。けれど大きいだけが取り柄の、私のバストはそれには収まりません。そこをまた、楽しそうに揉ま、揉まれ……っ。


 つか、突かれ、るのです。揉まれながら、突かれるのです。はぁ。解けてしまいそう。こんなにも硬く立派なものに貫かれて、解かされそうですわ。ああ、き……いいえっ、ぶんぶん、女の悦びですのっ。それと気持ちいいは別ですのっ。女として誉れの、悦びではあるにせよ、それが気持ちいいでは、安易に快楽と結び付けてはいけませんのっ。ああ、気持ちいい。なでなで……で、でもこれは、えっちの快楽では、快楽? ああもう、なにもわかりません。突かれる女の悦びに、求められる女の悦びに頭が真っ白になってゆきます……ぁっ、ぁっ。


「さまぁ……き、っぱい、き……ん……」


「私も好きだよ、美しい春花」


 それから三重苦の責めが、私を襲いました。唇が二人、代わる代わるキスを奪ってゆくのです。それから胸も、二人が代わる代わる揉んで、舐めて、ああいくのです。二人とも私の胸の、その、先を、変化してしまった先を、苛めるのです。最後に、あそこ。あそこは一人の殿方のみが苛めるのですが、その苛め方があまりにも優しくて、嬉しくて気持ちよくて、濡れているようでした。殿方の責めが、心地よい、と。身体はそう、反応しているようでした。何度も馴らされたのです。当たり前なのです。開発されたのです。私の呼吸に合わせて動かれるのです。こんな誉れはありませんでした。気持ちいいはずです。ああもう、気持ちいいのです。旦那様と繋がることは、気持ちがいい。えっちの気持ちいいとか、それはわかりませんが、とにかく。気持ちいいのです。私は自らくねくねと、脚を絡め外さぬよう苦心していました。繋ぐ指先から感じる重力に身を委ね、感じてくる届いてくるじんじんとした疼痛に頭を痺れさせてゆきました。そうして……動くのがしばらく、続きます。私は最早、息も絶え絶え、疲れ切っていました。


 感じ続ける、じんじんに。おかしくされたのです。


「はぁ、はぁ、はぁ……さまぁ……き、きぃ……はぁ、ふぅ、はぁ、はぁ……さまぁ……っぱい、いっぱい……きぃ」


「私も好きだよ、春花。いっぱい濡れたね」


 汗で? はい、濡れましたわ。涙でも、はぁ。みっともないですの。


「さあ、もう一頑張りだ。言ってくれ、私を興奮させる魔法の合言葉を」


「はい、ご主人様。はぁ……」息を整え、自分で考えた殿方を誘う言葉を、告げます。先ほどの静香さん同様に。


「私は、身体の芯から、心の底まで、貴方様のものですの。どうぞお好きに、さばいて下さいませ」


 ぐぐっ……! はぁ、おやめに、お許しを……! か、かた、おおき、く……! こ、壊れますの! 私の女性が、壊れて、赤ちゃん産めなくなってしまいますわ!


「わかったよ、好きにさせてもらう、私のかわいい性欲処理係、春花」ごりっ、ふぁぁっ。あ、ああ、ああう……あう……強い、ですの。惚れてしまい、ますの。あう。


 頭がきんと、鳴りました。女の……悦びで。満たされたのです。


「お前はかわいいよ、春花。孕むといい、私の子を産めっ」


 きぃん……!


「はいっ、ご主人様っ
 ありがとう、ござ、はぁっ! はぁ、はぁ、はぁっ」


「……いいなぁ……」


 わ、私も先ほどいいなぁと思いましたの。羨ましいと心から思いましたの。お互い様ですわ。ふふ。あっ、あっ、もう、はげ、はげし、激しい……! はぁ、はぁ、はぁっ……ああ、もう……そんなに大きくして、許して下さいな。とても耐え、られ、ま……っ。


「はぁ、はぁっ……ぁ、ぁ、ぁ……ん、ふぁ……ふぁ、う……んっ、ん……ん……」


「春花……」


「さま……ん、ん……」


 キスがムースが、降り続け。甘いアマリリスが、鳴り続け。私の頭はきんと鳴るばかり。そうして、決してえっちのではない気持ちいいが、身体を支配してゆくのです。ああ、いい気持ち、と。お風呂に入ったあの気持ちいい、とはまた違いますけれど、決してえっちの気持ちいいでは、ないのです。ご主人様。私は淫らではないので、捨てないで下さいまし。ああ、あ、あ……擦れてる……膣でもう、何十回と……私、私……嬉しいですわ……間違いなく女の悦び、ですの……気持ちいい……舌を交わすのも、胸を静香さんに揉まれるのも、王子様にも、なでなでも、脚を絡めるのも、重力を感じるのも、髪をさらさらにされるのも。すべて。


 やっぱり口付けが、一番。そうして……


「春花、射精すよ、いいなっ。受け取れっ」


「はいご主人様っ。んんっ
 ふぁぁ はぁ はぁ、はぁ 深町様…… 大好き はぁ、大好き はぁ はぁ


 どくどくと、赤ちゃんの素を注いで頂きました。こんなにも大量に……! どくどくどくっ
 はぁ、はぁ。こ、壊れてしまいますわ。身体がびくびくと跳ね上がり、弓なりにしなってしまいましたの。こ、壊れそうになったのですわね、もう、射精が、つ、強すぎて……私は一段ときんと鳴る頭がぼやぼやとし、一段と強く脚を絡め赤ちゃんの素を必死で繋ぎとめようとしました。ぼうっと、片手が背中に手を伸ばしており、片方は王子様と繋がり、重力のままにしっかりと。そうしてぽうっとしたまま目を閉じ、えいと唇を突き出す、はしたなさ。でも王子様はキスをくれるのです。うふ。幸せでした。……どくっ、どくっ……どく、どく、どく……どくどく……どく……どくどくどく……


 長い長い、射精。受胎の時間。はぁ。ため息。見つめる、目を開ける太陽。にっこり。


「……前にも、はぁ、んっ、じ、自分で考えたこと、はぁ、ですけれど」


「なに?」


「……できてなかったら、ぶって下さって結構ですわ、そのような情けない端女など……こんなにも優しく愛されて、子を授かっていないつまらない女でしたら、ぶって捨てて下さって結構ですわ」


「前にも言ったかもしれないが、ああ、こっちが考えてたことだけど」


 ぐいと、目と目が触れ合う、ぎりぎりの距離へ。「私はお前を一生抱くつもりだよ。一生離れるな、離さない。捨てたりなどしない、絶対にだ。いいな?」


「……



 お股が、くねくねします、の。ああ、なんだか、ぽわぽわ、ふわぁ……


「春花さん、今ので感じたでしょ」


「そっ、そのような」


「ああ、締め付けたね。まだ抜きたくないなぁ。二回戦やろうかなぁ」


「そ、そんな……お、お許しを、もう、く、くたくたですの。お気持ちは妾冥利に尽きるほど嬉しいのですが……」


 未だ、深町様と通じて、ふらふらにならなかったことなどない、情けのない女。体力がなぜつかないのでしょうか。バレエでは足りないのでしょうか。ああどうしましょう。


「ふふ、冗談だよ。今日は優しくすると言ったろう。お前たちに無理は通さない。ゆっくりお休み」


 ずる……抜け、ました。はぁ、はぁ。なんだかずっしりと心地よい重石がどかされたよう。ほっと安堵するとこぽこぽ……大量の白い、大事なものが零れてゆきました。ああ、残念。それでも、膣内に残ったほうの多さといったら、筆舌に尽くしがたいほどでしょう。ああもう、大変ですわ。


「……」


「し、静香さん、見ないで下さいまし」


「あ、あの、えと」


「ふぅん? 静香のときは春花は全然だったけど、静香は違うんだね。ふぅん。いいよ静香、命令してあげる。春花から零れたものを、舐めて拭き取れ」


「はいご主人様っ。へへ、いきますねっ、春花さん」


「そ、そんな……! ぁっ、ふぁ、ふぁぁ……っ」


 私の下腹部を静香さんが舐めてゆきました。ああなんと恥ずかしい……! ああもう、大変ですわ。三人でなど。さんぴいでしたっけ。今日はお優しくですから言わずとも済みましたけれど。あ、あ、ん……ぺろぺろと、零れる白濁液を綺麗にしてもらいました。くすぐったく、恥ずかしい。もう。


 こく、こくん……飲んでおり、ました。


 更に彼女は言われるまでもなく、深町様の局部へも向かい、そこでもぺろぺろ……すごいですわ、はぁ。綺麗に舐めとり、うっとりとさえしていますの。ああ、私は至らぬ女。手伝えもせず、ああ。はぁ。


「はい、綺麗になりました。せんせ、珍しいですね、撮らないの」


「春花は恥ずかしいだろう、今日は優しくと決めたんだ」


「まあ、ふぅ、ありがとうございますわ」


「ふふ、あたしはどんとこいなのになぁ。せんせったら、やさしいっ」


 とぶつかるように抱きつきました。ほんに積極的なお人。あれほど貞淑なのに、それ以外ではずいぶんと前に出られるのですね。ああこのようになりたいですわ。ええ。


 それから三人で仲良く(恥ずかしく)後処理。私はあまり動けませんでしたけれど拭くくらいは。そうして、右に静香さん左に私、間に旦那様でシーツにくるまりました。


「ずいぶん汗かいちゃいましたね。ふふふ」


「ああ、汗だくだ。もうひとっぷろでも浴びてくるかい?」


「いいえ、もう寝ちゃいます。このままいい気持ちで寝たいんです。ね、春花さん?」


「あ、ええ、わ、私はどちらかといいますと、そこまで歩くのも無理かと思いますので」


「なんだ、いつもそんなに疲れるのか? どうしてだ?」


「ふ、深町様が激しいからですわっ。大変ですの。毎度毎度」


「あ、そ、そう。ふぅん。今日はなるべく優しくしたつもりだったんだけどなぁ」


「はい。いつもよりは楽ですわ。とっても温かかったですの。けれど、なぜかくたくたになるのです」


「ふぅん、大変ですね。ね、せんせ、いつもの」


「ああ、いいよ」


 いつもの、ああ、本日の言葉ですわね。胸に旦那様のお手を拝借するとよく寝られる。なんとなくわかりますわ。大事なところに大好きな人を感じると安眠できる。わかる気がしますの。わ、私も、小指をそっと握ったままだとよく寝付けますもの。


「今日はとびっきりやさしく、ありがとうございました」


「ありがとうございましたわ、深町様。とびっきりお優しく、嬉しゅうございました」


「こちらこそ、二人とも気持ちよかったぞ。二人がキスするのも触り合うのも、見ていてとても興奮したしね」


「まあ」「へへ」でしたらよかったですわ。


「春花さんもイッちゃったでしょ?」


「……え?」


 まあ、なにを言いますの。性の快感ですらまだ覚束ない私が、そのような。


「ああ、春花も頑固だねぇ。絶頂に達していたよ、まず間違いなく」


「……え」


 ぱちくり。目を瞬かせますの。


「身体がね、絶頂に達しましたって、なってたよ。な、静香」


「はい。きっと達してたんだと思いますよ。あたしもおんなじ感じですから」


「……そ、ばん、そんなバカな……う、嘘と言うて下さいな、嘘と」


「いやぁ、どう見ても、ねぇ?」「はい」


「……」


 さぁーと顔が青くなります。ま、まあなんてこと……あれが、あのきんと鳴る感じが達する? 絶頂? まあ……た、確かに今日はここ一番の心地よさでしたけれども、びりびりもしましたけれど、まさかそのような……


「むむ、春花は自覚はおろか、きちんと教えないといけないみたいだな。貞操観念が強すぎるぞ」


「そ、そのようなっ! ありえませんの! た、確かに心地よくはなってきておりますが」


「春花、私の言うことが信じられないのか?」


「……いえ、そういうわけでは……まあ、でしたら……まあ」


 私、初めて達しましたのね……そ、そのほうが子作りによいと、どこかで聞きましたから、よいことですのね、まあ……


 深町様と、大好きな殿方と愛を育んだ、結果。ですのね。そうですのね。まあ。両手を頬に当て、ぽっと、少し赤くなります。これでまた一歩、階段を上ったのですわ。


「……私、淫らではないでしょうか? これぐらいで達するのは、順当でしょうか?」


「とんでもない、普通だよ。これぐらいこなせばね。特に私と春花はとっても仲がいいから、気にすることはないよ」


「せんせ、床上手さんですもんね」


「ええ、それはもう」


 お仲間二人、くすりと笑います。ふふ。


「そうかなぁ、普通だと思うけれど。まあいいや。よかったね春花。これからもお前を愉しませてやるよう、頑張るよ」


「は、はい。どうぞお手柔らかに」


「うふふ。せんせ、あたしもあたしも」


「もちろん、静香もね。じゃあ寝ようか。お休み」


「おやすみなさい、せんせ」「お休みなさいませ、深町様」


 とても……気持ちよかったですわ。うふ。またよろしくお願いしますの。


 そっと小指を、つまんで。


 私の……旦那様……ふふふ。
















































































 第六十四話あとがき的戯言。




 こんばんは、
三日月(みかづき)です。


 本日の弱音・もうおしまい。


 さて、カラオケも終わり、日付は進もうとしています。まあ、次回はまだ自己紹介させた組が残っているのでまだですが。本日のお休みを過ぎるともうすぐ作中ではお盆です。特になにか考えているわけでもないのですが、八月も半ば、野外露出も一区切りとなるので、一応節目かなと。お盆、どうしようかなぁ。二回目の野外露出、張り切らないとなぁ。


 カラオケといえば、春花さんは鬼束ちひろさんが好きなようですね。憲邇さんはサザンやラルクです。絵里さんはプリンセス・プリンセスです。花雪さんは洋楽なので私はよく知りません。あ、でも作者もマイケル・ジャクソンは好きです。今夜はビート・イット。


 それはそうと、憲邇さんはバニーさんが好きみたいですね。あとチアリーダー。彼に言うと真っ向から否定しそうですが、まあそれはそれ。男の人なんてそんなもんでしょ。


 コスプレえっちを期待された方はごめんなさい。でもコスプレとえっちって、必ずしも直結するものじゃあないと思うのですよ。ええ。いや官能小説でなに言ってるんだこいつ、となじらないでください。お願いします。あとで必ずありますから。どれくらいあとかは知りませんけれど。


 それではここまでお読みくださりありがとうございました。また次回もよろしくお願いします。




 
20110510 三日月まるる





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テーマ : 官能小説 - ジャンル : アダルト

2011/10/01 22:54 | 小説COMMENT(0)TRACKBACK(0)  TOP

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