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「ごめんなさい」その六十九_第六十六話_メイド服でご奉仕合戦!

 こんばんは、三日月です。
 奇跡の毎週更新が続きます。この調子でストックが程よく消費されるまで続きたいものです。
 拍手コメントメール、ありがとうございます。励みになっておりますです。
 それでは第六十六話です。どうぞ。




















 六十六 メイド服でご奉仕合戦!








 どうしてみんな
憲邇(けんじ)さまに言われてすぐ動かないのかなぁ。みゆ、すぐ動いちゃうなぁ。体が勝手にぴゅんって、動いちゃうの。あ、でも、そっちのほうが憲邇さま喜ぶからなのかなぁ。お母さんとか、すごくじれったくやるもんね、スカートめくり。そっちのほうが憲邇さま好きなのかなぁ。で、でもみゆは、言われたらすぐぴゅんて、動きたい。憲邇さまのじゅうじゅんなせいどれいなんだから。


 みんなみんなでめいど服なの。それで、憲邇さまのお帰りをおでむかえ。そしたら憲邇さまがすぐスカートめくりなさいって言ったから、みゆが一番にめくったの。みんなおろおろしてると、憲邇さまが早くしなさいってやさしく言ってくれたから、みんなも立ち上がって、いっぱいの色のぱんつを見せるために、スカートをめくっていったの。


 憲邇さま、お帰りなさい。みゆたちみーんな、めいどさんです。見たいってこの前、言ってましたもんね。ど、どうですかぁ? か、かわいいですかぁ? ぱ、ぱんつも、いいのにしましたからねっ。憲邇さまに、いっぱい見てもらうために。


 みんなが言うとおりスカートめくったところで、憲邇さまはにっこりしてくれた。


「よろしい。よし撮影しよう。携帯でいいや、そのままで」


 憲邇さまがえっちのケータイを取り出す。それでみゆたちみーんなを、写真とっちゃうの。ぱしゃっ。えへへ。みゆ、かわいくとってくださいね。


「……ん、あ、ちょっと
花織(かおり)ちゃんまでやらなくていいんだよ」


「サービスですの。うふふ。ご安心を、あなたさまのあいじんになる気はありませんわ。ただこんなにすばらしい衣装を着られるチャンスをいただきましたもの。これくらいしますわ。ああでも、えっちはいけませんわよ?」


「ああ、心得ております。ありがとう。眼福です」


「がんぷく?」


「ああ、目にすごくいいものが映ってるなぁってこと。よし、花織ちゃんはいいよ。下ろして。ありがとう。それ以外はそのまま、しばらく私の目の保養をしなさい」


「はい、ご主人様」


 わぁ、みんないっぺんに言うのに、ぴったりだ。うふふ。目のほようって、見たいってことだよね。みんなほほえみながら見つめあっちゃった。あわわ、みんなのぱんつ見ちゃった。えっちっ。


 まっしろ、黒いの、ピンクいの。青いの、緑いの、しましまなの、いっぱい。


 ……と、特に
千歳(ちとせ)さん。ううう。えっちだぁ。憲邇さまのおしおきだって二日前にわかったけど、ううう。ひどいんだ。こんなのやらせるの。この前は広子(ひろこ)さんもやってたし。ぱ、ぱんつはかせないの好きなのかな。ううう。どうしてそんなえっちなことばっかり思いつくんだろ。や、やがいろしゅつとか。猫さんえっちとか。


 猫さんえっちなら、みゆ、いくらでもやるけど。ぱんつダメだよは、ちょ、ちょびっとやだって、言っちゃうかも。恥ずかしいよ。ね、お母さん。お母さんもなんべんも、やっちゃったんだもんね。きっと。


 ご主人さまの目が、じっとりとみゆたちのめいど服や、ぱんつや、顔を見てくれていった。みゆと目が合うと、な、なんだかかあって赤くなっちゃって、そっぽ向いちゃうの。も、戻してもあるから、あわわって困るけど、そ、そのときはうれしくって、じいって見ちゃうの。憲邇さまカッコいいなぁ。素敵だなぁ。こんなろりこんさんのためにかわいいめいど服まで着れて、みゆうれしいなぁ。憲邇さま、大好き。


「ようし、そのままお尻を向けろ」


「はい、ご主人様」


 言うとおりしなきゃ。くるっ、みんなが半分回って、お尻を見せてくの。ど、どうですかぁ? お尻もかわいいですかぁ? みゆ、まゆちゃんみたいなふっくらしたほうがかわいいと思うんですけど、どうですかぁ? わぁ、ほんとじろじろ見てる。ぱしゃっ。やぁらしい。うふふ。ありがとうございます憲邇さま。存分に見てくださいね。


 またじい、っと。見られて。みゆたちは照れ照れ。赤くなっちゃうの。


「よし、もういいぞ。まったくみんなしてメイド服か。ありがとう、かわいいぞ」


 ぽんって両手がまゆちゃんと
(ともえ)さんにいった。そのまま、なでなでなの。えへへってまゆちゃんうれしそう。巴さんも、カッコよくえへへってなってるみたい。


「この日のためにね、みんな自分で作ったんだよ。あ、あたしはちょびっとお母さんや
良子(りょうこ)さんに手伝ってもらったけど」


「大抵は自作してもらいました。ご主人様のためですので、やはり自分で働いてもらいませんと」


 良子さんにでも、みんないろいろおさいほう習っちゃった。良子さんそっちも上手なの。


「いやぁ、すごいね。壮観だなぁ。なんだかこれだけ大勢の使用人がいるみたいだ」


「あら、そうしてくれてもいいのよ、憲邇くん? うふふ。とりあえずご飯にしましょう、準備できてるから」


「ああ、腹減った。特に
(いずみ)の相手をしてきたからね」


「せんせーの相手でしょ」


「いやいや、泉の相手は腹が減るんだ」


「もう、なーに言ってるんだか」


 くすくす笑う、泉さんなにかしてきましたね。あったかいのもらうほんとのえっちじゃないけど、別のなにか。この前のからおけみたいな、自己紹介さつえいとか。


 それからみんなで夜ご飯。憲邇さまと一緒に食べられてうれしいな。最近あんまし食べられないこともあったから。今日は良子さん。


「はいご主人様、あーん」


「……うん、おいしい」


 とっても楽しそうに、あーんばっかりするの。あーんの順番が来るとそればっかりの人、いっぱい。お母さんやまゆちゃんのお母さんはあんまりしないんだ。なんでだろ。


「で、どうですせんせー? 癒されます?」


「うん、メイドって癒しだね。発見だよ」


「メイドのスカートめくりが、でしょ。ばか憲邇」


「……そ、そんなことはないぞ」


 あ、あれは嘘だ。みゆもそれくらいわかるもん。憲邇さまスカートめくりなさいが一番好きだもんね。えっちのときほとんど絶対言うもん。


「ししし。ね、ね、あたしもさ、のーぱんしなさいって言うならするよっ。いつでもいーよっ。ねっ」


「まゆっ。もう、あなたがちゃんとしないと、まゆに悪影響が出てるじゃない」


 めいどさんの格好になっても、
絵里(えり)さんは絵里さんだ。憲邇さまの、あ、姉さんにょうぼうだ。


「うぅん、千歳も広子も、あれはお仕置きだからねぇ。まゆにお仕置きすることがあれば、してあげるよ」


「ほんと? んじゃーさ、あたしいけないことしちゃおっかなぁ。これからさ、ずーっとスカートだけどスパッツはいてようかなぁ」


「別にそれくらいじゃお仕置きしないよ」


 嘘だぁ。憲邇さまそんなことずーっとしてたら、絶対おしおきだってなるよ。絶対。


「ふーん。でもいいや、あたし普通にしててもおしおきいつかくるもんね。しし。そんとき楽しみにしてよーっと」


「そうしなさい。なによりね、自分からお仕置き目当てに悪いことするなんてとんでもないよ。それじゃあ面白くもないしね」


「はいご主人様。あーん、あーんっ」


「う、うん。うまいって。良子も食べなさい」


「ダメです。ご主人様が食べ終わらないのにメイドめが食事をしていい道理などありません」


「参ったな……」


 うふふ。困ってる憲邇さま、か、かわいい。


「ああ、たた、確かに。わた、私たちが一緒に食べるのはメイドとして」


「パティ、いいのよ。あれは良子さんの病気なんだから。メイドさんの格好してるけど、本物は二人だけなの」


「でで、でも」


「いいんだよパティ、一緒に食べよう。私はそっちのほうが嬉しいな」


「わぁ、はは、はいますたぁ。えへへ」


「えー? 私としては、メイドめがご主人様と同じに食事など本来許される所業ではないと思うのですよ」


「良子は堅いよ、もっとフランクにいこう」


「むうー。でも、今は先に食べてもらいますからねっ。はい、あーん」


「ああ、わかった、わかったからもうちょっとゆっくりに……うん、おいしい。しかしおいしいねぇ。今日は誰だい?」


「今日は私とまゆと巴さんよ。よかったわねまゆ。おいしいって」


「うんっ! えへへ、すっごくうれしいよ!」


「あ、あ、あ、あり、ありがとう」


 みんなえへへだ。うれしいね、えへへ。


「そうかぁ。三人ともすごいなぁ。いや、私の大好きな家庭の味だよ。とてもおいしい」


「えっへっへぇ。そりゃあね! あたしたちのあいじょーがたっぷりつまってるかんね!」


「ああ、確かに。良子、おかわりをくれ」


「はいただいま」


 ぱたぱたかけてく。良子さんもにんまりだ。


「もうすぐ盆で、これを食べるのも一時休憩になると思うと、ちょっと寂しいなぁ」


「あら、良子さんも里帰りしちゃうの? ああ、そりゃそうっか」


 お母さんのお里はここだから、ここにいるよね? ねっ? み、みゆもここに、いたいなぁ。あっちのお義母さん、どう言うだろ。ここがみゆの、お里だと思うけどなぁ。去年と一緒のとこ、行くのかなぁ。


「お母さん、お盆どうすんの?」


「そうねえ、うちは勘当されちゃったしねぇ。一応連絡して、いいよって言われたら顔だけ見せてきましょうか」


「そうじゃなかったら?」


「まゆの大好きなお父さんと、ここにいることになるわね」


「ふぅん。そっか。あたしおじいちゃんきらいじゃないよ。別に帰ってもいいと思うけどな」


「向こうがね、お母さん嫌いになったのよ。しょうがないわ。でも、そうね、一度は顔見せないとね。十二月予定なんだから、あなた? その前にね」


「ああ、そうだね」


 十二月? なにがあるんだろ。クリスマスかな? 憲邇さまのお誕生日?


「お待たせしました、ご主人様」


「ああ」


「ぁ、あのあの、ゎ、わたし、ここにいて」


「ここにいなさい。いいんだよ。ご両親が行方不明ならしょうがない。ここにいなさい。いいんだよ」


「……はぃ」


 
詩音(ふみね)お姉さんも大変だな。お父さんお母さんどっか行っちゃって。二人とも親なのにへんだよ。子供置いてくなんてさ。


「パティもここにいて、憲邇くんの親戚にご挨拶なさい、いいわね?」


「え、でで、でも、いいんですかぁ?」


「ああ、いいよ。ただし軽々しく私の女だって言うなよ、バレちゃいけないんだから」


「はは、はいますたぁ。頑張りまむっ」


 パティさん、いっつも面白いな。ふふ。


「ななほはぁ? ななほどっかいかなくちゃいけないの?」


奈々穂(ななほ)も家にいなさい。パティと一緒だよ、私の女だということだけ黙っておいてくれ。それ以外はもう、私たちの家族なんだから」


「はぁい。うふふ。せんせぇのこいびとだって、ひみつだねっ。うふふ」


「それ以外の人はお盆はお里参りをしたほうがいいよ。実家に帰ってね」


「はい、せんせ。たまには家族サービスしないとですね。千歳さん、来すぎですよ?」


「来すぎなのは
静香(しずか)さんもでしょ。私は控えてます」


 そうかなぁ。二人ともいりびたりってやつだと思うけどなぁ。


「問題はその間に散らかされるこの家よねぇ。はぁ。うちの親戚ってどうしてこう、酒飲むと暴れるわ散らかすわするのかしら。はぁ」


 紗絵子さんはため息だった。「片付けるほうの身にもなってよねぇ。そういうときに限って良子さんもいないし。はぁ」


「まあまあ。今年はわたしもいますから、ねっ。詩音ちゃんも手伝ってね。大変だけど」


「はぃ」


「そうだわ、片づけで思い出した。
柚香里(ゆかり)さん、あれ」


「ん、ああ、あれね。よいしょっと」


 絵里さんとお母さんがごそごそ、めいど服のぽっけを探す。出てきたのは、あ、えっちのチケットだ。


「はいあなた。二人分よ。ご飯終わったらね」


「ね、お願いね」


「……ええ? こ、こんなのでいいの? しかも二人とも同じって」


 憲邇さまがおどろいてる。どうしたんだろ。前もなぁ、絵里さんすっごくもったいない使い方して、すごかったもんなぁ。


「言っておくけど憲邇、わたしたちはもう年よ。自分から願い出るなんて恥ずかしくできないわ」


「こういうのもらっても、こういう使い方しかしませんからね」


「あ、ああ、そう。普通に使ってくれていいんだけど……まあ、いいか。いずれそうなるだろう」


 しまいこんじゃった。なんだろ。二人一緒かぁ。そういうの考えなかったなぁ。いいかも。詩音お姉さんとか、お母さんとか、まゆちゃんと一緒に。えっちなこと、お願いしようっと。


 みゆのチケット……どう使おうかな。悩んでる。ようし。ほかにも持ってる人いないか、聞いてこようっと。


「ごちそうさまでした」


 めいど服ばっかりが言う。良子さんだけにこにこしながら、最後にご飯食べてた。結局良子さん、自分では一口も食べないで、憲邇さまにあーんしてた。すごい。


「さて憲邇、手伝ってもらうわよ」


「はいはい」


 あ、チケットだ。なんだろ……じっと憲邇さま見てると、お母さんと絵里さんと三人でお台所へ。……そのまま、みんなの食べた食器を洗ってた。


 え、これ? これがやりたかったの? 三人でって……え、え? えっちじゃない。ただのお手伝いだ。


「ね、みゆちゃんへんだね」横にいつの間にかまゆちゃんが。一緒にのぞいてる。「お母さんせっかくチケットもらったのにあんなんしか使わないんだ。へんなの」


「あの野郎どもはどっかおかしいのよ」にょん、と泉さんも。「きっとね、毎晩夜更かしを迫られてるからえっちのことには使う気起きないんだわ。それくらいやってるのよ、きっとそう」


 そんなことありませんよ。お母さんも絵里さんもおんなじくらいです。そりゃあ、昨日二人ともがえっちしたの、わかるけど……それは泉さんもだし。ていうか、昨日はからおけで楽しかったから憲邇さまいっぱいがばぁしたし。変わらないと思うけどなぁ。


「……だからね、やるなら土木の作業着とかいいわ。あれカッコいいじゃない」


「わぁ、絵里さんいいセンスしてます。憲邇、買っといてね」


「ええ、そんな格好……で、できてからでいいかな? というか、何着着せるつもりなんだ?」


「さあ、何着でしょう」


「うふふ」


 なんだか楽しそうに話してる。お母さん、絵里さんとも仲良しなんだ。ふぅん。確かになぁ、昨日お母さんと絵里さんが三人でえっちしたようなふんいき、あったもんなぁ。


「むむむ、やはり似たもの同士、仲がよさそうだわ。あの野郎どもめ、一体なにを企んでいる?」


「いる?」


 二人が言うようなこと、なんにもないと思うけどなぁ。確かに三人でお皿洗いしてると、すごく上手に回ってる気がするけど。息ぴったりだ。


「こらまゆ、のぞいてないで宿題しなさい。まだ残ってるのあるんでしょ?」


 振り返って、こっち気づいてた。


「ないよーだ。お母さんこそなにしてんだよ」


「なにって、お皿洗いよ。この人にね、チケット使って手伝ってもらってるだけ」


「えー? そんなつまんないことで使ったの?」


「つまんなくないわよ、この人にちょっとでも家事の大変さを味わってもらわないとね。たまにはこういうことを一緒にするのも、悪くないしね」


「みゆ、手伝いたいからってやらせてあげませんからね」


「うっ、うん、わかってるよ」


 そのあともほんとにただお皿洗いしてるだけだった。三人でやるからあっという間に終わって、手をふいてると。


 憲邇さまが後ろからうで回して、がばぁって抱きしめちゃった。お母さんちょっとほっぺ赤くして、「もう」って。


「娘の前で恥ずかしいことしないの」


「ちょっとくらいしておかないとチケットの意味がない。やらせろ」


「まったくもう」


 口とは反対、そっとうでに指そえて。しあわせそうに口元ゆるゆるにしてた。


 次に絵里さんも。ぐるってうで回してもらって、後ろから。この前と一緒だ。うふふって、楽しそうにほほえんで、お母さんと同じように指そえてた。


 えっちより、もっといい、なにか。三人の間にはそういうのが、ある気がする。


「ちっ。ずるいわ野郎どもめ。まあよい。あたしは帰るわ。それじゃせんせー、さいなら」


「ああ、さようなら。またね。まあ、泉はいいか」


 最後にぼそっと、憲邇さまなにかつぶやいてた。


「……ほんとーにさいなら? いいの? ないの?」


「ああ、期待してるだろうがないよ。お前はなしで放っておいて、あとで食べるほうが面白そうだ」


「や、やだもう。じゃあ、じゃあさいなら。バーカ、せんせーなんか大っ嫌い」


 いーっだ、ってやるみたいに、あっかんべー、した。憲邇さまはなんでかにこにこして手を振ってた。へんなの。


 そのまま泉さんは帰っちゃった。めいど服で。い、いいのかな。すごいな。あんなのできるの。


 それから憲邇さまはパティさん探してたから、あっちにいますよって教えてあげた。みゆも詩音お姉さん探して、あっちこっち歩いて、みゆたちのお部屋にいるのを見つけた。


「あ、あの、詩音さん」


「ん、なぁに?」


 また絵描いてる。ほんとに好きなんだ。お仕事だもんね。えっと。


「ふ、詩音さんチケット持ってませんか? も、持ってたら一緒に、つ、使いませんか?」


「一緒? ああ、そっか。そういう使い方もあるね。そっかぁ。うん、持ってるよ。じゃあ一緒に使おうっか」


「は、はい。どんなのにしますか?」


「じ、自分から言うから、あんまり恥ずかしくないのがいいよねぇ。ど、どうしようっか」


 二人でうんうん、悩んでると。詩音さんはじっと絵を見て、ぴんときたようだった。


「ね、二人で、ヌードモデルしようっか」


「ぬーど?」


「裸婦画っていって、裸で絵のモデルになるの。裸を、憲先生に描いてもらうの。ちょっぴりえっちだし、いいんじゃないかなぁ」


 わぁ、すごいなぁ。えっちだし、絵を描いてもらえるならうれしいし。すごいなぁ。よく思いつくなぁ。さすが絵のぷろさんだ。


「う、うん、いいと思います。や、やりましょう」


「ね、じゃあ、決まりね。よいしょっと」


 チケットに書いてる。みゆも書こうっと。えっと、ぬーどもでるをやりますから、描いてください、っと。よし。


「できた。じゃあ、二人で出しに行こうっか」


「はい。詩音さんすごいです」


「すごくないよ。絵はね、裸の絵もたくさんあるんだ」


「わぁ、そうなんですか」


 てくてく、歩いてくと、憲邇さまがリビングにいた。二人でちょっぴり早足、憲邇さまにチケットを手渡す。


「ん? ああ……ほほう、なるほど。確かにこれはいいアイディアだね。わかった、暇を見つけて描くよ。そのときはモデルになってくれ。ああ、そうだな、せっかくだし、みゆの絵、詩音の絵、それから二人の絵の三種類描こう。大丈夫、私は速筆だから、描くのは早いんだ。というより、こんなことをリクエストされたら描きたくなってきたぞ。よし、今日はせっかくのメイド服だからなしだが、明日から描きたいと思ったときはすぐ私の前に来て、脱ぐんだ。いいね?」


「はい憲邇さま」「はぃ憲先生」


 二人、うふふのにっこりだ。えへへ。うれしいです。


「よしよし、いい子だ。ナイスリクエスト」


 なでなで。ふわぁ、いい気持ち……なでなで、とっても気持ちいいよぅ。えへへ。すりすり。


「こらこら、みゆも詩音も私の手フェチなのはわかったから、離れなさい」


 ああ、ううう、二人して憲邇さまのうでにすりすりしてた。うう、恥ずかしいなぁ。


 憲邇さま、大好き。きれいに描いてくださいね。えへへ。
















 じゃあまずはママにしよう。ママ部屋かな、二階へ上がってみる。ママの部屋、こんこん。


「はぁい。どなた?」


 がちゃりと開く、メイド服姿のママ。かわいい。四十歳って言ったら、きっとみんなびっくりするほど、しわのない人。


「あらパティ、どうしたの?」


「まま、ますたぁからご命令です。メイド服姿で、しっかりメイドの下着かどうか、確かめてこいって。ささ、さっきのめくりなさいじゃあよくわからなかったから、ちゃんと一人一人撮影してきなさいって」


「あらまあ、下着を撮影してきなさいって言われたの?」


 こっくん。「あと、自分で説明してもらいなさいって。どんな下着かとか、色だけでもいいからって。あと、ぱんつだけじゃなくって、ブラとか、その先とか、好きにしていいって」


「ほうほう。朝の挨拶の拡大版ね」


「それで今日、よばいするメイド決めるって」


「あらま。ふふ、じゃあ気合が入っちゃうわねぇ。撮影役がパティなわけだ」


「うう、うん。そ、それでね、うまく全員できたらね、私のチケット、すぐしてもらえるんだ」


「あらそう? じゃあ張り切らなくっちゃね。うふふ。そうねぇ、私は昨日えっちしちゃったし、今日は憲邇くんがどうしてもって言うんじゃなければいいから。軽くね。はい、どうぞ」


 ママがふんわりメイドのスカートをめくる。今日は大人のまっしろだった。ようし、撮影開始。ぶ、ブルーレイカムを、回していく。


「本日は白よ、普通のリボン白。楽にするときは大抵これね。憲邇くんも大好きだし。お気に召しましたら、夜這いしてください、ご主人様」


 にっこりふんわりで、おしまい。ほんとに軽くだ。それでいいんだ。


「さ、早くしないと早い子は寝ちゃうわ、急げ急げ」


「うう、うん。ありがとねっ、ママ」


「いえいえ」


 ちょっぴり走ってく。よ、ようし、できた。リビングにみんないるから、そこからやってこう。


 メイドさんのお洋服はふわふわする。走るのにはちょっぴり向いてないかも。リビングに着くと、たくさんのメイドさんとご主人様のマスターが談笑してた。良子さんがマスターに紅茶を注いでる。メイドさんだ。よし、じゃあまずはまゆちゃんから。ちょいちょい。


「ん、なーに?」


 さっきの説明をする。ふんふん、頷いてたまゆちゃんは終わるとにまーってした。


「なーんだ、そんなのらくしょーだよ。はい、どーぞっ」


 ばっと大きく広げるまゆちゃん。うう、はしたないよ。まゆちゃんは今日は白と水色のしましまだった。


「今日はしましまだよ。憲邇さんっ、よばいしてねっ。大好きっ。あっ、おっぱいも見せちゃう、ちょっと待ってね」


 よいしょっと、メイド服を両手で持ち上げ、一気に上まで引っ張っていった。まゆちゃんはスリップもシャツも着てなくぱんつ一枚だけ、平らなおっぱいが丸見えだった。


「どう? 憲邇さん? あたしもおっきくなってきた気がするんだぁ。えへ。気に入ってくれたら、よばいしてねっ。はい、おしまい」


「あ、ありがと」


 お辞儀して次へ行く。リビングにいた人たちはまゆちゃんのしたことを見て、大体察しがついてるみたいだった。


 静香さんと広子さんはすぐめくってくれた。静香さんはふりふりした、中学生の大人のピンクとイエロー。広子さんは「今日はメイドさんだから」ってまっしろのふりふりだった。い、いいなぁ。ふりふり。私もそういうの着けてマスターを喜ばせてあげたいな。色っぽいもん。


「朝の挨拶と違ってどこまでかは自分ででしょ? じゃあ、はいどうぞ」


 静香さんは加えて、メイド服の胸元、リボンを外して、ぐいっとかがんで谷間を見せてくれた。しっかりカメラに収めておく。こちらもちらっと、大人のピンクイエローのブラがちらちら。ちらちらって、好きなんだって。メイド長の良子さんが言ってた。


「本日はピンク主体にイエローを足した色です、せんせ」


「わ、私は真っ白」


「ブラもこんな感じです。どうぞお気に召しましたら、メイドめを夜這いにかけてやってくださいませ、ご主人様」


「わ、すごいすぐ言えるんだ。え、えっと、よ、よろしくお願いします。メイドは白だと思います」


 それでおしまい? と目が合うと、さっとあっち向いた。広子さんやっぱり恥ずかしがり屋さんだな。かわいい。


 千歳さんにお願いしようとするとくいくい、向こうへ引っ張られた。誰もいない廊下でするみたい。どうしてだろ。


「ひ、人前はさすがに。こ、このお仕置きずっとされてて、さすがに恥ずかしくって」


 あ、ああ、そっか。そうだった。忘れてた。


 じゃあ、とそっと千歳さんはメイド服をめくりあげる。ちら、とのぞいた、大人の黒く茂ったところ。きちんとカメラの中。


「本日はまだお仕置き中です。この後も写真撮らなくっちゃいけないから、先生お気に召しますやら。ど、どうぞ」


 でもちゃんとするんだ。ぶ、ブラでもいいのに。恥ずかしそうにちょっとだけ見せて、すぐ戻してた。


「おしまい。もう、先生やらしい」


「やや、やらしいですよね。うふふ。わた、私もやらなくっちゃなんですよ」


「わぁ、ひどいね。うふふ」


 うふふなの。さ、さあ次。


 リビングに戻るとすぐ奈々穂さんがやってきた。


「ねっ、ねっ、ななほもっ、ななほもっ」


「う、うん。みんな順番だから」


 ふわふわのエプロンを持ち上げ、にんまり楽しそうな奈々穂さんもぱんつを見せてくれた。まっしろだ。


「ななほはね、今日はまっしろなの。ぴんくとまよったんだけどねぇ、ななほはまだこどもだから白いのがいいの。ねっ、ねっ、どお? えっち?」


「奈々穂ちゃん、ち、近いよ」


 カメラにぐいって近づいてくる。も、もう。元気ありすぎだよ。


「あ、おっぱいのがえっちかなぁ。えいっ、しょっ、えい、しょっ」


 リボンを解き胸元を開いて、ぐい、ぐいと思いっきりはだけさせてまっしろの大人ブラジャーを見せてくれた。谷間抜群にふっくら。


「どお? やらしい? せんせぇ、えっちしたいなぁって思ったら、えっちしにきてねっ。いつでもがばぁ、うれしいからねっ、ちゅっ」


 えへへ、といそいそと戻していった。ふう、おしまい。でも奈々穂さん、巨乳だなぁ。すごいなぁ。あれくらいおっきくしたい。な、投げキッスとか、やってみたい、かも。


 良子さんと
(めぐみ)さんが一緒にいたから、一緒にどうですかって言うとすぐ愛さんはぺろん、メイド服をめくってくれたけど、良子さんはじれったく、動きかけて襟に指を置いて止まってた。愛さんもまっしろ、メイドさんだからかなぁ。大人なのにシンプルなリボンだ。って、思ってると、あう、愛さんぐいってぱんつに指入れて黒いとこ、出した。ずらしたんだ。え、えっちっ。そういうこと、簡単にするんだ、愛さん。


「どうですか憲邇様。本日の私は真っ白です。メイドだし、良子ちゃんにも教えてもらったし。お気に召したのでしたら、どうぞ夜這いへ。いつでも私は喜んで従います。どんなことでも」


「……」


 愛さん終わり。良子さんは動かないけど、どうしたのかな? 見せないとマスター、怒りますよ?


 あ、ぐいって、肩をずらして、大人のブラの紐、見せてくれた。白いから白かな?


「ほ、本日は私も、白、です。は、恥ずかしいのでこれでお許しください、ご主人様。至らぬメイドかと思いますか、恥ずかしいのです。あ、本日のあーんは、とっても楽しかったです。ありがとうございました、ご主人様」


 さって、戻した。もう終わり? ふぅん。まあ、いいけど。


 次のみゆちゃんと詩音さんも一緒にいた。みゆちゃんのほうから「恥ずかしいから一緒にしてください」って詩音さんに頼んでた。


「せ、せーのっ」


「えいっ」


 二人がちっちゃめのメイド服を、勇気を出してぺろん、めくる。二人とも私よりちっちゃいから見上げる形になっちゃうな。みゆちゃんまっしろ、かわいい。詩音さんは今日はピンク、こっちもかわいい。


「み、みゆは今日、普通のまっしろです。リボンのやつ」


「わたしも普通のピンクです。シンプルなリボンつきです。ど、どうかお気に召しましたら、よばいしてください」


「みゆも、だれと一緒でもいいです。なんでもしますからねっ」


 ぱさり。はぁ、ため息。おしまい。二人ともしっとり、しとやかさんだなぁ。


「あ、憲邇さま大好きって、いれといてください」


「ゎ、わたしも。憲先生大好きって」


「はい、ちゃんと撮れてますよ」


 よかった、って、にっこり。笑顔の二人、かわいい姉妹だなぁ。美人姉妹だ。うふふ。


 実はすぐ近くのマスターも、にっこりなの。


 リビングにはいなくなったから、次はそれぞれのお部屋に突撃なの。は、早くしなくちゃ、メイド服じゃなくなっちゃう。そしたらダメなの。お仕置きなの。そ、それもいっかなぁって思うけど、さっき言ってたとおり、自分からお仕置きのために失敗するのは、いけないもんね。


 まずはみゆちゃんたちの部屋。柚香里さんいるかな、と思ったら。


「あらパティちゃん。どうしたの?」


 柚香里さんと絵里さんがなにやら楽しそうに話してた。なんだろ。まあいいや。ごにょごにょ。


「……」「……」


 二人、じっと見つめ合っちゃった。は、早くしてください。マスター待ってます。あ、こくんて二人とも、勇気決まったみたい。


 二人して肩に手を、置いて。ぐいってして、さっきの良子さんみたく、ブラの紐だけ見せてた。白色、柚香里さん。黒色、絵里さん。


「はい、どうぞ。憲邇、恥ずかしいわ」


「私たちはこれが限界よ。ねぇ?」


「し、知りませんよ。マスターになにされても」


「そう、言われても、恥ずかしいものは恥ずかしいわ」


「ねぇ」


 二人息ぴったりだなぁ。まあ、じゃあいっか。


「あ、そうだ。あんまり恥ずかしくないけど、憲邇が喜びそうなこと、あるわ。あ、夜這いかけられたいわけじゃあ、ないわよ? 昨日したしね」


 するする、柚香里さんがしとやかにスカートをめくっていった。左足のところだけ。綺麗……そうして、長い靴下が終わり、ガーターリングが見える。こっちはピンク色。


「はい、ガーターリングです。どうぞ。憲邇、もしかしたらだけど、気に入ったら夜這いかけられても、受けてあげるわ、しょうがなく」


「あら、まあ、そう。じゃ、じゃあ、私も」


 合わせるように絵里さんも左足だけ、スカートするする、メイドさんがはしたなく脚を見せてく。綺麗……そうして、絵里さんもおんなじガーターリングがのぞいた。こっちは青色。


「はい、どうぞ。気に入ったら夜這いでもなんでもどうぞ。しょうがないから受けてあげる。あ、勘違いしないでよね、あなたの要望を受けて着たわけじゃあないからね。私がおしゃれでしただけだから」


 そうかなぁ。マスターの好みに合わせてる気がする。まあいいや、ばっちりカメラに撮ったし。どうも。ぺこり。


 隣のまゆちゃんの部屋には誰もいなかった。


 
春花(はるか)さんの部屋をノックすると返事が。


「あら、まあ、どうしましたの?」


 春花さんと
花雪(かゆき)さんが一緒にいた。マスターのご命令を切り出すと、春花さんまっかになるけど、花雪さんは平然としてる。座ったまま、あっさりぺろんってメイド服をめくってた。ピンクだ。ガーターリングもピンク。


「はい、どうぞ
深町(ふかまち)さま。私、本日はピンクですの。うふふ。メイドならば白だとお思いでしょうが、本日はピンクですの。どうですか? お気に入りましたら、どうぞ夜這いを、待っております」


「花雪っ、そ、そのような、ああっ、はしたないっ」


「まあお母さま、先ほどはめくりましたのに勇気がありませんの?」


「さ、先ほどは深町様のお優しいご命令で」


「今もですわ」


「うう……」


「ああの、あの、あの、ぶ、ブラの紐だけ、とか、ガーターリングとかでも、いいですよ」


「どちらも恥ずかしいですわっ。ガーターも下着ですのっ」


 ええっ、そ、そうだったんだ。じゃあ柚香里さんたちはどうして恥ずかしくないんだろ。


「お母さま、きちんとしませんと。勇気を出して」


「うう……で、では、ガーターリング、を」


 するする、するする、とってもじれったくふわふわのメイドスカートをたくしあげていってた。うわぁ、色っぽい。すごいなぁ。


 ちら、と靴下の終わり、ピンクのガーターが見えるくらいで、さっとすぐ戻してた。と、撮れてるかな、大丈夫だよね。


「は、はい、お終いです。ど、どうぞお気に召しましたら、い、いかようにでも」


「まあお母さま、深町さまの奴隷としてなっておりませんわ。さあ、下着をお見せなさい」


「見せましたわっ。うう、恥ずかしい……」


「あ、も、もういいですよ。それでいいです。それじゃあ」


 すごいな、春花さん。はぁ。見習わないと。私、はしたない。


 最後に巴さん。良子さんたちの部屋にいて、なにかお裁縫してた。


「ああ、パティちゃん。どうしたの?」


 事情を説明すると、軽く赤面して「あいつめ」、と咳払い。


「どこまでやるかは当人任せなんだ?」


「はは、はい」


「ふぅん。変なの。とは言ったって、スカートめくるが精一杯ばっかりだし、人によっちゃそれ以上でしょうに」


「はか、春花さんガーターリング見せるのも恥ずかしがってました」


「ああ、でしょうねぇ……じゃあ、あたしどうしようかなぁ。泉なら、躊躇なく全裸にでもなるんでしょうけど」


 そ、そうかなぁ。そこまでかなぁ。確かに泉さん、一番はしたない人かもしれませんけど。愛さんも相当でした、よ。


「あたしね、昨日えっちしてないんだ。へへ、こういうこと言う時点ではしたないかも。でも、今日してもらいたいし……うぅん、じゃあ思い切って」


 巴さんはすくっと立ち上がって、そのすらりと細く、高い背をきりっとさせた。


 そうして、軽く一回転。ふわふわぁって、メイド服が揺れる。もちろん、中のぱんつなんて見えっこないけど、ペティコートは見えた。な、なんだかかわいらしい。巴さんなのに、カッコいいじゃなくって。


「へへ、どうかしら? あいつこれ大好きだし、するとしてくれるかも。あ、い、一応めくっとくね。憲邇先生、どうぞ見てください」


 するする、スカートをめくる。巴さんは今日は青色だった。


「はい、本日は青色です。ぴ、ピンクとかはその、まだ恥ずかしくって。へへ」


「え、そ、そうなんですかぁ?」


「そうよ、恥ずかしいわ。あたし今まではほとんど白か黒だったもの。今日もちょっぴり、みんなでメイド服だから奮発なのよ」


 へぇ、そうなんだ。ふぅん。巴さんみたくカッコいいと、ピンクは恥ずかしいんだ。


「はい、おしまい。どうか憲邇先生、あたしを夜這いしてください。あ、自分から言うもんじゃあないか。ふふ。気が向いたらどうぞ。いつでもウェルカム、です」


 にっこり、巴さんはカッコよくてかわいかった。ずるだ。


 今日はメイドさんだったからか水玉、いなかったなぁ。まいっか。よし、マスターにお届け……あ、違う違う。最後に自分を撮らなくちゃ。よいしょ、自分にカメラを向けて。


「で、では今からめくります。どうぞマスター、見てください」


 カメラを下へ、スカートめくり、下着を見せる。


「きょく、今日は水色、です。水色のちっちゃいリボンつき、です。メイドさんだけど、み、水色がいいかなって、今日は。み、みんな白だろうし。ああどうでもいいですね、おしまいっ」


 めくった手を下ろす。「ま、ますたぁ。もし気に入ったら、どうぞいつでも、襲ってくださいね」


 よし、最後、笑顔になれた。えへへ。よし、おしまいっと。マスターにお届けだ。


 リビングにまだマスターと女の子がいっぱいいた。はいどうぞ、マスター。終わりました。


「ん、よろしい。よし、今から見るから、晩酌してくれよ、パティ。今日は軽く飲みながら見たい気分なんだ」


「はは、はいますたぁ。お任せください」


 やった、うれしいっ。ば、ばんしゃくは私の役目だもんね。えっと、お酒、お酒。お台所へ走っちゃう。マスターどれ好き、あ、一種類しかないや。じゃあこれ、持ってって、あ、グラスも。えっと、えっと。


 えへへ。楽しい。


 なんとかお酒(多分焼酎だ)とグラスを持っていく。


「おお、ありがとう。じゃあ見ながら一杯やるか。パティ、見せてくれよ。自分で操作するのは面倒だ」


「はいますたぁ。えっと、はい、どうぞ」


 このカメラ、録画したやつすぐこれで見られるから偉いよね。うふふ。じゃあ、注ぎますね、そっと、そーっと……少なめですか? はい、わかりました。そーっと、っと。


 しあわせ。


「あーっ! ずるい、あたしもやるやるぅ!」


 ま、まゆちゃんだ。大声にこっち見て、マスターにばんしゃくしてる私にほっぺみんな膨らましてる。


「わわ、私、ますたぁにばんしゃくを付き合いなさいって言われましたから、これは私の役目です」


「そうだ、パティに晩酌してもらうんだ。まあ、気が向いたらほかの子でもしてやるよ。パティがいいって言ったらね」


「そ、そうですね。だ、誰でもいいって、言いますよ。みんなますたぁのものですから。えへへ、でも最初私で、とってもうれしいでしゅ」


「そうか? まあいい、よくできてるぞ、今のところ」なでなで。うれしい。「この調子で私を満足させられたら、すぐにお前を庭に飾ってやるよ。待ってなさい」


「はいますたぁ」


 楽しみです。


 それからちび、ちびと飲んでくマスター。カメラでみんなが次々とスカートめくってくのをさかなに、いやらしく飲んでる。ちょっとした移動の間とかは見たくないから、私が早送りしてあげたりして、マスターを退屈させないようにしてた。


「あはは、愛はよくやるねぇ」とか、「春花はさすがだねぇ」とか、面白そう。柚香里さんたちのときは、なんでか頭をぽりぽりしてて、「敵わないなぁ」って。なんでだろ、どこがだろ? わかんないな。なくなる頃に、言われる前に注いどくと、またなでなで、ほめてくれた。うれしいなぁ。最後のほう、巴さんのところになると、じいって見とれてた。やっぱり好きなんだ。やっとけばよかった。


「……うん、よし。ああ楽しかった。いやぁこういうことをやらせるのも楽しいなぁ。ふふふ。メイド服だからついやってしまったけど、まあいいか。いやぁいいものを見れた」


 結局飲んだのはほんの少しだったけど、楽しんでもらえたようでよかったよかった。みんなもいつの間にかリビングにいて、自分たちがどうだったかを確認してた。マスター、大体ずっと目尻緩々だったから、みんなに大満足だと思うな。


「いやみんなよかったよ、ありがとう。じゃあ、今日も半分くらいは夜更かししてもらうから、待ってなさい」


 ちら、ちら、視線があっちこっちいく。マスターが見てる、人が、今夜よばいだ。目が合うとじっとり伏せて、また上目で見てる。そしてまた合うとうんて、頷いてる。確かに半分くらい。わ、私は?


「今日は晴れだし、しばらく晴れ続きだったな。よし、パティ、脱ぎなさい」


「はいますたぁ」


 みんなの見てる前だけど、えいしょって、メイド服を脱いでいく。良子さんのやつは脱ぎやすくっていいな。すぐにスリップ姿、それより脱ぐみたいだから全裸だ。わぁ、飾ってもらえる。えへへ。さっとスリップ、ブラ、ぱんつを脱いで、靴下も脱いで、全裸へ。あ、頭のも外しますね。


 ぽんと頭に手が、置かれる。マスターのおっきい手。すっごくつなぎたいな。


「よくできました。お前のチケットどおり、今から庭に、裸で、飾ってやる。ありがたく思え」


「はいますたぁ。とってもうれしいです」


 裸で、って、すごく強調されて言ってもらっちゃった。うれしいな、うれしい。


 みんなが恥ずかしくってあちこち目やってる。あ、ママも恥ずかしくって見てないや。見られてもいいのに。


「よし、ついてこい」


「はい」


 てくてく、裸で歩いてく。隠したらダメなの。怒られるの。堂々としてるの。えへへ、私はしたないかなぁ。


 がらがら、お庭への戸が開けられる。もちろん裸足だ。私は一歩外へ、歩き、庭のちょうど真ん中辺りで、マスターを見た。にっこり、いいよのお知らせ。はい、じゃあずっと、ここにいますね。ふふ。足元全然痛くないや。


「とりあえず三日にしよう、様子見も兼ねて。パティの身長なら塀からも見えないしな。まあ、隙間開いているところからは見えるけど。ふふ。よし、注意事項を言っておこう。トイレには小なら行くな、そこでしろ」


「はいますたぁ」


 石の隙間、ありますものね。塀って。模様みたいなの。うふふ。そこからだと見えちゃうの。わかってます。


「あんまり裸の像は動かないものだからね。ただ大はトイレでしろ、そこでされると困る」「はいますたぁ」


「誰に見られても声を上げるな、じっとしていろ。いいな?」


「はいますたぁ」


「まあ、庭に入られて、なにかされそうになったら抵抗したり、逃げなさい。私が助けられるときなら、助けを求めなさい。お前がなにかされると嫌だからな」


「はいますたぁ」


「写真を携帯やなにかで撮られそうになったら、問答無用だ、壊せ。許す」


「は、はいますたぁ」


 そこまでしなくても、いいけど。と、撮られたって、いいけど。ますたぁやさしいんだから。


「あとはまあ思いついたらおいおい言うよ。三日もあるしな。ああ、もちろんだけど動くなよ。あまり動くようならお仕置きだぞ」


「はいますたぁ」


「食事は普通どおりやるよ、ただしそのまま庭で裸のまま立って食え。風呂なんか入れると思うな?」


「はいますたぁ」


「最後に、当然だけど私が昼夜構わずお前を襲うかもしれないが、そのときもそこでセックスだ、いいな?」


「はいますたぁ。もちろんです」


 それが奴隷として当たり前です。うふふ。楽しみだなぁ。こんなときでもえっちしてもらえるなんて。


「よし、お前の携帯、さっきのメイド服に入ってるか?」


「? はいますたぁ。入ってます」


「よし、あったあった。ほれ」


 投げ渡される。え、え?


「それで自分を撮れ、記念に一枚だ。絶対に消すなよ」


「……はい、ますたぁ」


 斜め上に、掲げて。ぱしゃりとおっきな音を出して、光の中撮影をした。確認確認……よし、ちゃんと裸の私が、お庭にいるってわかる。やっぱり胸、ちびっちゃい。ないもおんなじだ。


「できました」


「よろしい、返せ」


 投げて返すのは失礼だから走ってこうとすると「こらバカ、投げていい。そこからもう動くな」って、言われちゃう。


「は、はいますたぁ。い、いきますよ? えいっ」


 マスターしっかりキャッチ。ふう。


「よし、というわけだみんな。いくらでも見てやってくれ、あれはパティっていう、裸の銅像だとでも思ってね」


「や、やーらしー。け、憲邇さんサイテーだよ」


「ひ、ひどいね憲邇さま」


「いやいや、あれはパティのチケットなんだ。パティがやりたいって言ったんだ。君たちもやりたいって言うなら、まあいつか叶えてあげるかもね。気が向いたら」


「……」


 わぁ、みなさんどうしようかって顔、してる。今の楽しそうなマスター見てるといいかなって人、いっぱいだ。特に愛さん。ふふふ。一緒に飾られてでもいいですよ。ふふふ。愛さんからだけ、羨望の眼差しを感じる。ふふ。ほんとえっちだ。……やらしい。少し恥ずかしくなってくる。くらい、愛さんじっと私の、胸やあそこばっかり見てる……気が、する。


「そうだな、せっかくだし三日目は趣向を変えて、みるか。うん、そうしよう」


 ぶつぶつなにか言ってるマスター。メイド服でおろおろの皆様。み、皆様はメイド服でえっち、頑張ってくださいね。わ、私はお庭で、裸で頑張りますから。


 じいっと振り向いたマスターの視線、受けて。私はもじもじと三日間を耐え抜いていった。


 マスター、大好き。三日間、頑張りまむっ。
















 それは唐突にやってきた。楽園の終わり。あたしはまったく蚊帳の外というか、自転車でいける距離の村に、そんなものがあったということも驚きだった。それも今、終わったって。二人の兄妹の来訪で、知る。


 ちょっとだけ、まじめなお話。八月のえっち強化月間に浮かれた、あたしたちを打った。


 パティちゃんを庭に飾ったあと、すぐに。とんとんと戸を叩く音が、少しうるさく響いた。インターホンがあるはずなのに、と、良子さんがぱたぱた駆けてゆく。あたしはせんせと視線が合って、本日は夜這いだって思ってうきうきしていた。


 だんだんだん! とうるさく走る音がする。それはすぐにこちらに向かってきて、開けっ放しのドアから、鬼気迫る顔が、のぞいた。


「いた! お前、深町──」


 男の子だ。すぐ隣で手を引いてるのは、多分妹かな、二つ三つくらい、小さな女の子。二人とも洗ってないような、汚れた衣類を身にまとっていた。女の子はくまのぬいぐるみを、同じくらい汚れているけれど、大事そうに抱えていた。


 男の子の目が、庭に向かう。はっとなってすぐそっちを窺うと、なぜかいたはずのパティちゃんがいなかった。あ、あれ。おかしいな。


「……? き、気のせいか。そうだよな」


「いる」女の子のすごく細い、枯れた声。「多分、見えないだけ」


「えっ」


「……パティ、着てここに」


「はい」


 ふわ、と、なにもないところからパティちゃんが現れた。さっきと同じメイド服で。彼が少し驚いている。あたしたちも。忘れるところだった。パティちゃんがそういう、子だって。


 せんせはしっとりと、ゆっくり穏やかな声で言った。


「こんばんは。深町、憲邇です。君たちは?」


(しん)だ。こっちは妹の(まい)


 かすかに頷く。……い、今気づいた。妹さん……すごく虚ろな目をしてる。


 死んだ、魚の、ような。


「逃げてきたんだ、あいつらぶっ飛ばして! ああ、やったのはほとんど舞だけど」


「あいつら?」


「ほら、町長のグループだよ。前に巫女を手に入れていた」


 町長。話に聞いたことある、確かひどい人だ。そこから逃げてきた。


 不意に気が、ついてみゆちゃんを見る。……真っ青な顔、してた。妹さんをじっと見てる。震えて……泣きそうな顔で。


 前に自分を陵辱していた人たち。から、逃げてきた。それだけでもう、察するに余りある。


「……そう、そうか。君たちが最後の二人だね? 兄は確か磁力を制御できて、妹が」


「言うな」ぴしゃり、お兄ちゃんは強く。「舞は普通の女の子だ。ずっとそうだ」


 きゅ、と、妹の握る手が強くなる。


「……そうだね、すまない。なるほど。それでもう、大体事情はつかめたよ。そうか。じゃあ、これからは桜園で過ごしなさい。そこが君たちの家だよ」


 せんせはもう、いろいろと察しがよすぎて、混乱してるあたしたちを置いてけぼりで話を進める。でも。それが一番いい。みんなわかってた。


「な、なにも聞かないのか? 俺たちがなんなのか、なにしてきたのか、とか」


「今は興味がないな。あるのは食べ物の好き嫌いかな。明日からの献立に差し支える」


 ちょっとキザっぽいせんせの言葉、にも、彼女だけは反応しなかった。


「い、いいのかよ。俺、あんたらをずっとやってきたぞ。やって。そりゃあ、あんたしかいないと思ってここに来たけど……」


「関係ないな。私は、君たちを桜園の家族に迎え入れたい。そう、思っただけだ」


 にっこりと笑う。せんせの朗らかな笑み。に少し、少しだけ顔を上げた舞ちゃん。せんせがゆっくり近づいて、そっと手をとろうとした。


「いやっ!」


 ばちっ、て音がしたかと思ったら、せんせの体が吹っ飛んで、パティちゃんにぶつかっていた。……パティちゃんが、どうしてかその先にいて、せんせを軽々と受け止めていた。


 舞ちゃんは、がくがくと震えていた。怯え、恐怖に顔を歪め、ひしとお兄ちゃんの腕をつかんでいる。


「大丈夫だ、あいつは」


「いや、いやっ! お兄ちゃん以外、信じられないっ」


「大丈夫だ、落ち着けっ」


 虚ろな目は恐れだけを表している。よっぽどひどい目にあってきたんだ。それが、わかる。わかるからせんせは、立ち上がってもう一度、前に立った。


「もう、平気だよ。二度と君に手出しはさせない」


「いや、いやっ。だってあなたは、さっき庭で同じ人を裸で」


「パティは私の女、彼女だから、そういう、えっちなことをしていただけなんだ」


 あそこまでバカ正直に言うことないのに。せんせはいっつもこうだ。


「いや、いやっ。どう、どうしてっ。どうして嘘つかないのっ。お兄ちゃんしか、嘘つかない人いなかったのにっ」


「私も嘘はつくよ。今はついてないだけだ。もし、できるなら、桜園という場所にいて欲しい。私たちはなにもしないよ、しない、絶対だ。嘘だと思うならそのときに、君の刃で私を貫いてくれ。君ならそれがわかるはずだ」


「どう、どうし、お兄ちゃんっ。この人こんな、できるのにっ。やらないのっ。なんでっ?」


「できる? できるってこいつも? そんなはず、だってああいうのは、若いやつしか」


「私にはパティの能力が移っている。だから今、私は思った望む力が、手に入るんだ。元々パティの持っていたものもね、いくつかは」


 へぇ、そうだったんだ。ふぅん。それで絶倫なの? 違う気がするけど。


「だけどそれらを使う必要はないよ、もう、ないんだ。こういう、危ない棘を持った人がこれで、全員桜園に集った。君たちが入ってくれれば。そうすれば、みんなの棘を抜くことができる?」


「とげ? とげって?」


「ああごめん、回りくどいことを言って。君たちの不思議な力を、なくすことができるんだ。全員が揃っていれば、全員同時になくすことができる。都合があってね、不思議な力は、そうしていっぺんに全部消さないといけないんだ」


 なぜか、パティちゃんはさみしげな表情をしていた。


 その言葉に、目を見開いている、妹さん。それと、みゆちゃん。みゆちゃんも同じ力がある人だって、忘れてた。


「……本当? 本当にこんないらないの、あっちやれる?」


「ああ、本当だ。嘘だったら針千本飲むよ」


「お、おい聞いたか? へへ、俺もこれで」


 ぎゅうう! 力の限り抱きしめるのがこっちにもわかるほど、妹さんはお兄ちゃんを抱きしめていた。


「あたし、あたしね、これでね、ずっとずっとお兄ちゃん苦しめててね、ずっとね、これでね、お兄ちゃんずっと痛かったはずなのにね、笑っててね」


「うん、うん」


「お兄ちゃんね、お兄ちゃん、大好きでね、いっつもね、あたしのことばっかりでね、あたしの、あたしのお兄ちゃん……!」


 泣きそうな顔はやがて笑顔に移る。ぱぁっと花開くように笑うと、とってもかわいいえくぼがのぞいた。お兄ちゃんはそれを、ぐいぐいとこねるように撫でていた。


「痛かったことなんか、なんにもないぞ。お兄ちゃんをバカにするなよな」


「うん、うん、うん! ごめんね、ごめんなさい。ありがとう。ごめんなさい」


 堰を切った彼女の感情はあっという間に溢れていった。ぼろぼろと泣き、うわあああんと泣き叫び、しゃがみこみ。嗚咽を繰り返しながら、いつまでもお兄ちゃんに撫でてもらっていた。


 せんせはそんな二人を、とても愛おしそうに眺めていた。


 まだ、触ることは怖いと、拒否はされたけれど。ひとまず桜園で住まうことを許してくれた。泣きはらした目の、妹さんは。最初より何倍も何十倍も、生き生きとした目をしていた。


「じゃあ、明日にでも終わらせよう。なくなっていいよね?」


「うん」「ああ」


 二人ともがしっかりと頷いた。不思議な力。超能力。ほしいと、思う人もいるもの。でもこの二人には必要ない、ないの。


 みゆちゃんもなんだかすごくほっとした顔、していて。ちょっぴり残念そうに、でもうれしそうに、二人を見ていた。


 パティちゃんだけ、なぜか。渋い顔をしていた。


 二人は今お風呂に入ってもらっている。二人一緒に、仲良く。まだそういう年頃に見えたし。着替えはみゆちゃんのだとちっちゃすぎるから、パティちゃんのを着てもらうことになった。お兄ちゃんには、なんとせんせのお古だって。うらやまし、ふふ。


 とりあえず今夜はここに泊まってもらうことになりました。パティちゃんたちの部屋で、パティちゃんと一緒に。お庭で飾るのは、明日から三日にして。それがいい、と、彼女もわかっているから。


 ……二人はこれだけ多くのメイド服があるというのに、それを疑問にも思っていなかった。そのことにも少し、悲しみがあるけれど。でも。


 これからは前を向いていけるはず。ちょっとずつ、でも。これからは学校にも……通ってないみたいだったし(パティちゃんも昔はそうだったみたい)、通ってもらわないと。


「それで、町長たちのグループ、っていうのは」


 疑問に思った絵里さんが言う。


「もうおしまいだよ。そういう、不思議な力を持った子供を中心とした私設軍隊のようなものを持っていたけど、もう解体だろう。持っている意味がもう、ないしね」


 絵里さんたちを襲ったっていう、あれかな。あたしよく知らないけど。


「……なにを、してきたの?」


 絵里さんに、聞きたいけれど聞きたくない、ことを。言ってもらった。


「ひどいことだよ、とにかくひどいことだ。それだけだよ。それ以外に表す言葉はない」


「そうね……ねぇ、あの子たちこれから、明るく生きていけるかしら」


「当たり前だ。しっかり幸せになる。絶対だ」


 ……せんせの、信じて疑わない、瞳。


 海の底は、明るい太陽が沈んでいる。どこまでも光り輝いて、辺りに明るさを振りまいているんだ。


 みんながその言葉を、信じていけるほどに。


「あんなにいい子たちが幸せにならないはずがない。絶対だ。ただ、それには君たちの協力が不可欠だよ。両親がいないんだ、代わりを、みんなでしていかなくては。手伝ってくれるかい?」


 ええ、もちろんです。の、微笑みを。みんなしていた。


 ここにいてもお風呂場から、はしゃぐ仲のいい兄妹の声が聞こえてくるようだった。








 お風呂から上がった兄妹にばったり出くわした。ほこほこの赤みが差した頬が、とってもかわいらしい。


「湯加減どうだったかな? ちょうどよかった?」


「う、うん」


 妹さんの瞳は、まだ完全に晴れやかなものとはなっていない。けれどそれもすぐだ。すぐにきっと、みゆちゃんのように笑うことができる。


「……あなたもあの人の恋人なのね」


「え? どうしてそう思うの?」


「なんとなく。あたしそういうの、わかるの。あなただけじゃなくって、その、このおうちの女の子、ほとんどあの人の恋人でしょ? 知ってるんだ、ここに来る前にもう」


「へぇ……そうよ。誰にも言わないでね」


「うん。そっか、お父さんは恋人いっぱいかぁ……」


「ふぅん。変なの。俺は恋人一人でいいな。変な父さん」


 あれ、でも。二人とももう、お父さんなんだ。前に聞いてたのかな。


「あんな人がお父さんで、いや?」


 ふるふると首を振る。「うぅん、いい。すごくいいって、思う。恋人は、その、へんかもしれないけど、やさしくて、しっかりした人っていうのは、ずっと前からわかってたの」


「そうなんだ」


「俺は大人なんて最初信じてなかったけど、あいつとか、中には信じていいって人もいることがわかったんだ。だからここにきた」


「そっか」


「学校も……行かせてくれるって、いうし。楽しみなの」


「そうだぞ、友達百人は作らないとな」


「うん、そうだよ。百人は作らないとね」


 あ、笑った。かすかに、小さくだけど。笑えるんだ。それはもう、にっこりと咲く、たんぽぽのような。


「なにかあったら、お姉ちゃんが助けてあげる。なんでも言ってね」


「うん、お、お願いします。……お姉さん、お仕事は?」


「え、し、仕事?」


 不思議そうに顔を傾げられる。「? 大人のお姉さんに見えるから、お仕事してるんじゃあないかなって」


「……あたし、まだ中学生なの。学校、行ってるの」


「え、あ、ご、ごめんなさい。お、大人っぽく見えたから」


「ごめんなさい」


「いいのいいの、慣れてるから」あはは。頭を下げられて、慌てていいのいいのと持ち上げる。大人に見られるのは慣れっこだ。女子大生や、
OLに間違われたことなんて何回あったろう。ナンパも、されたなぁ。全部せんせがいるからって、断ってきたけど。


「じゃ、じゃあ、一体お、おいくつ……?」


「ああ、十五になるの、今年で。まだ十四の中学三年生」


「ふわぁ……見えないね、お兄ちゃん」


「ああ、すごく大人びて見える」


「ふふ、ありがとう。お兄ちゃんは何歳?」


「俺? 俺十歳にもうなったんだ。舞は今年で八つだな?」


「うん。学校に行くと何年生なんですか?」


「今年八つなら、二年生ね。十歳は四年生」


「そっかぁ。もう一年生じゃあないんだぁ。そっかぁ。ちょっぴり残念」


「いやいや、学校って面倒なんだろ? 勉強するのが一年なくなったんだ、いいと思おうぜ?」


「もう、お兄ちゃんめんどくさがりやだなぁ。ふふ。いいもん、目いっぱい楽しむから。ね、パティさんどこ? パティさんにお話聞きたいなぁ。あ、でもその格好、かわいいですね。ふふ。学校行ったらこういうの、着れるんですか?」


 忙しいなぁ、ふふふ。楽しそう。よかったよかった。


「これはメイド服っていってね、メイドさんっていう職業の人が着るのを、今日は特別にみんなで着ているの。せんせに、深町憲邇せんせに喜んでもらうためにね」


「ふぅん。そうですよね、好きな人に喜んでほしいですもんね。あたしもお兄ちゃんに喜んでほしいなぁ。これ、着てみたいなぁ」


「こらこら、無茶言うな」


「あ、でも良子さんっていう、お洋服作るのが得意な人がいるから、教えてもらったら? 材料もいっぱいあるし、きっといいよって言ってくれるよ」


「わぁ、ほんとですかぁ? そうしよっかなぁ。ねぇお兄ちゃん、こういう格好したら喜んでくれる?」


「……ああ。お前がこんなことしたら、めちゃくちゃかわいいに決まってる」


 あ、お兄ちゃんバカだ。ふふふ。


「じゃあ、お願いしようっと。そうだ、パティさんどこですか?」


「一緒に探そうっか。パティちゃーん! どーこでーすかー?」


「はは、はーいっ」


 向こうからぱたぱた、メイド服の裾を持ち上げて駆け出してきた、かわいいパティちゃん。今日からお庭じゃなくってちょっぴり残念そうな、えっちな小学生。


「どど、どうしましたぁ?」


「いろいろ聞きたいの。お話していいですか?」


「はぐ、はい。どうぞ。あ、静香さん、向こうでマスターに紅茶ご馳走大会始まってますから、ぜひご参加を」


「そう? じゃあそうしよっかな。舞ちゃん、パティお姉ちゃんの言うことちゃんと聞くのよ。それじゃあね」


 なんだかあたしおばちゃんみたいだ。ふふ。でもいっか。なんにも、なんにも……知らないみたいだから。


 パティお姉さんは、いいお姉さんになるでしょう。きっと、ね。


「い、いいですかぁ? ます、深町先生がこれからはお父さんです。お父さんのいこ、言うことはちゃんと聞きまそう。……お父さん、わかるよね?」


「うん。ずっとほしかったんだぁ」


 ……あたしはその場を去り、楽しげに話していく三人をあとにした。


 これからは大丈夫。素敵な家族が、できたんだから。


 あたしもちょっとは、パパの言うこと聞いてあげないとなぁ。ふふ。パパ心配してるかなぁ。お盆にはきちんと帰ろう。安心させなくちゃ。


 一度だけ振り返ると、三人はまだ廊下で話をしていた。なにも廊下でなくとも、の視線を送ると、今気づいたようにパティちゃんははっとし、ゆっくりと歩き出していた。


 小さな背中、大事にしよう。


 リビングに入ると、紅茶の香りが一気に広がる。せんせの前のテーブルには、飲み干したであろうカップがいくつも並んでいた。


「もう飲めない、もう飲めないぞ。もういい、もういいって」


「えー? あたし今度はちゃんといれられたんだっ、飲んで飲んでっ」


 まゆちゃんがぴょんぴょん飛び跳ねてメイド服をふわふわさせてる。そのほかにも飲んでほしそうな面々がつらつらと、不満の形に唇を曲げていた。


「憲邇くんが言い出したのよ、せっかくメイド服だかららしいことをしようって。紅茶が飲みたくなったから淹れてくれって」


「限度がある。すまなかった」


「ごめんで済めば警察は要らないのよばか憲邇。あなたは全部の紅茶を飲む義務があります。みゆのこの顔見なさい」


「う……」


「い、いいよぅ。飲めないの、しょうがないもんね。い、いいです憲邇さま。ま、また今度で」


 それでも純真無垢なみゆちゃんの顔は、残念だと物語っていた。あーあ。しーらないっと。せんせ、そんな顔されたら意地でも飲んじゃうし、っと。あたしも準備しなきゃ。紅茶は普通の、お茶と一緒にしちゃダメなんだよね。どうするんだっけ。


「……わかった、飲む。飲むよ。そうだ、言い出したからにはきちんと最後まで飲まないと。ようし、じゃんじゃん持ってきてくれ」


「じゃあまずはみゆね、ほらほら」


「い、いいよぅ、無理しなくて」


 まあ、あれはみゆちゃんが折れるのもすぐだな。一番遠くにいる千歳さんにちょいちょいと、聞いてみる。


「誰まで飲んでもらったの?」


「えっと、まゆちゃんと紗絵子さんと、良子さんパティちゃん、それから奈々穂ちゃんと、巴さんかな」


 自分から行く子ばっかりだな。当たり前か。それでまゆちゃんはあんまりおいしくなかったからまたチャレンジしたと。ふぅん。


「でも急にメイド服で、よく先生ちゃんとしてくれるよね。すごいなぁ」


「そうですね、こういうこと考え出すとすぐですよねぇ」


 ごくごくと、紅茶を一気飲みしてるせんせ。みゆちゃんがじっとその様を見つめ、どうですかとお伺い。


「うん、まあまあかな。ただやっぱり香りが弱いよ。良子の淹れてくれたのは香りが本当に芳醇でね、違った」


「まあ、ではご主人様」


 んー、と唇をちょんと突き出す良子さん。そういうこと。一番はキスのご褒美か、こりゃがんばるなぁ。


「いやいや、まだ全員だよ。とにかく、みゆはほどほどだった。次飲むぞ、次」


「では深町さま、次は私をご賞味あれ」


 こぽこぽと次は花雪さんが注いでく。リビングに溢れる心地よい紅茶の匂いが、既にはっきり充満だ。


「……うん、これもおいしいね。かなり香りもよいし、味もまろやかだ」


「まあ、良子さんに敵いますの?」


「残念だけど、いまだ一位は良子かな。すごいというのが、飲み比べでわかったんだ。すごい。いつも何気なく飲んでいるおいしい紅茶が、実はすごい産物だって、今日気付いた」


「えー、そお? ななほわかんないけどなあ」


「まあまあ、私の舌には、だからね。よし次、飲むぞ、飲んでやる」


 それからせんせにみんなで飲ませっぱなし。メイドさんよろしく、次々と注いでは空にしてもらう。それだけでもにんまりだ。ふふ。


 ご主人様に紅茶を注ぐ。絵になる光景に、みんな。ふふ。


 全員分を飲んでもらうと、さすがのせんせもお腹いっぱいみたい。でもみんなはうふふだった。


「食後がまずかったな……そうでなければ割と、うん、次は気を付けよう。ごほん、では一位は、やっぱり良子だよ。春花も惜しかったけどね」


「わぁ、ありがとうございますご主人様! メイド冥利に尽きます」


 まあ、しょうがないよね。みんな日々の良子さんのおいしい紅茶の味、知ってるもんね。納得してた。


 ちゅっ。目を閉じて唇をちょんと突き出した良子さんに、キスあげて。うふふの笑みで、しっとり見つめてる。よかったね良子さん。


「よくできました。ありがとう。じゃああの子たちも呼んできてくれ、みんなでお茶にしよう」


「はいご主人様」


 ぱたぱたと良子さんが駆けていく。いつも出遅れる巴さん。すぐ慣れますよ。


「ふう、いやぁ飲みすぎて肩がおかしいなぁ。誰か揉んでくれないかなぁ」


「はいはいはいななほやるぅ! だめだよ、だれにもあげないよっ」


「えー? あたしもやるっ、やるのっ」


「まあ、それは妾たる私がやりますのっ」


 奈々穂ちゃんもまゆちゃんも花雪さんも、しっちゃかめっちゃかにせんせの後ろを取り合った。ぎゃあぎゃあ、喚いていると、紗絵子さんがこっそり陣取り、とんとん。


「ああー! さえこお母さん! ずるだよ!」


「ふふん、ななは甘いわ、こういうのはね、やったもん勝ちなのよ。どう、憲邇くん? 気持ちいいでしょ」


「ああ、うん、いいよ、すごくいい。はぁ……ああもうさ、順番に全員やってよ、今日も仕事でねぇ、肩が凝ってねぇ」


 みんなの目がきらりと光る。ふふふ。パティちゃん早く来ないと大変だよ、と、みんながいそいそと順番を待ち、せんせの肩を揉んであげていた。


 みんなメイド服、楽しい。またやろうね。ふふふ。


 ……くい、せんせの目がまた、妖しく光る。あの子たちが来るまで、だって。そうしてまた、あたしたちは全員、ゆっくりとメイド服をたくし上げていった……


 せんせ、大好き。今夜の夜這い、ピンクイエローは楽しみに待ってます。
















 奈々穂という少女は、実はとても大きな器を持った女性なのかもしれない、と。最近ふと頭の中をよぎることが何度もある。


 目の前でくるくると楽しげに回転する少女は、実はとても懐の深い人物で、私など敵わないような雄大な心のうちを持っているのだ。と、感ずる。


「ねぇせんせぇ。あのふたりこれからちゃんとわんわんしてけるかなぁ?」


「わんわん?」


「わんわんっ! とか、どうどうっ! とか」


 両手を前で垂らし、わんわんと吠え、耳の上に当てたかと思うとどうどうと吠え。なにを言っているのか、まったくわからない。メイド服でそんなことをやるものだからまた余計だ。


「だってさぁ、あんまししゃべんないままできたじゃん。これからさ、ちゃんとわうわう言わないと」


 わうわうというのは置いておいても、あまり話さないできたというのは事実だろう。確かに、これからちゃんと話せるか、コミュニケーションがとれるか。課題ではある。


 人を怖がる余り、子供は、口を閉ざすものだ。


「お兄ちゃんつよいんだね、あんなにいたかったはずなのに、ぜんぜん泣かないで。おとこの子ってすごいなぁ」


「……そうだね。あのお兄ちゃんはすごいよ。とっても偉いんだ」


「うふふ。せんせぇ、これからちゃんとよろしくね。わうわう、してってね」


「ああ、うん。なんとか」


 わうわうってなんだ。わからん。


 年若いメイドさんが隣に座る。私の寝室で寝るというと、やっぱりいつもよりはしゃいでいた。ベッドを何度も弾ませ、自身も弾んでいるよう。


「えへへへへぇ……ねぇ、せんせぇはやっぱり、いいもんだ」


「悪いもんかもしれないぞ? ななをいっつもえっちな目に遭わせてる」


「いいもん。せんせぇやらしいけど、やさしいから」


 ぽふ、と頭を預けに来た。その小さな頭部にのっかったものがなんだかくすぐったい。


「あのお兄ちゃんも、いもうとさんも、せんせぇならちゃんとしあわせにできるもんね。しんじてる。しんじてるから」


「……ありがとう」


 撫でてみる。柔らかい頭髪はうにうにと指に沈み、深い心地をさらさらとさせてくれた。


「えっち、する? 一回だけなら、なな、できるよ?」


「ああ、じゃあしょうがない、一回だけ」


「うん。いつかねぇ、ゆかりおねえさんみたいにね、ひとばんじゅうだってやるんだぁ。えへへ。せんせぇのほうがつかれちゃうの」


「それは大変だな、覚悟しておくよ」


「うふふふふ。……ねぇ、おしたおして。がばぁって、して」


 言われるがままにベッドに押し倒す。上に私、下に奈々穂。がばぁっと思いっきり抱きついた。ああ、柔らかい。いい心地だ。奈々穂の言葉は惑いの魔力がある。つい、従いたくなるのだ。


「あっ、んぅ……せんせぇ……だいすき……だいすきだよ……っ」


「ああ、私も大好きだ」


 視線を同列に置く。メイドさんの少女は、潤んだままに愛を囁き、私を見事ノックダウンさせた。


 唇を、奪う。奈々穂は苺の匂いだと、過去に誰かが言っていたが本当にそうだ、苺の……味がする。不思議だ、人の唇なのに。


「ん、んふ……きすまぁ」


「なながキスはもうやめてっていうくらいまで、するかもね」


「うふふ、そんなことなんないよ、ぜったい。ななほもきすだいすきだもん。せんせぇの口、だぁいすき」


 そっと唇をなぞられる。なんだかぞくぞくとした震えがそこから広がり、思わず思い切り彼女に体を沈めてしまった。抑えたい、この体で。


「あん、もう……ねぇ、せんせぇ。このかっこ、どお? かわいい?」


「ああ、かわいいよ。癒されるね。目からとっても、安らぎが溢れてくるようだ」


「ふぅん? よくわかんないけど、ありがとね。うふふ。ななほもね、かわいくってこれ、すきなんだぁ。またときどき、していーい?」


「ああいいよ、好きなときにしなさい。ただし、その日は夜がばぁってされるかもしれないけどね」


「ああそっかぁ、それたいへんだなぁ。ななほね、たまにせんせぇがいまきたらえっちできないなぁっていう日、あるんだぁ。きをつけなくっちゃ」


「ああ、頼むよ。無理なお前を無理矢理するのは好きじゃない」


「うふふ。せんせぇならむりやりもいいよ? せんせぇだもん。うふふ。ねぇ、あかるいの、けして? くらくしよ? そっちのがえっちだよ、ね?」


「ああ、そう? せっかくの衣装だから見たいんだけど、まあいいか」


「見たい? そんなに見たいの?」


 立ち上がりスイッチまで歩く私に奈々穂は驚きの声を上げる。「消すよ?」


「あ、まって。そんなに見たいの?」


「まあ、見たい、かな。せっかく奈々穂がかわいいからね」


「ふぅん……じゃあ、いいよ。ふふ、ななほいっぱい、見て? ななほね、せんせぇにね、いーっぱい見てもらうのね、すきになったんだぁ」


「ふむ、それはいいね。じゃあ、見ようっと」


 仰向けの奈々穂の上にのしかかり、じいっと見つめていく。細い脚だ、細い手首だ。もっともっと太ってもらわないと。長い髪が扇状に広がり、六歳になった瞳がくすぐったそうに笑っている。ふっくら、エプロンからでもその大きな胸もわかり、広がるスカートを無意識にだろう、押さえていた。


 六歳になった、なったのだ。広子の言葉どおりなら、これからどんどん精神年齢が実際に追いついていくのだろう。ゆっくり、ゆっくりと。それでもいい。なにがどうなっても、奈々穂は奈々穂だ。


「せんせぇ……は、はずかしいよぅ」


「見たいんだ、もうちょっと」


「はぅ……すけべぇ……」


 存分に眺めつくさせてもらった。いやぁ、好きな女というのはどれだけ見ても飽きのこない。いい身体をしている。丸い肩にうっとりするほど艶のある唇。丸みを帯びるほのかな指先、閉じようとする無邪気な足首。そして豊かな弾力をたたえた乳房と、隠れた私を受け止める、狭い大人の入り口。赤く迫る、表情。愛らしい……


 これから、えっちするよ? いいね?


「うん……やさしく、してね」


「うん、できるだけ」


 鼻のくっつきそうな、軽いキスをして。それが始まりだった。


 六歳児は艶を帯びるまつげを揺らして、ぷっくりと色づく唇を無造作に放り出し、そこから私の責めを受け止め、放出していた。六歳でこれだ、五歳でもう、こうだったのだ。やはりすごい。男が無遠慮に襲い掛かるのを、しっかりと受け止めてくれる。やっぱり、女の人には敵わない。いつもいつも感じる。


 腰をなぞると、くすぐったそうに笑う。細い腰だ。お尻もふくよかではあるものの、やっぱり全体的に痩身と言わざるを得ない。家系か、私も言われれば痩せ型だが……太ってもらおう。太ってもらうのだ。たくさん食べてもらうのだ。幸せ太りを、してもらうのだ。なぁ奈々穂?


「うん? なぁに?」


「いや、なんでもないよ」


 エプロンに顔を埋める。柔らかな少女の身体は、どこまでも居心地がよかった。いい胸だね、ふふ。


「うふふ。せんせぇえっち。そんなにおっぱいすき?」


「ああ、大好きだ。好きな女の子のおっぱいはね、すごく好きなんだ」


「えっへっへぇ……ありがとっ。うふふ。じゃあじゃあ、いつでもがばぁしていいよ? いつでもおっぱいかしたげる」


「それは嬉しいな」


 頬をなぞりながら、するするとリボンを外していく。そうして胸元のボタンを外し、はだけさせ、谷間を露出させた。今日何度も見た、奈々穂の白。美しい下着だ、メイドには似つかわしい、と思える。


「どお? きれえ?」


「ああ、すごく綺麗だ。いいおっぱいの形してる」


「やぁんもう、はずかしいなぁ。うふふ。ねぇ、せんせぇ先、ぬいで? せんせぇのはだか、見たい」


「ん、そう? わかった」


 ではとさっさと脱いでいく。このあとに風呂に入る予定もない、気にしない男は寝巻きをさっと脱ぎ捨て、裸になった。


「はぅ……いいなぁ、すてきだなぁ」


 そっと胸板から、お腹へ指を移動される。くすぐったい。


「ななほね、せんせぇお兄ちゃんのはだか、ぜーんぶすきだよ。はだかがすっごく、いいなぁって思うんだぁ」


「そう? ありがとう。最近は暑いからね、特に裸でいることが多いかもしれない」


「やぁだ、えっちのときだけにしてぇ? じゃないと、ななほどっきどきしっぱなしだよぅ」


「うぅん、そうか、わかった。普段は着てるようにするよ。ななも暑いからって脱いじゃわないようにするんだぞ?」


「はぁい。はぁ、すごいなぁ。おとこの人だ」


 つつ、と指がまたお腹を滑る。それが胸に上がり、肩をよじり、ぽんと鼻頭に飛ぶ。踊るように動く奈々穂の指先は見ていて面白い。私はそれに絡めるように、自分の指先を合わせた。


「……」


「……」


 二人は黙り、吸い込まれるようにメイドと主人が、触れ合いに行く。キスを、し、何度もし、頬と、口と、鼻と、おでこと、それから首と、どこどこまでもし、し続け、その間にブラをずらし胸を露出させ、スカートの中から下着を、ずり下ろしていった。


「はぁ、はぅ……はだかじゃ、ないの?」


「ああ、この格好だからね。脱がせないよ」


「ふぅん、わかった」


「じゃあ、舐めるよ。いいね?」


「うん、どうぞ」


 まずは舌を出させて、それを舐めた。口の外に舌を出すことに奈々穂は抵抗がなく、すんなりと受け入れて舌を交差させる。その様を見てもなんとも思わないのか、くすりと微笑んでいるだけ。楽しそうならそれでよい、と、次は胸に舌を移した。露出した小さい乳首を回すように舐めると、小さな抑えた喘ぎ声が漏れた。六歳児だろうと、それは関係なく。ただ嬌声が漏れる。それは麗しく、私を奮わせる。二つの乳首を思い切り濡らすまで舐めると、奈々穂は息を切らしていた。


「はぁ、はぁ、っく、はぁ、はぁ」


 一瞬だけ視線を交わす。少女の瞳は艶かしく弾けていた。そうしてすぐ、スカートの中へ顔を突っ込んで見る。着せたままだと、こうしないとあそこを舐められやしない。なんともメイド服とは、よくできたものだ。


「あっ、ちょっとぉ、ふふふ。お兄ちゃんったらぁ」


 既に下着は左足にしか引っかかっていない。靴下とガーターリングを好ましく眺めたあと、そっと黒く茂る奈々穂を味わいにいった。


「あっ、あっ、んっ、はぁっ、お兄ちゃんっ」


 メイド服の上から頭を押さえつけられる。私は関係なく、身体だけは大人の、奈々穂を、味わっていった。女の、味。舌に感じる、秘裂の味は、女の味でしかなく……舐めて、舌を這わせ、入れていく内に……愛の液を、漏らしてくれる。


 くれるのだ、もう。六歳五歳、だろうと。何度も交わった結果、奈々穂ももう、感ずるようになったのだ。なってしまった。


「はぁ、ふぅ、はぁ……お兄ちゃん……っ」


 スカートの中から、思いっきりそれをめくり顔を出す。涙ぐんでいた奈々穂は、その長いスカートで顔を隠していた(裏返しになったふわふわの生地がなんだかかわいい)。


「えっちぃ……」


 ずきりと、後頭部が痛い。くらくらとした快感が頭を、過ぎ去っていく。


 もう、ダメだ。


 私は半ば強引に脚を広げ、自分のいきり立つモノをそれに添えた。奈々穂を見る。自分の女になった、少女を見る。……スカートで顔を半分隠したまま、泣きべそをかいているのに、こくりと、頷いてくれた。


 愛しい。


 昂ぶるものが少し、収まり、ゆっくりと自らをメイドさんへ、挿入していく……ずぷずぷと簡単に進み、奈々穂は愛らしい吐息を漏らしていた。


「あっ、あっ、あっ……お兄ちゃん……ななほってよんでっ、ななほっておっきいこえで、言ってっ」


「奈々穂っ、奈々穂っ、綺麗だぞっ」


「わぁ、えへへ、あり、ありが、とうねっ。はぁ、ふぅ、せんせぇの、お兄ちゃん……っ」


 ゆっくりと動かしていった。奈々穂の膣内はとても具合がよく、私を虜にする。愛らしい声が、顔が、また興奮の渦へ私を巻き込んでくれる。唇が見たい、とスカートを剥ぎ取ると、ピンク色に艶めく色っぽい唇がのぞき、すぐにキスを奪わせる。奈々穂は存外積極的で、自分から唇を押し付けてくれ、舌を求めてもくれる。嬉しさとともに感じ合っていると、そっと細い手が、しなやかな手が背中をさすり、たどっていった。女性の指が背中を動き回るのを、どうしてか私は、感じよいと、しっとりと気持ちよいと思うのだ。


「奈々穂、離すなよ」


「うん、ずっとずっと、はなさない。はなさないもん。お兄ちゃんと、ずっとずっといっしょいるもん」


「ああ、ずっと一緒だ」


「あぅっ、はぁっ、はぁ、おにいちゃぁんっ」


 奈々穂は言葉のとおり私をしっかりとつかんで離さなかった。その思いに裏づけされるかのように、私も彼女を離さなかった。離さずに攻撃をした。襲い掛かって……欲望のままに責め立てあげた。メイド服の裾を揺らし、露出した大きな胸を揺らし、色っぽい唇を揺らし、塞ぎ。何度も突いた。心地いいままに。


 一筋、奈々穂から涙がこぼれた。私はそれを愛しいと思い、嬉しいと思い、すまないと思い、体重を支える手の代わりに、唇でいつものように拭き取った。


 すると、膣の具合が飛び跳ね、蠢き、私を誘いに来た。心地いい快楽が下腹部から襲い掛かり、私を満たしていく……


「ん……へへへ……ねぇ、お兄ちゃん、あっ」


「なんだい、奈々穂」


「んーん、言ってみただけぇ。えへへ」


 笑顔はまるで女神のようだ。涙が滲み、苦しくないはずはないのに、笑う、顔は女神のそれでしかない。私は幸福のあまり強く、強く強く! 突いてしまった。動いてしまった。奈々穂の息が上がり、疲れを見せると少し休み、しまったと思いながら髪を撫でる。愛しい奈々穂は、そっと背中から手を、そちらへ移し、髪と三位一体にしてくれた。


「すき……」


「ああ、好きだ。気持ちいいぞ、奈々穂」


「うふふ、ありがとう。ろくさいなのにそんなの、うれしいよ、お兄ちゃん」


「好きな女だ、年は関係ないよ」


 そうだ、犯罪者め。


「うっふふ……ありがと。はぁ、あぁ、ん……ううー……」


 休む間に谷間に顔を埋め、ふくよかな女性の膨らみを味わっていった。顔を擦り付け、匂いを擦りこませに行く。奈々穂の匂い、苺の匂い……不思議だった。人の匂いの、はずなのに、苺に感ぜられる。甘酸っぱい、それは彼女そのものだ。


「うふふ……お兄ちゃん、ごほんのかおりがするぅ」


「え? そ、そう?」


 初めてだ、そんなの言われたの。本の香り? そんなの、するのか?


「ななほすきだよ、お兄ちゃんのにおい。とっても大人で、おちつくの」


「そ、そうか? ありがとう。……奈々穂だって、苺の匂いがするよ。甘酸っぱい、初恋の匂い」


「ええ、そお? ふぅん、しないと思うけどなぁ。ね、いちごってはつこいなの?」


「ああ、よく言うよ」


「ふぅん。じゃあ、お兄ちゃんのすきなのって、いちごなんだね。はつこぉい」


「……」


 愛しさが爆発寸前だ。私は少女の頭をぐりぐりと撫で、頬擦りまでしてしまった。


「やん、もう、お兄ちゃんったらぁ。ななほすきすぎるよ、ばぁか」


「好きになるさ、奈々穂がこれだけ、かわいい妹だからな」


「うふふ。きんだんだねっ。きょおだいのれんあいだぁ」


「ああ、誰にも言うなよ。お兄ちゃんと恋愛中だってね」


「うん、ひみつだね。ふふふ。……もう、いいよ」


 奈々穂の手が再度背中に回る。それがしっかりと筋肉をつかんだのを確認して、私も再度動くのを再開していった。


 奈々穂はまだ六歳なのに、十二分に濡れていた。身体は十七だからといっても、心の問題だ、これは。奈々穂は、もう……男を受け入れる覚悟と、準備が整っているのだ。私はその喜びを、貫くことでしか表現できなかった。奈々穂の深く、自らを埋めて……快楽を貪るとともに。


「あっ、あっ、やぁ、やぁ、へんなこえぇ……ねぇ、ちゅうして、ちゅうで、ふさいでっ」


 お望みどおり色っぽいピンクの唇を塞いでやる。嬌声は今度口内にだけ漏れ、私の身体の幹から震わせ、轟かす……甘い蜜声のさざめきは、私を溶かす勢いで……狂おしいままに、満たして、くれた。


 気持ちいい。気持ちいいぞ。


「えへ、んー……んむ、ふわぁ……きぃ、すきぃ……ななほ、だぁい、んむ……すきぃ」


「ああ、私も、っ、好きだっ。大好きだっ」


 メイドの秘部は、濡れて蠢いていた。私に吸い付き、離さない。そうしてぎゅうぎゅうと締めつけ、快感を届けてくれる。押したときには強い抵抗感とともに、引いたときは淡い抵抗感とともに。痛点となって快楽がぴきぴきと跳ね回るのだ、たまらない。たまらないから、私は突くしかない。できるだけ優しいよう、彼女に負担でならないよう、ゆっくりと……しかし激しく、突いて、跳ね回るしか、ないのだ。


 メイドさんの奈々穂のあそこは、私にぴったりだった。すべてがすっぽりとはまる。そうして、すべてを埋めるほど突き進めると、ぶつかりと同時に彼女も下腹部から叫ぶのだ。


 気持ちいい、と。


「……ん、きもちい、いよ?」


「え?」


 揺れる、揺れる奈々穂。メイド服が揺れ、愛しい小顔が揺れ、巨乳が揺れる。視覚的にも非常にそそる光景だ。


 ぎゅっと背中を、つかまれる。そうして震えるようなか細い声で、奈々穂は言った。


「きもちい、いの……ななほ、きもちいい、の……」


「えっ」


 ぎゅう。「お兄ちゃんに、あっ、あん……こん、こんって、やさしく、あん……されると……きもちい、いの……っ」


「……奈々穂!」


「あっ! おにいちゃぁんっ!」


 激しく私は突いた。宣言の折、奈々穂もきゅうと締まり、快楽……! 弾け飛びそうだ! 奈々穂がかわいい! そう思い、思うがままに私は奈々穂を攻撃した。し尽くした。舐め、噛み、撫で、擦り、擦り付け、擦り付けっ、突き、突いて、貫いて、押して、押して押して押して、押してっ。濡れるままに濡れを味わいつくしていった。


 奈々穂も、だくだくと愛液を大量に感じ出してくれていた。気持ちいい、と、潤滑液を。


 咽ぶような、女の香りとともに。


 きんと愛しくなるような、涙とともにっ。


「おにいちゃ、ぁんっ、はぁ、はぁっ……はーっ、はーっ」


「あっ……ごめん奈々穂、疲れたかな?」


 ふるふると首を振る。その様さえ、愛しい。


「うぅん、ぜんぜんへえきだよっ。えへへ、はぁ、はぅ……ななほこそ、言わなくていーい? えへ、なまなかだし、してぇ? いっぱいいっぱい、してぇ? えへへ、ななほ、はらみたぁい」


「……奈々穂っ」


 なんというできた女だっ。これは敵わないっ。私はこれ以上ないほど自分が膨張したのを感じ、それを奈々穂に思い切りぶつけにいった。そのたびに奈々穂は色っぽく喘ぎ、艶やかな喘ぎ声を出してくれる。それが耳に届くと腰が動くのだ。動く腰が、気持ちよい。擦れる膣内は最高の居心地だ。すぐにでも……ああすぐにでも、射精してしまいそうなほど、気持ちがよかった。


 でもダメだ、主人として、最後に締めるところだけは締めないと。


「奈々穂、あと一歩だ。ご主人様、を言いなさい。メイドさんだからね、それで生
膣内射精(なかだし)してやる」


「ほんとぉ? やったぁ。はー、ふーっ……なまなかだし、してくださいごしゅじんさまぁ……だいすきなごしゅじんさま、ごしゅじんさま、えっちっ、だいすきっ」


「奈々穂っ、大好きだっ」


「あんっ
 はぅぅ えへへ…… はぁ、ごしゅじん、さま、いっぱぁい えへへ はぅ


 射精をした。本日初回なだけに、大量に注いでしまった。奈々穂は温かいものに心地がいいのか、嬉しそうに受けてくれる。私も思いっきり膣内射精し、気持ちよかった。


「……はーっ
 はーっ


 息の切れる、お前は美しい。


 ……抜こうとするとものすごく悲しそうな顔でいやいや、と首を振るものだから、抜けなかった。とほほ。男は悲しい生き物だな。


「もうちょっとだけ……ごしゅじんさまを、かんじたいの。だめ?」


「いや、いいよ。頑張る」


「がんばる? なんでぇ?」


「……なんでもないよ」


 忘れるように頭を撫でる。乗っかってるものごと、かわいいぞと。


 ようやく抜いてもいいと言われ、楽になるとかなりの量が溢れてきていた。せっかくなので撮影しておく。


「やん、もうえっちぃ。そんなとこしゃしんとらないのっ、めっ」


「ダメだよ、私の趣味だからね。あとで見せてあげる」


「やぁだ、もう、えっちぃ。うふふ。ななほしってるもん。みゆおねえちゃんにきいた。そういうの見せて、えっちっちするってぇ」


「そうだよ、今度しようか」


「ぶう、えっちっちぃ。いいけどね。うふふ。せんせぇこぉんなになまなかだししてくれるなら、いいよぉ?」


 ごろごろと甘えに来る。もちろん事後処理なんてさせない、そのままだ。メイド服を汚してもらったまま、眠りにつくのだ。


「わかった、その日もこれくらいしてあげるから、見せながらえっちしてくれ」


「はぁい。ななほなんでもするよ? せんせぇのえっちなどれいだもんねっ」


 キスをする。淡い、初恋の味が、本当にしてくるようだ。


「よし、なんでもすると言ったな、腕枕させろ」


「えっ、いいの? ななほうれしいけど、じゃあさせたげるぅ」


 腕の上に奈々穂が乗っかる。……まあなんと、軽い頭だ。やっぱり太ってもらおう。


「えへへ……あの子たちも、こんなのしてくれるお父さん、いると思うなぁ。だれかなってあげないかなぁ」


「そうか、よし私がなろう。いいかな?」


「えっへへ。いいよぉ。さんせいです! めにゃめにゃだよぅ」


 毎度のことながら、奈々穂の言葉はときどき理解が追いつかない。め、めにゃめにゃ? なんだそりゃ。


「ななほもおねえさん、するねっ。あの子たちにはななほたちみたいに、しあわせになってもらわなくっちゃ」


「……ああ、そうだね」


 正直なところ、最中はそんなこと忘れていたよ。やはり女性はさすがだ。というより、私が夢中にさせられないほど、テクニックがないだけか。とほほ。


 この六歳児は、きっと大きな器が備わっているのだろう。やっぱりそう、思う。えっちに関しても、少し。


「こうのとりさん早くこないかなぁ……あいさつしなくっちゃ。したいんだぁ。うふふ」


「ああ、そうだねぇ……コウノトリさんはね、いつ来るか言ってくれないし、わかんないからねぇ……来たら、挨拶しようか」


「うんっ。ななほはおめでたなのです。えへへへへ」


 嬉しそうにお腹をさする……こんな子に、いいのかと思いながら、でも止められない。やめられないのだ。少女が魅力的過ぎて。そう、メイド姿のこの子は、とてもかわいらしく、綺麗だった。


 そっと髪を撫でる。


「綺麗だよ、なな」


「ありがとう、お兄ちゃんせんせぇ。だぁいすき!」


「ああ、私も大好きだ」


 そうして二人、微笑みながら。ゆったりとした眠りについていった。願わくばあの二人も今夜、この家で同じ眠りについていてくれればと、祈りつつ。


 少し眠ったら、私は次へ夜這いをかけないと、いけないのだけれど。
















 私はマスターのお役に立ちたい。せっかく持っている特別なものを、なくしたくなんてない。でもそれは……私一人の、わがままで。みんなの総意は、こんなものいらない、だった。


 マスターの命令があればなんでもできる。どんなことでもお役に立てる。立ちたい。ずっとずっと、生きている限り。だから失いたくなんてない。ずっとこのままでいい。わがままは叫んでる。


 でも、夜は過ぎる。日は昇ってしまった。今日……すべてが終わる。私は普通の女の子になってしまう。どうしよう。どうしよう。


 早朝……マスターもきっと眠ってるか、ジョギングに行っている、時間。私は少し猶予がほしくて、遠くへ来てしまっていた。それくらいには、私には力がある。どこへでも、行けるくらいの力が。


 ぽつ、ぽつと歩いていく……今日からお庭で飾ってもらえるから、楽しいはずなのに。私の心は沈んだまま、とぼとぼと歩いていた。


 どん、と誰かにぶつかる。


「あ、ごめんなさい」


「……いや、いいよ。ねぇ君……」


「はい?」


 早朝の、多分ここは町中。この人と私以外誰もいない。誰も見ていない町中。痩せたメガネをかけたおじさんは、私に声をかけてきた。


「ちょっと時間、あるかな? おじさんに付き合ってくれない? お茶でもご飯でもご馳走するよ?」


「……? はぁ……じゃあ、そうだ、ちらし寿司食べたいです。ちらし寿司」


 マスターの好きなものだって、知ったから私も好きになりたい。まだ食べたこと(多分)ないから、食べてみなくちゃ。ぼんやりとした私は適当にそう答えてしまっていた。


 それが悪い階段へと、下っていくのを知らずに。


 メガネのおじさんはにっこりと笑って、とんとんと背中を押してくれた。


「ああ、ご馳走してあげるよ。いくらでも。さあ、おいで──」


 導かれるままに、私は背中を押されてどこか知らないところへ案内されていった。


 はぁ。どうしよう。なにもなくなったら……そればかり、考えて。
















































































 第六十六話あとがき的戯言




 こんばんは、
三日月(みかづき)です。シリアスは早めに終わらせて八月は夢のような月にしたかったのですけれど、そういうわけにもいかず。まあ、たまには真面目なお話もいいかなぁ、と。これからの二人がきっと光に満ちた道を歩いていけますように。作者からも祈っております。でも憲邇さん彼女たちが来たばっかりなのにえっちなことするなんて不謹慎ですね! まあ、いっか。


 そうそう、リクエストを採用させていただきました。詩音さんの裸婦画を描く、というものでありますが、みゆさんと一緒になってしまいました。どうかご容赦を、すみません。パティさんをお庭に飾るは、はてさてうまくできるかどうか。わかりませんが、頑張ります。


 え? せっかくのメイド服の日なのにエロスとして活かしきれていない? メイド服とエロスって水と油でしょ? ……ごめんなさい。作中でもありますが、少々シリアス分を入れたのでそういうわけにも。というか、メイド服でエロスというのが、あんまり。回避するために子供たちを来訪させたわけではありませんが、うぅん。メイド服ってそそります? 萌えます? 作者はかわいいとしか……うぅん。メイド服露出ならまだ……


 それではここまでお読みくださり、ありがとうございました。また次回もよろしくお願いします。




 
20110527 三日月まるる




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テーマ : 官能小説 - ジャンル : アダルト

2011/10/15 22:24 | 小説COMMENT(0)TRACKBACK(0)  TOP

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